洋楽ロックの歴史と年表④【80年代】[出来事,事件,ムーブメント]

2017年12月17日

事件・出来事・ムーブメントと共に、
ロックの歴史をその起源から紐解く!

ビルボード年間チャート60年の記録 1955▶2014

洋楽ロックの年表④[80年代] – もくじ

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  • 洋楽ロック80年代-年表

<80年代前半:メタル,MTV,ライブエイド,ヒップホップetc…>

  • 洋楽ロックの年表[80年代]
  • へヴィメタルの台頭
    • メタルの冷遇・メタルへの誤解
      マキシマムザホルモン,B’zもメタル
    • ロニージェイムスディオとメタルの源流
    • NWOBHMからの流れ
    • ヴァン・ヘイレンからLAメタルまで
    • スラッシュメタル – メタリカ登場

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  • MTVとマイケル、プリンス
    • MTV開局と世界で最も売れたアルバム
    • MTVと音楽市場の変革
    • 「総合アーティスト」のプリンス
  • ライブエイドと70年代バンドの底力
    • ウィ・アー・ザ・ワールド
    • ベテランの健闘と次世代のスター
    • クイーン伝説のライブ/フレディ大爆発
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洋楽ロックの歴史・年表まとめ

洋楽ロックまとめ

洋楽ロック80年代-年表

※一部抜粋・修正

■1980年 ジョン・レノン殺害、ボンゾ死去、AC/DC大ヒット

重要作品・出来事
デビュー
アルバム

1981年 MTV開局

重要作品・出来事
デビュー
アルバム

1982年 ザ・フー解散/NWOBHM/マイケルとMTV時代

重要作品・出来事
  • イーグルス解散
  • 3月 アイアン・メイデン『魔力の刻印(ナンバー・オブ・ザ・ビースト)』(alb)発売。メタル史に残る傑作となる()
  • 4月  ザ・フーが解散を発表
  • 12月 マイケル・ジャクソン『スリラー』(alb)発売。空前の大ヒットを記録し、史上最も売れたアルバムとなる。
デビュー
アルバム

1983年 メタルアメリカ進出

重要作品・出来事
デビュー
  • 5月   ザ・スミス(英)デビュー※「ハンド・イン・グローブ」(sgl)
  • 11月 Run-D.M.C.デビュー※「It’s Like That」(sgl)
アルバム

1984年 ヒップ・ホップの登場

デビュー
アルバム

1985年 ライブ・エイド開催

重要作品・出来事
  • 3月  USAフォー・アフリカウィ・アー・ザ・ワールド」(sgl)発売
  • 7月  ライブ・エイド(アフリカ難民支援チャリティーコンサート)開催。クイーンが歴史に残る圧倒的なパフォーマンスを見せつけ、今も伝説として語り継がれる(★)
  • 12月 ロジャーウォーターズがピンク・フロイド脱退。以降はデイヴィッド・ギルモア時代へ。
デビュー
アルバム

1986年 ロックとヒップ・ホップの出会い

重要作品・出来事
  • 3月  メタリカ『メタル・マスター』(alb)発売。メタルの金字塔となるアルバムに()
  • 7月  Run-D.M.C.がエアロスミスの「Walk This Way」をアレンジ・カバーしヒット。ラップ・ミュージックの浸透とエアロスミスの再ブレイクに一役買う。
アルバム

1987年 ガンズデビュー

重要作品・出来事
アルバム

1988年 

アルバム

80年代:
メタル,MTV,ライブエイド,ヒップホップetc…

へヴィメタルの台頭

メタルの冷遇・メタルへの誤解
マキシマムザホルモン、B’zもメタル

 ロックの歴史の中でも語りにくいジャンルの一つにへヴィ・メタルがある。理由の一つは、ハードロックや他ジャンルとの境界線がわかりずらい。これは80年代以降にジャンルが一気に増えて来たことも関係するだろう。また、ハードロックとの境界線が非常に難しい。もう一つの理由は、ロックの歴史に関する書籍を見ても、メタルが無視、あるいは冷遇されていることが多い。このために、メタルの流れが見えにくい。

 冷遇される理由はいろいろ考えられるが、70年代までのロックを知る人にとって、メタルは異質だからである。演奏でも歌唱でも過剰すぎる表現のためだ。日本に限定すれば、メタルを売込む中で音楽における「色物」的な扱いをされたのも関係するだろう。初期のXJapanにしても、聖飢魔Ⅱにしてもそうだ。Xは80年代LAメタルの派手なメイク・髪型を、聖飢魔Ⅱはキッスの表現法を使った。これは大衆の注目を集めるための一方法に過ぎないのだが、それを「メタルの定義」と誤解してしまった。「メタル=派手な見た目と金切声」というわけだ。長らくメタルを敬遠してきた私自身もそうだったから良くわかる。しかし、本場のメタルやロック史のおけるメタルは全く異なる。

