洋楽ロックまとめ【名盤,おすすめアルバム,歴史・年表】

2017年11月18日

2. 70年代 – プログレとハード・ロック最盛期

70年代はプログレッシブ・ロックハード・ロックの時代。それぞれ、60年代のロックの発展形。演奏力と前衛性を推し進めたのがプログレで、ハードさを押す勧めたのがハードロック。曲調は異なるけど、共通点はいっぱいある。演奏力の高さ、曲の構成の複雑さ。さらに、この時代は1000万枚の売上を記録するメガヒットアルバムが量産される。ここで紹介するアルバムの中にも、1000万枚以上売上げたものが3枚もある。優秀なバンドもゴロゴロ。60年代に活躍&デビューしたアーティストが、70年代に入って全盛期、円熟期を迎えるところも見もの。

プログレッシブ・ロック入門

こわれもの(Fragile)』(1971) – イエス


こわれもの

 イギリスのプログレバンド「イエス」の初期の名作。プログレ入門のアルバムはこれが一番いいと思う。プログレは基本的に曲が長いし、インストも多い。洋楽すらあんまり聞いたことがない人にとって、いきなり本格的なプログレを聞いたら「つまんない」ってなっちゃう。その点、こわれものは聞きやすい。曲も10分以内のものが大半(プログレの世界では20分の曲なんてザラ)だし、インストもポップで聞きやすい。それでいて、名曲も多く、アルバムの完成度もかなり高い。そういう意味で、このアルバムをおすすめ。ちなみにイエスの特徴は、綺麗なメロディ、ノリの良いシンセの多用、ハイトーンヴォーカル。そこも日本人にとって入りやすいと思う。

展覧会の絵(Pictures at an Exhibition)』(1971) – エマーソン・レイク・パーマー

展覧会の絵

 通称「ELP」は、ギターのいないスリーピースバンドという変わった編成で、ピアノ・キーボードを前面に押し出したサウンドが特徴。このアルバムではクラシックの曲をロック風にアレンジしている。軽快なポップソングも多く、初めてのプログレとしておすすめできる。

 プログレってどんな音楽? という疑問に、わかりやすい答えの一つを提示いていると言ってもいい。つまり「ロック+クラシック」。あくまでも答えの一つだが、感覚的に「ああ、こういうものか」と納得できると思う。

狂気(Dark Side of the Moon)』(1973) – ピンク・フロイド


狂気(Dark Side of the Moon)

 ジャケットも有名なこの作品。プログレの代名詞とも言える「ピンク・フロイド」の名作中の名作。ロックを演る人、ロックを聞く人は必ず一度は通るアルバム。作品の特徴は、何と言ってもアルバムの構成力。完成されていると言ってもいいほどの出来。とにかく美しい。曲調は静かで落ち着いたものが多いけど、アイディアを活かした面白い曲も多い。「#3 time」「#5 money」なんかがそう。ちょっと説明すると、「time」では冒頭でいろいろな時計の音が鳴り響き、それが徐々に曲になっていく。moneyはレジスターやコインの音が鳴り響き、それが折り重なってリズムとメロディーになっていく。その辺のアイディアが面白いし、聞きやすいと思う。プログレという枠を超えて、ロック史に残る名作。

ハード・ロック入門

』(1969) – レッド・ツェッペリン

 ハード・ロックの代名詞であり、ハード・ロックを世の中に浸透させたバンドであるレッド・ツェッペリン。その最高傑作の一枚にあげられるのが『Ⅱ』。デビューからすでに爆発的な人気を誇っていた彼らは、ルーツミュージックであるブルースを、ハード・ロックに昇華させ、独自の世界観を構築。ハード・ロックを聴く上では絶対に聞いておくべきバンド。

 バンドの特徴は、優れたソングライティングとリフの達人ジミー・ペイジ、圧倒的な声量と高音のロバート・プラント、ロック史に残る天才ドラマーで、独特のリズムとタメが特徴のジョンボーナム、多彩な演奏能力と器用さを持ったベーシストのジョン・ポール・ジョーンズ……というわけで、まるでスーパーバンドのような個性の集合体。各パートが圧倒的な個性と素晴らしい演奏力を持っている。ブルースのノリ、フォークの繊細さ、ハード・ロックの格好良さを兼ね備えた、緩急自在の曲調。そんなレッド・ツェッペリンやその作品を「歴代最高」と称える人も少なくない。

