消費税率引き上げ延期は無難な策

消費税10%は19年秋に見送り

新しい国へ 美しい国へ 完全版 (文春新書 903)

 

 安倍晋三首相は1日、通常国会の閉幕を受けて記者会見し、消費税率の10%への引き上げ時期を2019年10月まで2年半、延期すると表明した。「新興国や途上国の経済が落ち込み、世界経済が大きなリスクに直面している」などと理由を説明したうえで「今こそアベノミクスのエンジンを最大にふかし、速度を最大限まであげなければならない」と強調した。そのため「総合的かつ大胆な経済対策をこの秋、講じる」との考えを示した。秋に臨時国会を召集し、景気対策を盛り込んだ今年度補正予算案を編成し、早期成立をめざす。同じ国会に消費増税の延期法案を提出する。

 社会保障の安定財源に関しては「民進党の主張のように、赤字国債を発行して給付をまかなうのは無責任だ」と述べ、経済成長による税収増で対応する考えを示した。

引用元:消費税増税再延期 首相「世界経済、大きなリスクに直面」:日本経済新聞

 アベノミクスの3本の矢は「機動的な財政政策」「金融緩和」「民間投資を呼びこむ成長戦略」。このうち、財政の収入源に税金や国債がある。その税金の一つ、消費税の引き上げを延期しようと言うのが今回の話。消費税の引き上げの延期の理由はいろいろ言われてるけど、やっぱり国民の消費が落ち込んでるからじゃないかな? 景気の先行きが見えない今は、引き上げるべきじゃないという判断。

 日本の景気は未だに停滞しているのは間違いないけど、上向きの兆候は見えなくもない。オリンピックに向けて再開発がどんどん進んでいるし、TPP発動も控えている。雇用に関しても、2000年代では1,2を争う売り手市場になっていて、若い世代がどんどん社会に出て行く。長い目で見れば景気が良くなる要因はいくつもある。それに、消費低迷の原因と言われている雇用形態や労働条件の見直しも、具体的な対策が決まってきたところ。慎重な策をとったということじゃないのかな?

 

 

正攻法で景気を回復させるしかない

 増税延期は7月の参院選を見越したものじゃないかって批判があるけど、そもそも国民は消費税引き上げは当然来るものだと思ってた。「ああ、ようやく来たか」ってさ。それに、8%の現在はお釣りが中途半端で買い物が非常に面倒。早く引き上げてくれたほうが良いって声もあるくらい。経済界を意識した可能性はあるにしても、参院選を見据えた延期とは思えない。

 そういうわけで、今回の件を安易に批判するのはどうかと思うね。安倍さんは消費税率引き上げの延期の一方で、安易な国債発行をしないとも発言している。ということは、税金や国債に頼らず、財政を健全化させようってこと。これは、ある意味で逃げ場を自から絶ったのと同じ。こうなりゃ正攻法で景気回復させるしかない。安倍さんの任期は何事もなければ2018年の9月まで。真価が問われる2年になるというわけだ。

 

増税見送りを批判する野党は意味不明

 もう一つ思ったのは、今回の増税見送りは、世論に左右されたものじゃないってのがポイントだね。だいたいの政治家は消費税を票取りの道具にして、その場で都合のいいことを言う。それに比べりゃ、まともな考えあっての見送りなんじゃないの?

 一方で、批判してる野党は相変わらず馬鹿だね。「公約違反だ!」「参院選の票集めのためだ!」なんて煽ってるけど、国民にとっては税金少なくて良いじゃないか。いつもは増税するなんて言うと「家計圧迫だ!」なんて煽って、選挙の度に「消費税撤廃!」なんて大嘘ついてんだから、言ってることが矛盾してるよ。

 こういうのを見てると、野党は国民のご機嫌とりしかできないってのが良くわかるね。だいたい、「増税=悪」みたいな短絡的な理屈はもうやめないと。そんなのもう、昭和生まれの人間にしか通用しないよ。

 

安倍さんはまだまだやりたいことがある

 消費税率の引き上げまで、これから3年ほど猶予が生まれた。その間に景気が回復できればいいけど、そう簡単にはいかない。ただ、最低限、景気回復の種を撒くことはできる。安倍さんがやりたいのはそれなんじゃないかな? オリンピックで特需が生まれて、一時的にも景気が上向くのは間違いない。それなら、この年間はちょっと無理をしてもいい。むしろ、絶好の変革の時期になる。

 アベノミクスの3本の矢の中でも、やっぱり「民間投資を呼びこむ成長戦略」ってのが重要かつ難しい。ここさえ何とかなれば大丈夫。そのためには、規制緩和も必要だし、TPPで日本の産業を世界に発信することも必要。日本が苦手な、世界に通用するイノベーション、あるいはベンチャー企業の育成なども大事。グローバル社会とか言ってるけど、結局は世界の文化や商品が日本に流れ込んできただけで、逆の流れはまだまだ全然できていない。そこをどうにかしないと、景気回復は無理だと思う。

 

2019年の増税までに、より大胆な政策を

 日本の財政がここまで悪化してしまった原因はいろいろあるけど、一つは政治のリーダーがコロコロ変わってしまうこと。それから、政治家が世論ばっか気にして、目先のことしか考えてこなかったこと。その点、今の安倍政権は優秀。長期政権に入ってきているし、目先の利益にとらわれない政治をやってる。

 そういうわけで、2019年秋の増税までに、安倍さんにはもっと大胆な政策をどんどん実行してもらいたい。これまでの政治家は批判ばかりでろくなアイディアも実行力もなかった。有権者だって同じで、何かあればすぐにあげ足をとって「首相を交代させよう」となる。その結果、新しいことは何も出来ず、赤字国債だよりの日本の財政だったんじゃないの? 

 批判は構わないけど、リーダーを変えれば何かがすぐに変わると思ったら大間違い。プロ野球の監督じゃないんだから。誰かのせいにして問題を有耶無耶にするのはもううんざり。国民だって、首相を批判ばっかしてないで、サラリーマンなら会社の利益上げるようなアイディアを少しは出してみりゃいい。主婦なら、家計をもっと上手くやりくりするアイディア出してみりゃいい。そうすれば、安易に首相を批判することはなくなるはずだよ。

 

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