洋楽ロックまとめ【名盤,おすすめアルバム,歴史・年表】

2018年4月8日

【80年代】
ディスコ、パンク、AOR、メタルetc……

70年代終盤 – ディスコ・ブームとパンク・ロックの衝撃

 80年代のロックを語る前に避けて通れないのは、ディスコとパンクという二つのブーム。ディスコはアメリカの黒人にルーツを持つソウルやファンクから派生した。これらの音楽はロックがその歴史を積み重ねる一方で、マーヴィン・ゲイジェームス・ブラウンなどのアーティストによって音楽シーンに影響を与えつづけていた。そして1977年、映画「サタデーナイトフィーバー」のヒットにより一気にシーンの最前線へ躍り出た(ビージーズなど)

 一方パンクは、初期のロックが内包していたとも言える(ストゥージズザ・フー)が、産業化・複雑化したロックに対する反発という形で、アメリカに端を発し(ラモーンズなど)、イギリスで火がついた(セックスピストルズザ・クラッシュなど)。

勝手にしやがれ!!』(1977)
セックスピストルズ
英国パンクの象徴!

 

 アメリカで生まれたパンクをイギリスで歴史的ブームになるまで盛り上げたのがこのアルバムだ。今でも伝説的な扱いをされ、数多くのフォロワーを持つ。

 このアルバムのすごいところは、キリスト教、イギリス王室、大手レコード会社を公然と批判しているところ。「俺はアンチ・キリスト」「イギリス女王に未来はない」などと歌い、階級社会の中で不満を募らせるイギリスの若者を虜にした。はっきり言って、こんなことを日本でしたら発売禁止、メディアから締め出し、プロダクションから解雇で存在が無かったことになるだろう 笑。そこは日本のクソなところであり、コメディ大国イギリスを見習って欲しいものだ。日本だってコメディセンスじゃ負けてないはずなのにね。

 しかしながら、このアルバムの本質はやはりイギリス人でないと十分に理解できないだろう。曲も格好いいし、言っていることもわかる。しかし、イギリス人はもっと深いところでこのアルバムを評価している。その歯がゆさがたまらない!

『Raw Power』(1973)
ストゥージズ
パンクのゴッドファーザー!

 

 

 どういうわけか、パンク・ブームから外れたアルバムを紹介してしまった。まあいい、パンクは先ほどあげたアーティストの中から好きなのを聞いてみればいい。それより、パンクの要素をもったこのアルバムをおすすめする。

 バンドの詳細などはwikiでも見てくれればいいが、とにかくこのアルバムはぶっ飛んでる。テンションが上がりすぎて可笑しくなってる。スピーカーがぶっ壊れたかと思う雑音・絶叫が全編に渡って展開され、聞き終ればもう頭が真っ白だ。

 さて、ジャケットの上半身裸の人物は、パンクのゴット・ファーザー(名付け親)と呼ばれるイギー・ポップである。若い頃はガラスの破片の上で転げまわったりする人物だったが、今はムキムキの健康体で現役バリバリだ。そして何を隠そう、彼はあの江頭2:50が尊敬する人物である。エガちゃんのパフォーマンスもここからきているとは……パンク恐るべし。先ほどもちょろっと書いたが、パンクとコメディは表裏一体と言うわけだ(深夜に執筆のため意味不明)。

ダンス・R&B、AOR、プログレ・ハード……
ジャンルが急増する

スリラー』(1982)
マイケル・ジャクソン
世界で一番売れたアルバム!

 

 おなじみマイケル登場。このアルバムは油の乗り切ったところで面白いミュージックビデオと、豪華なアーティストとのコラボによって爆発的なヒットを記録。現在まで6500万枚(!)を超えるヒットで世界で一番売れたアルバムとなっている。

 アルバムにはポール・マッカートニークインシー・ジョーンズエディ・ヴァン・ヘイレンジョン・ベティススティーヴ・ポーカロといった豪華ミュージシャンが参加し、もはや「ひとりウィ・アー・ザ・ワールド」である。ダンス、R&B、ファンク、ポップ、ロック、ハード・ロックと多彩なジャンルを内包しており、ある意味でこの80年代を象徴するアルバム。歌唱力も含めてやはり天才的。何かと楽しめる一作。

TOTO Ⅳ』(1982)
TOTO
AOR、プログレ、ハード・ロック!