マシン・ヘッド』(1972) – ディープ・パープル


マシン・ヘッド

 日本で特に人気の高いディープ・パープル。その全盛期に発売された、彼らの最高傑作の呼び声高い『マシン・ヘッド』。ハードさは前作『イン・ロック』に譲るものの、より洗練され、有名曲も多く収録されている本作。「#1 highway star」「#5 smoke on the water」はCMやテレビ番組のBGMでおなじみ。あまりにテレビで流されすぎて、日本人にとっては安っぽく聞こえちゃうかもしれない。けど、アルバムを聞けば大丈夫。

 この頃のディープ・パープルの特徴といえば、シンセサイザー。随所でシンセサイザーとギターの速弾きが楽しめる。ハードさに電子音が交じり合い、SFチックで幻想的なハード・ロックとも言える。「#6 lazy」なんかもおすすめ。レッド・ツェッペリンよりも聞きやすいところがあり、ハード・ロックの入門アルバムにピッタリだと思う。

オペラ座の夜』(1975) – クイーン


オペラ座の夜

 お馴染みクイーンの最高傑作『オペラ座の夜』。あまりにバンドとして有名すぎるので説明不要かとも思うが、クイーンはバリバリのハード・ロック出身。初期は上にあげたレッド・ツェッペリンからもろに影響を受けていたし、ディープ・パープルのリッチ―・ブラックモアとブライアン・メイは仲良し。それから、同世代はエアロスミス。ただし、音楽性はかなり幅広く、単純にハード・ロックとカテゴライズできないバンド。

 さて、このアルバムは「ボヘミアン・ラプソディ」が収録されている。アルバム全体の構成も、ボヘミアン・ラプソディと言っていい。バラード、ハード・ロック、オペラ・カントリー、なんでもありの目まぐるしい楽曲を楽しめる。上の二つのハード・ロックバンドとは異なる作風を存分に楽しんで欲しい。感動の一枚!

ロックス』(1975) – エアロスミス

ロックス

 またまたお馴染みのバンドのエアロスミス。エアロスミスと言えば90年代の映画の主題歌のイメージが強いが、あの頃はすでにメンバーは40代突入でベテラン。そしてこのアルバムは初期の名作。90年代をイメージして聞くと「あれ?」となるかもしれないが、まあ落ち着いて聴いてほしい。これ、すごいから 笑。

 これを聞くとエアロスミスを見直す人続出の一枚。こんな名盤つくってたのか、と。ロック好きの人はたいてい押さえてるので、これは必聴。

ボストン』(1976) – ボストン


ボストン

 少々年代が異なるけど、聞きやすいハード・ロックとしてこちらもおすすめ。ボストンはちょっと変わったバンドというかアーティスト。ジャンルはハード・ロック、プログレ、AORがミックスされたもの。「プログレ・ハード」なんて呼ばれることもある。バンド形態であるものの、中心人物のトム・ショルツのソロプロジェクトと言っていい。彼が一人でボーカル以外の全パートを演奏し、録音からプロデュースまでやっちゃう。電子工学系の仕事をする傍ら、趣味で音楽をやっていたという人物。

 ジャケットを見ると「なんかうるさいだけのバンドっぽい」なんて思うかもしれないけど、そこは大丈夫。AORに分類されるだけあって、音はすごく綺麗! プログレの要素もあるので、曲構成も凝ったものが多く、アルバム全体の流れも秀逸。それでいて非常に聞きやすい。いろんなジャンルの良さを一度に味わえるアルバム。個人的にかなりおすすめ。冒頭の「more than a feeling」は日本でも有名。

バック・イン・ブラック』(80) – AC/DC

バック・イン・ブラック

 さあ出ましたAC/DC。このバンドは日本ではマイナーだけど、世界的にはかなり有名で、名だたるアーティストが尊敬するオーストラリア出身のバンド。その中でも最高傑作が『バック・イン・ブラック』。オリジナルメンバーのボーカルが事故死し、新たなボーカルを迎えて誕生した、起死回生の名作。アルバムの完成度もさることながら、その売上がすごい。確か現在までで5000万枚近く売れてて、世界で3番目に売れたアルバム。内容はかなりハードだけど、曲調は至ってシンプル。何十年も変わらぬ金太郎飴サウンドで21世紀も活躍中。

 ハード・ロック初めての人が聞くと馴れないかもしれないけど、まあ無理やりにでも馴れろ 笑。このアルバムの良さを知らずに死ぬのは勿体ない。頼むから、聞いてくれ!