イエス(Yes)まとめ[おすすめアルバム,名盤名曲,レビュー]

美しきプログレの世界!


THE DIG Special Edition イエス (シンコー・ミュージックMOOK)

もくじ

イエス(Yes)のプロフィール
名盤で振り返るイエス(Yes)の歴史・経歴
  • 『こわれもの』(1971年)プログレ入門に最適の初期の名盤!
    ★★おすすめ★★
  • 『危機』(1972年)アルバム一枚3曲構成、プログレ史に残る超名盤!
    ★★★最高傑作★★★
  • 『リレイヤー』(1974年)超アグレッシブな演奏!
    ★★★名盤★★★
  • 『究極』(1977年)ポップなサウンドへの回帰!
    ★★おすすめ★★
洋楽ロックまとめ

イエス(Yes)のプロフィール


イエス全史

基本情報

デビュー:1969年
出身:イギリス(ロンドン)
ジャンル:アート・ロック、プログレッシブ・ロック、ポップなど
メンバー:(黄金期)
同時代のアーティスト等:

キング・クリムゾンエマーソン・レイク・アンド・パーマーピンク・フロイドジェネシス(以上、イエスを含めてプログレ5大バンド)。

レッド・ツェッペリンブラック・サバスディープ・パープル(以上、3大ハードロックバンド)

音楽性:

 ポップで流麗なメロディー、卓越した表現力とハーモニー、展開の多い綿密な構成の楽曲などが特徴。黄金期にはプログレッブロックの名プレイヤーが在籍し、名盤をいくつも世に送り出した。プログレの特徴の一つである長時間の楽曲を地で行くバンドで、2枚組で4曲構成のアルバムなど挑戦的な作品を発表したこともある。

名盤で振り返るイエス(Yes)の歴史・経歴

こわれもの』(1971年)
プログレ入門に最適の初期の名盤!
★★おすすめ★★


Fragile

 

アルバム解説

初期のプログレ名盤

 通算4枚目にしてイエスは世界的な成功をおさめる。全作『イエス・サード・アルバム』で本国イギリスではトップ10にチャート入りし、本作ではアメリカでも4位につける好成績を収める。すでに当時のロック界はキング・クリムゾンの登場によってプログレッシブ・ロックのブームが到来。その流れに乗ってイエスは初期に最も成功したプログレバンドへと成長していく。

イエス黄金期のメンバーが揃う

 本作ではジャズ的な要素を積極的に取り入れた曲作りが伺える。冒頭の#1「ラウンドアバウト」はまさにそれだ。ビル・ブルーフォードのアグレッシブなドラムワークが多大な貢献をしている。また、本作から加入したプログレ界の名キーボーディストであるリック・ウェイクマンの加入も大きい。彼の流麗で小気味の良いピアノ・オルガン・シンセサイザーの響きが、バンドに宇宙を感じさせるようなプログレッシブサウンドを付与している。本作ではまだ控えめにも聞こえるが、イエス黄金期のメンバーが揃い、その基本とも言えるサウンドが完成されつつある。

各メンバーの特徴がよくわかる

 本作は5つの主要な曲を各メンバー作及び各メンバーをフィーチャーしたインストでつないだ構成になっている。この構成で各メンバーの演奏が楽しめる他、アルバム自体に独特の雰囲気を付与するに至っている。あたかも組曲構成のようなアルバムであり、冒頭とラストの名曲でそれらをサンドイッチしたという言い方もできる。とりわけラストの「Heart Of The Sunrise」は楽曲としてのインパクトに加えて多彩な展開を持っており、次作「危機」へつながる対策志向が伺える。この曲を聞くだけでも価値のある一枚と言っていい。

【動画で試聴】
【収録曲】

※インスト

  1. Roundabout
  2. Cans And Brahms※
  3. We Have Heaven
  4. South Side Of The Sky
  5. 5% For Nothing※
  6. Long Distance Runaround
  7. Fish※
  8. Mood For A Day※
  9. Heart Of The Sunrise

危機』(1972年)
アルバム一枚3曲構成、プログレ史に残る超名盤!
★★★最高傑作★★★


危機

 

アルバム解説

黄金期イエスとプログレ

 本作はバンド及びプログレッシブ・ロックにおいて最も有名なアルバムの一つとなっている。バンドは黄金期のメンバーが揃っており、イエスならではの「演奏でどれだけの表現ができるか」を追求した仕上がりとなっている。当時はプログレ69年にいち早くクリムゾンがプログレの扉を開き、メンバーチェンジを繰り返しながら名盤を立て続けに発表していた。加えて、70年にはELPも登場、73年にはピンク・フロイドが名盤『狂気』を発表することとなる。つまり、本作発表当時はプログレの全盛期のど真ん中と言っていい。

 そんなベストなタイミングで発表された『危機』は、他の名盤に埋もれること無く、むしろ他の名盤を押しのけるほどの評価を得るに至った。チャートアクションも良好で、世界中で大ヒットを記録。本作にてバンドの地位は揺るぎないものになったと言える。