 例えば海外ならツェッペリンやクイーンをメタルに分類することもあれば、日本ならあのB’zもメタルに分類しても良いし(LAメタル)、90年代ヴィジュアル系出身で海外で人気を得ているDIR EN GREY、最近のバンドではマキシマムザホルモンもメタルである。メタルというジャンルは日本人のイメージとは大きくズレがあるのだ。前置きはこれくらいにして、こういった誤解があることを念頭に置いて、ロック史におけるメタルを見ていこう。

ロニー・ジェイムス・ディオで見るメタルの源流

 メタルの源流は諸説あるが、ここではロニー・ジェイムス・ディオを見ていこう。メタルのゴッドファーザーとまで呼ばれているし、軸として扱うには遜色ないだろう。彼は70年代から数々のバンドでヴォーカルを歴任しているが、それがちょうどハードロック~メタルの流れを体現している。

 有名なのは「レインボー」⇒「ブラックサバス」⇒「DIO」の流れだが、レインボーはディープパープルのリッチ―のバンドということでハードロックである。ブラックサバスは基本はハードロックだがメタルの源流とも呼ばれ、ロニー加入時のアルバムはほぼメタルといっていい曲調に変化した。そしてロニーが独立して結成したDIOは、あきらかにメタルである。はっきり言って、彼一人見れば初期のメタルの歴史がわかると言ってもいい。

NWOBHMからの流れ

 しかしながら、メタルを語る上で欠かせないのが、イギリスの「NWOBHM」(ニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)である。メタルブームの源流はこちらであり、その先に生まれたメタルの流れにサバスやロニーが乗ったとうのが正しい説明だろう。なおかつ、NWOBHMは70年代後半の「パンク⇒ニューウェーブ」の流れの先にあるものだ。これを考えても、ロック史の中でメタルを語るのに不可欠であるのがわかる。

 これ以上細かい説明をすると超長くなるのでこの辺でやめとくが、パンクのシンプルさの先にニュー・ウェーブという音楽が生まれ、ニュー・ウェーブはもはやジャンルと言えないほど幅広い音楽を対象としていった(パンクが含まれる一方で、日本で言うと坂本龍一のYMOも含まれる)。これまでにない新しさをもっていれば「ニューウェーブ」と定義されたくらいだ。その中にハードロックを基調としつつより表現を先鋭させたのがNWOBHMと言っていいだろう。代表格はアイアン・メイデン(80~)、ジュ―ダス・プリースト(74~)メタル初期から活躍するメタルの大御所である。

ヴァン・ヘイレンからLAメタルまで

 これまではイギリス中心だったが今度はアメリカだ。ここでまた真面目に語ると長くなるので、いきなりヴァン・ヘイレンから入ろう。NWOBHMのバンドが出始めた頃、時を同じくしてアメリカでもヴァン・ヘイレンがメタルサウンドでシーンの前線に登場。その後、アメリカではネズミ算のごとくメタルバンドが登場し、MTVの力も借りて大陸を席巻する。

 アメリカのメタルの中でもわかりやすいところは、80年代後半に登場するボン・ジョヴィ。いわゆるLAメタルの流れの中にあり、その末期にはガンズ・アンド・ローゼズも登場する。LAメタルの様式は日本にもなじみやすいところだ。

スラッシュメタル – メタリカ登場

 一方で、アメリカ国内でNWOBHMにハードコアを付与しスラッシュメタルというジャンルを確立。ここにメタル界の頂点に立つメタリカをはじめ、メガデス、スレイヤーといったバンドが登場する。ギターリフと疾走感が売りのメタルで、イギリスのメタルの流れを汲んでいるのがよくわかる。その一方で、ハードコア特有の音や歌詞の重さも加わり、メタリカは後に「社会派バンド」の一つにまでなる。

最後に一言

 さて、メタルを一気に見てきたが、やはりロックの流れの中にきちんと納まっているジャンルであり、ロックの歴史を語る上では欠かせないジャンルの一つだとわかる。

 管理人である私はプログレ・ハードロック専門で、一番好きなバンドはローリング・ストーンズという初期のロック中毒者であり、決してメタルファンではないが、ロック史や音楽史におけるメタルの冷遇に対しては非常に疑問を感じる。例えば他ジャンルと融合したプログレメタルなどは芸術性が素晴らしいし、メタル特有の様式美は例えばコンセプトアルバムなどで恐ろしいほどの輝きを放つ。メタルの源流にあるブラックサバスやツェッペリン、あるいはAC/DCといったバンドは手放しで称賛し、メタルは無視するとはどういうことか。

 一方でメタルファンには排他的、閉鎖的な面があると聞いたことがあるが、それにも問題がある。音楽は多くの人に聞いてもらってこそ意味がある。売れてこそ意味がある。そんな下らないプライドをかざしているのは日本のメタルファンくらいだろう。ビジネスライクでメタルをやったボン・ジョヴィを見習えこのやろう!笑

 そういうわけで、今後はロック史におけるメタルの名誉挽回のため、メタル関連記事をいくつか書いてやろうと思っている。