 

 AORと言うジャンルは様々な定義があるが、スタジオミュージシャンが綺麗な音作りにこだわり、作品の完成度を追求するといった傾向がある。70年代後半~80年代にかけてブームが起こり、様々なアーティストとヒット作を生み出した。このアルバムもとにかく音が綺麗で、美しい曲がたくさん。グラミーで賞を総なめにしただけある。聞いて損なし。

 それと、TOTOというバンドはプログレ・ハードとも接近する。ジャーニーボストンなどのバンドがそれにあたるが、この辺からジャンル分けが非常にややこしくなってくる。とりあえず70年代のハード・ロックとプログレが合体したような音楽で、AOR的な要素も持ってると考えとけばいいか(適当)。

パンクのその後
ニュー・ウェーブの台頭

 80年代のロックの歴史を知るには、パンクのその後の流れとメタルまでを追うのが一番わかり易いかもしれない。ここではまずパンクのその後。パンクの登場によってこれまでのロックは批判の対象となり、オールド・ウェイブなどと揶揄されるようになる。しかしながら、パンクブームは数年でしぼみ、その後はポスト・パンクあるいはニュー・ウェーブというジャンルに引き継がれる。これらのジャンルは音楽性と言うよりも「パンクの後のジャンル群」と考えた方がいいが、例えばパンクブームの最前線にいたクラッシュは、その後音楽の幅を広げてニュー・ウェーブへと進出している。流れを知るには、一番わかりやすいかもしれない。ポール・ウェラー率いるザ・ジャムもパンク⇒ニュー・ウェーブの一例。

 他にもあの有名なU2もここで登場してくる。また、日本でもイエロー・マジック・オーケストラが登場。これだけ見ても、ジャンルとしての幅が広いのがよくわかると思う。

ロンドン・コーリング』(1979)
クラッシュ
パンクの可能性を示した歴史的名盤!

 

 アメリカ進出に成功し世界的に評価された一作。今ではパンクを超えたロックの名盤となっている。ロック、レゲエ、R&B、ハードロックなど実に幅広い楽曲で構成されている。ジャケットは完全にパンクだが、パンクの殻を破って新たな方向性を示した。

BOY』(1980)
U2
ロックの枠を超えた世界的バンド!

 

 U2は名盤揃いで80年代~2000年代まで常に音楽シーンの最前線にいるため、単純に80年代のニュー・ウェーブというくくりはほんの一面に過ぎない。以降のアルバムではWARを代表するように、世界中の歴史や社会について歌う「社会派バンド」となり、90年代前後でヨシュ・アツリーアクトン・ベイビー、2000年にはオール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインドと名盤を完成させる。U2は各年代で名盤を出している素晴らしいバンドなので、いろいろ聞いてみると良いです。

ヨシュア・ツリー』(1987)
U2
ロック史上に残る美しさ!

 

 U2を出したからにはやはりこのアルバムは紹介せねばならない。これほど美しいアルバムが他にあるだろうかというくらい、屈指のメロディーと丁寧な音作りにこれでもかと力が注がれている。アルバムの完成度はロック史上でも屈指。

 この時点ですでにジャンルを超えて唯一無二の音楽性を確立したバンド。絶頂期の最高傑作をぜひ聞くべし!

アングラで牙を磨いたハード・ロックの進化系
へヴィ・メタル到来

 パンクが攻撃対象としたのは、まずはローリングストーンズのようなビッグバンド。「かつてのロックの精神を忘れて商業主義に走った」という批判の他、単にロックの象徴として叩きやすかったということもある。それから、70年代のハード・ロックとプログレ。「テクニックに走ってロックのシンプルさが失われた」「バンドを結成したティーネイジャー(10代の若者)が真似できない」などと批判。代表格はレッドツェッペリン、ピンクフロイド、クイーンといった面々だ。

 パンクは数年で去ったものの、今度はディスコなどのダンス系、ソウル・ファンクなどのルーツミュージックが源流の黒人系の新たな音楽、ニューウェーブといった新しい流れなどに押されて、ロックは「流行」ではなくなってしまった。しかし陰に隠れながらもロックの正当進化系とも言えるハード・ロックは脈々と受け継がれ、形を変えてシーンの前線に返り咲くこととなる。そこで大きな役割を果たしたのがへヴィ・メタルである。

メタルの源流
メタルブーム直前のバンド

 通称「メタル」は、パンクに叩かれたハードロックとプログレを混ぜてさらに重く・へヴィに、あるいはより複雑な曲構成・様式美を加えた音楽だ。ちなみに、日本ではメタルは揶揄とも言っていい誇張された形で紹介されているので、ああいうのは全部忘れてしまって構わない。ロン毛・金髪・奇抜なメイク・金切声などなど。英米の初期のメタルや王道のメタルはいろんな意味でしっかりしている。

 さて、メタルの源流やブーム直前のアーティストを見ていこう。まず源流は細かくあげればキリがないので(下手すりゃビートルズまで遡ることになる)、ブラック・サバスにする。あと、レッド・ツェッペリンももはや最初期のメタルと言っていいだろう。そして、70年代末にはブーム直前のアーティストとしてアメリカではヴァン・ヘイレン、イギリスではジュ―ダス・プリーストあたりがいいだろう。

 そして、メタルを語る上でイギリスのNWOBHM(ニューウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)を話す必要がある。名前からもわかるように、ニューウェーブの流れの中で生まれたイギリスのメタルというジャンルだ。ここで登場するのがアイアン・メイデンである。このイギリスでのパンクブームに続けとばかりに、アメリカでどこからともなくバンドが湧いてくる。ここからは流れを同時多発的にアメリカの各地方でバンドが乱立し、個人的にも疎いところなのでざっくり省略させてもらい、主ラッシュメタル、メタリカあたりまでジャンプする。

パラノイド』(1970)
ブラック・サバス
メタルの源流と呼ばれるヘヴィサウンド!

