洋楽ロックまとめ【名盤,おすすめアルバム,歴史・年表】

2017年12月17日

【21世紀】オルタナティブ・ロックの時代へ

 21世紀に入ると、オルタナティブ・ロックが台頭する。オルタナティブ・ロックの定義はややこしく、厳密な線引をしようとすると大変なことになる。だからもう、とりあえずは有名どころの音楽を聴くことをおすすめする。気に入ったバンドが見つかれば、彼らの音楽性を見ていって、徐々にオルタナのイメージを掴んでいくといいと思う。

 一応ざっくりとしたオルタナのイメージを説明すれば、流行のジャンルなどに囚われず、アーティストが好きな音楽を演るという前提がある。その上で、音楽性で言うと60年代70年代のクラシカルな音の影響が強い。パンク、ブルース・ロック、ハード・ロックなどをイメージすればいい。一方で、いろんなジャンルの音楽を取り入れようという傾向も強い。ロックやメタルにラップを入れたり、パンク、ダンスミュージック、エレクトロニカ、前衛音楽なども混ざったりする。クラシカルな音楽性とごちゃ混ぜの音楽性、両極端のアーティストがいるのも特徴。

 とにかくまあ、ここまでの説明を見てもわかるように、やっぱり定義は難しく線引はほぼ不可能。とりあえず聴くしか無い!

『There Is Nothing Left to Lose』(1999)
フー・ファイターズ


There Is Nothing Left to Lose

 フー・ファイターズの出世作。この作品からグラミーの常連となる。フー・ファイターズの曲調はパンクやハード・ロック寄りで、どことなくニル ヴァーナ時代の雰囲気もある。ただ、決定的に違うのは明るいこと。あと、爽やかさ。当時は「元ニルヴァーナ」という印象が強く、どうしたってカート・コ バーンと比べられてしまったんだと思うけど、この作品でそれらの影を振り払った感がある。

 とにかく聞きやすく、キャッチャーな曲が多い。特に、冒頭から5曲目までの流れはノリノリで最高! メリハリのある演奏に加えて、デイブ・クロールのボーカルも格好良い。フー・ファイターズを初めて聞くならおすすめの一枚。

イズ・ディス・イット』(2001)
ストロークス

イズ・ディス・イット

 オルタナティブ・ロックやガレージ・ロックと言えばこのバンドを忘れてはならない。とりわけストロークスはイギリスへの影響力が高く、この後で登場するアークティック・モンキーズの世代のバンドに非常に大きな影響力を与えた。もちろん、アメリカの以降のバンドへも。

 ニューヨーク出身ということもあって、都会的で洗練された音。シンプルなロックの良さを再確認させた功績は非常に大きい。パンク的と言ってもいい。曲も3分くらいのものが多く、アルバムは35分くらいでササッと駆け抜ける。この辺のスマートさも面白い。

メテオラ』(2003)
リンキン・パーク

メテオラ

 リンキン・パークは日本でも人気のある、世界的なバンド。その最大の特徴は、ハード・ロックやメタルとヒップホップの融合。また、オルタナの代名 詞ともいえるバンドのひとつ。ヒップホップの基本とも言える打ち込みのサウンドに、ロックのギターとメロディー、ラップを加えるといった感じ。意表をつい た曲展開、壮大な音、流麗なラップとデスボイスの対比……などなど、聞いていて非常に面白い。

 リンキン・パークのアルバムで最も評価が高い『メテオラ』。洗練された音、流麗なメロディー。作品全体の流れも良く、構成力抜群。言うことなしのアルバム。2000年代のロックシーンにあって、最も存在感のあるバンドの一つと言える。

エレファント』(2003)
ホワイト・ストライプス

Elephant

 ガレージロック・リバイバルの代表格ホワイト・ストライプス。彼らがヒットし始めた当時は、アメリカのロック界の救世主と言われたそうだけど、それも頷ける。特にこの作品は間違いなくロックの歴史に名を刻んだし、音楽界への影響力はハンパない。バンドの特徴は、ギターとドラムのデュオ(二人組)で姉弟(という設定)の 2人が、たった2つの楽器でこれまでにない音を作り上げている。

 曲調はブルース・ロックやハード・ロック。過去のバンドを例に上げると、レッド・ ツェッペリンが最も近い。あと、パンクからの影響も大きい。ラモーンズとかストゥージズあたりの、初期のパンクあたり。基本はシンプルなんだけど、古臭さは全く無い新しい音になっているところがすごい。激しさと哀愁を持ち合わせたジャック・ホワイトのボーカルも良い。

Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not』(2006)
アークティック・モンキーズ

Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not

 2000年代のUKロックで最重要のバンドの一つがアークティック・モンキーズ。鮮烈なデビューを飾り、ファースト・アルバムでイギリスの最速売上記録を更新。2006年にはブリット・アウォーズ受賞、2007年にはグラストンベリー・フェスティバルのヘッド、2012年にはロンドのリンピックの開会式に出演と、着実にスター街道を歩んでいく。とりわけ本国イギリスでの人気がすごく、2016年現在まででスタジオ・アルバム5枚を発表し、そのすべてでチャート1位を獲得。

 アークティック・モンキーズ及びこのアルバムの特徴は、何と言ってもスピード感。とにかくテンポが早く、ギターもドラムも手数が多い。そして、ギ リギリいっぱいまでつめこんだ歌詞と、まくし立てるように歌うボーカル。非常にオリジナリティが高い。2000年代のUKロックを知りたいなら、まずはここから!

ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ』(2011)
ノエル・ギャラガー

Noel Gallagher’s High Flying Birds

 2009年にオアシスが解散し、バンドのリーダーであるノエル・ギャラガーはソロ活動を開始。ファースト・アルバムがこの作品。解散から間もないことに加えて、オアシス時代のデッドストックも収録されており、全体としてオアシス時代の雰囲気を漂わせている。ただ、何より驚きなのは楽曲のクオリティ。バンド時代のアルバムも加えてランキングをつけたとしても、上位に食い込んできそうなほど。

 ノエルは元々ボーカルとしての能力が高かったし、年を追うごとに歌も上手くなってきた。それでいて、40になっても声が劣化すること無く、むしろ高音なんかはどんどん伸びやかになってきた。そういうわけで、ソングライターとしてだけでなく、ボーカルとしてのノエルの貢献度も非常に高いのがこの作品。

 オアシスが好きな人はもちろん、洋楽あんまり知らないって人にもおすすめ。相変わらずメロディーは綺麗だし、キャッチャーな曲が多い。あと、アコースティック寄りの曲も多く楽器の音もシンプルでいい。