綿密な構成と卓越したハーモニー

 様々なプログレバンドの中にあって、イエスの特徴は綿密な曲(アルバム)構成と卓越したハーモニーと定義できる。本作は多大な労力をもって完成されただけあり、目まぐるしい展開を持つ曲を見事に調和させている。そこには表現力という意味の卓越した演奏力が裏にある。個々のパートが見事なまでに個性を発揮していながら、互いのパートを補完し合うような役割を果たしている。特定のパートが自己主張しすぎて調和を乱すこと無く、ここまで長尺の曲を演奏しているのは見事の一言だ。ハーモニーという点では、ジョン・アンダーソンのエンジェルボイスとコーラスワークの絡みも素晴らしい。月並みな表現になってしまうが、「美しい」プログレを聴きたいのならまずはこの危機をおすすめしたい。

1曲10分という大作志向

 アルバムは収録曲がたった3つである。この大作志向はイエスを語る上で欠かせない。もはや組曲と言っていい曲なのだが、組曲と言うにはもったいないほどの一貫性を持った曲ばかりである。この素晴らしさは是非とも聴いて実感してもらいたいのだが、イエスの大作志向は次作でさらに推し進められることとなる。何と、次作『海洋地形学の物語』は2枚組で4曲という驚異の構成になっている。

次作『海洋地形学の物語』(1973年)
賛否両論の超大作!
★★★個人的には超名盤★★★


海洋地形学の物語

 一曲20分は当たり前という、なんとも恐ろしいロックアルバムだ。賛否両論を巻き起こした作品だが、不思議とイエスの場合は聴ける。前述した「調和」が為せる技である。『危機』のハーモニーに感動したなら、是非とも聴いておきたい一作である。

【動画で試聴】
【収録曲】
  1. Close To The Edge(18:41)
  2. And You And I()
  3. Siberian Khatru(8:57)

リレイヤー』(1974年)
超アグレッシブな演奏!
★★★名盤★★★


リレイヤー

 

アルバム解説

ビル・ブルーフォードとリック・ウェイクマンの脱退

 当然と言えば当然だが、本作制作前にメンバーの入れ替わりが起こっている。というのも、前述のように全作『海洋地形学の物語』は2枚組アルバムで4曲構成という鬼のようなアルバムで、一曲の演奏時間は平均して20分を超えていた。アルバムのコンセプトも難解で、苦手な人には眠くなるようなアルバムである(個人的には大好きなのだが)。当然全作(及び全然作)のレコーディングの最中にメンバーの意見の衝突が起こり、それがドラムのビル・ブルーフォードとキーボードのリック・ウェイクマンの脱退につながってしまった。

 まずビル・ブルーフォードだが、彼は最高傑作『危機』のレコーディングの最中に不満を抱え、その後バンドを脱退してしまう。彼はその後キング・クリムゾンのメンバーとなる。彼はロック史に残る名ドラマーとあって、バンドにとっては非常な痛手であった。クリムゾンでも名盤の制作に関わることとなる。さらに、リック・ウェイクマンはイエスの美しいハーモニーを支える大黒柱と言ってもいい存在であった。その脱退はバンドにとって非常に痛手であっただろうが、イエスはそこで大きな方向転換をすることになる。綿密に計算された音楽から、即興音楽的なアプローチへの転換である。

アグレッシブな即興音楽

 プログレには元々前衛音楽・即興音楽的な要素が含まれる。プログレバンドの中でもキング・クリムゾンなどはその代表格であった。一方、イエスは綿密な構成による楽曲と美しいハーモニーが売りのバンド。言わば即興音楽とは対極の位置にあった(とは言え、ビル・ブルーフォードは即興音楽的な要素をもっていた)。そんなバンドが即興音楽的なアプローチをするというのは、大胆な方向転換である。結果的に本作は賛否両論の作品となったが、英米で一定のヒットを記録することになる。

 しかしながら、本作はかなり聴きごたえのある名盤と結論づけたい。とりわけ#2「Sound Chaser」は新メンバーのパトリック・モラーツの貢献もあり、ジャズ・ラテン音楽的なアプローチで非常にアグレッシブな演奏を見せている。冒頭からのベースとドラムの激しい掛け合いは必聴である。中盤に見せる即興的な演奏も素晴らしく、全くと言っていいほど非の打ち所がない。まさに「サウンド・チェイサー(追撃)」である。圧倒的な演奏にさらに圧倒的な演奏が追撃し、動と静のアクセントも効いており、静寂の後で再び雪崩のような演奏が追撃する。楽曲の展開も見事であり、本作の核をなす楽曲と言っていい。

 そういうわけで、本作はこの#2「Sound Chaser」を存分に楽しむことで、その良さを知ることができる。

【動画で試聴】
【収録曲】
  1. The Gates of Delirium(21:55)
  2. Sound Chaser(9:25)
  3. To Be Over(9:08)

究極』(1977年)
ポップなサウンドへの回帰!
★★おすすめ★★


究極

 

アルバム解説

執筆中……!

【動画で試聴】
【収録曲】
  1. 究極(Going For The One)
  2. Turn Of The Century
  3. Paralells
  4. Wonderous Stories
  5. Awaken