 

★公式のフルアルバムがYoutubeにあったのでどうぞ!

 

 このアルバムはハードロック~メタルの流れを知るのにもってこい。もともとこのバンドはハード・ロックだが、低音でドロドロとした音作りが「メタルの源流」と呼ばれている。このアルバムは1970年発売ということでハード・ロックが生まれて間もない頃だが、すでにメタル的な要素を含み、最初期のメタル、メタルの源流とも言える。独特の雰囲気を持ったノリの良いギターロックを聴けるので、おすすめしたい。

The Number Of The Beast』(1982)
アイアン・メイデン
スピード感溢れるギターリフの応酬!

 

 ブリティッシュロックとブルース的な影響を受けており、純粋なメタルとは言えないかもしれないが、メタルの重鎮アイアン・メイデンを紹介することにした。メタルに疎い管理人はこの悪夢のようなジャケットのために長らく敬遠していたが、今ではすっかり好きなバンドのひとつになってしまった。

 いきなり聞くにはちょっとハードかもしれないけど、まあ入門編として最適。ハマれば良いアルバムであることがすぐわかる。メタルの歴代アルバムランキングをするとメタリカと共にほぼ3位以内確定という名盤。ちなみに、バンドのヴォーカルは超人であり、バンドを抜け出してクリケットの選手になったり、航空会社のパイロットとして勤務し、世界ツアーの際にファンを乗せて会場まで運ぶという常識を超えた人物。ミュージシャンのこういうエピソードは正直たまらなく面白い。

メタリカの登場
スラッシュメタルの流行

 NEOBHMの流れを汲むのが、スラッシュメタルであり、その先駆者がメタリカだ。メタルファンでなくともその名を知っているだろうこのバンド、2010年代になってもオルタナの流れを取り込んで活躍しており、確か最近もグラミーにノミネートされていた。もはやメタル=メタリカと言ってもいいくらいの存在感。

 さて、スラッシュメタルというのはスピード感とギターリフ中心の曲調が特徴。まさにアイアン・メイデンがもっていた要素である。また、ハード・コアの要素が加わる点もポイントだ。重いリズム中心にスピード感をもって展開し、ぶつけようのない怒りを歌う、という感じか? メタリカはまさにそれである。

 この他、様々なメタルバンドのうち、わかりやすいものを二つほど。LAメタルのガンズ&ローゼズと、東海岸出身のボン・ジョヴィだ。この2バンドは非常にわかりやすい。ガンズはメタルというよりロック的であり、優れたメロディセンスで大ヒットを記録した。ボン・ジョヴィは日本でもおなじみだが、彼らはメタルを簡略化して非常にわかり易い形で提示した。真正のメタルファンからは揶揄されることも多いが、ボン・ジョヴィの貢献度は素直に認めるべき。ガンズは才能が素晴らしく将来を渇望されたが、数年で実質的に解散してしまった。そして、14年の歳月と14億の製作費をかけて「中国の民主化」というハードなタイトルのアルバムを発表した。実はこれは良いアルバムだったりする。

 そんな感じで、80年代のロックはかなり手こずったが、なんとかここで完了ということにする。80年代は疎いがために、説明過多になってしまった。我ながら無理やりに良くまとめたものである。80年代の英ロックのファンやメタルファンがこれを見たら怒りそうで怖い。勘弁して 笑。ああ、疲れた。

メタル・マスター』 (1986)
メタリカ
メタル界の天才バンド!

 

 メタリカについて知っておくべきは、彼らをジャンルで括ることはナンセンスだということ。簡単に言うと、「超才能のあるミュージシャン志望の人が、たまたまメタルを選んでスタートした」ということ。メタリカはその後の音楽シーンに与えた影響がかなり大きく、音楽性も幅広いので、そういう風に理解すべき。軽視されていたメタルを評価させ、さらに社会性や芸術性にまで昇華させたところが、メタリカの真骨頂。彼らがいなければ90年代以降のハード系のロックバンドは無かっただろう。

ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』(1986)
ボン・ジョヴィ
メタルを大衆に広めた功労者!

 

 これは聞きやすい。日本でもおなじみの曲もあるし、キャッチーでノリも良い。入門にぴったり。こういうわかりやすいやり方もあるんだと、感心すべし! 疲れたので次に行こう⇒

アペタイト・フォー・ディストラクション』(1987)
ガンズ・アンド・ローゼズ
ノリと印象的なギターリフが最高!

 

 これはマジ名盤なので聞くべし。リフも格好良いし、メロディセンスも素晴らしい。メタルの枠を超えて、80年代末~90年初頭にかけてのロックのアイコンと言っても良い。ガンズの次作もこれまた名盤なので、気に入ったら是非。空耳アワー常連とだけ最後に言っておこう。「悦子の母乳だ!」「兄貴の位牌~ヤクザ!」収録。