ザ・フー(The Who)まとめ[おすすめアルバム,名盤名曲,レビュー]

2018年4月14日

時代を先取りしたレジェンド!


ザ・フー・ファイル

もくじ

ザ・フー(The Who)のプロフィール

名盤で振り返るザ・フー(The Who)の歴史・経歴

  • 『トミー』(1969年)ロック・オペラ完成!
    ★★★名盤★★★
  • 『ライヴ・アット・リーズ』(1970年)ロック史に残るライブ・アルバム!
    ★★おすすめ★★
  • 『フーズ・ネクスト』(1971年)シンセサイザーを取り入れた傑作!
    ★★★最高傑作★★★
  • 『四重人格』(1973年)ついに完成したコンセプト・アルバム!
    ★★★名盤★★★
洋楽ロックまとめ

ザ・フー(The Who)のプロフィール


バンド・スコア ザ・フー・ベスト

基本情報

デビュー:1965年
出身:イギリス
ジャンル:

ロック、パンク、ハード・ロック、プログレッシブ・ロックなど

メンバー:

※キース・ムーンは32歳の時に死去。
※ザック・スターキーはビートルズのリンゴ・スターの実息で、幼い頃にキース・ムーンからドラムの手ほどきを受けた。その他、オアシスなどでの活動もある実力派のドラマー。

同時代のアーティスト等:

ビートルズ、ローリング・ストーンズ、キンクス(ザ・フーを含めた英4大バンド)

ジミ・ヘンドリクス、エリック・クラプトン、デヴィッド・ボウイなど

音楽性:

【パンクとロック・オペラ】

 初期はポップ調のロックナンバーや、後に最初期のパンク(マイ・ジェネレーション)とも評される楽曲を演奏していた。キャリアを重ねるに連れて演奏力と作曲能力に磨きがかかり、ロック・オペラと称される組曲形式の楽曲を生み出す。トミーでその才能を開花させ、最初期のコンセプト・アルバムとして現在まで高く評価されている。また、プログレッシブ・ロック的なアプローチを見せることもあった。

【ハード・ロックと大作志向】

 全盛期にはハード・ロックへと曲調を変化させ、当時のロック界では随一とも言える荒々しい演奏を見せる。同時期にはシンセサイザーを大胆に導入した楽曲を発表するなど、独自性を追求。一方でピート・タウンゼント主導のもと大作志向も見せ、レコーディングバンドとしての側面も見える。それはピートのソロ活動に継承されることとなる。

【個性的なメンバー】

 バンドの音の中心にあるのはメインソングライターのピート・タウンゼントだが、激しく自由奔放な演奏を見せるドラムとベースの存在が目立つ。もともとこの二つのパートはリズム隊と呼ばれ、楽曲の基本となるリズムを刻み、他のパートを支えるものだが、ザ・フーの場合は違う。ドラムとベースが好き勝手に演奏する代わり、リズム・ギターが全体の調整役となる。

 なぜこのような形になったかと言えば、ドラムのキース・ムーンとベースのジョン・エントウィッスルは、共にロック史にその名を残す名ドラマー・ベーシストだったからだ。彼らの演奏力と表現力を生かすために自由に演奏させているというわけだ。そして、そこにパワフルな歌唱力のロジャーが加わる。

 結果、バンドの音は唯一無二と言っていい独特の音色を醸し出すようになる。とりわけリズムを無視して自由奔放に奏でるドラムは必聴。現在に続くまで、世界中のファンを魅了し、後進のアーティストにも多大な影響を与えている。

名盤で振り返るザ・フー(The Who)の歴史・経歴

トミー』(1969年)
ロック・オペラ完成!
★★★名盤★★★


Tommy

 

アルバム解説

バンドの窮地を救ったアルバム

 トミーはまずザ・フーというバンドのその後を変えるアルバムとなった。当時のザ・フーは人気はあったもののヒットシングルを出して食いつなぐという状況、バンドの金銭面は困窮していた。状況を打破すべく、ピート・タウンゼントの作曲能力にかけ、ヒットアルバム作成に賭けた。

ロック・オペラ『トミー』

 そこでアイディアの一つになったのが、『ア・クイック・ワン』にて試みたロック・オペラという形式の楽曲だった。トミーでは、このロック・オペラをアルバム全体で取り入れることとなる。ロック・オペラというのは、その名の通りオペラ形式でロックを演ろうというもの。オペラとは物語を歌を通じて表現するもの。組曲などとも呼ばれる。

三重苦の少年とトミー教

 トミーでは、耳が聴こえず、口が利けず、目が見えないという三重苦を背負った少年「トミー」の人生を表現することとなった。物語の詳しい内容はCDの解説に譲るが、ざっと説明すると、三重苦を背負ったトミーが様々な困難に陥りながらも特殊能力を開花させていき、医師の治療を受けることでついに奇跡的な回復を果たす。それを見た人々は彼を教祖のように祭り上げ、トミーもそれに答えようとする。ところが、彼の家族や親戚はトミーを利用して私腹を肥やそうとし、トミーの教えも間違った形で人々に伝えられる。結果、人々はトミーに反旗を翻し、「トミー教」は壊滅してしまう。

 かなり乱暴な説明になったが、大体こういった話をアルバムを通して表現している。

演奏力と楽曲のクオリティ向上

 この頃を境にザ・フーはバンドとしても一気に才能を開花させる。トミーで目立つのは音質の向上で、そのおかげで元々持っていたメンバーの高い演奏力がより目立つようになった。楽曲によってはハード・ロックといっていい激しい曲もあり、以降のザ・フーのキャリアにつながる面も見え隠れする。

 アルバムにはインストナンバーが多数収録されており、そこではキース・ムーンの自由奔放でハードな演奏が存分に発揮されている。とりわけ一曲目の「Overture」でアルバムの完成度の高さを予感させてくれる。その他、シングル曲である「Pinball Wizard」の切れ味も素晴らしい。キャッチーかつザ・フーの良さを存分に発揮しており、楽曲の個性もググっと高まっている。一言で言えば、ザ・フーのオリジナリティの確立がこのアルバムで果たされたということだ。

【動画で試聴】
【収録曲】
  1. Overture ※インスト
  2. It’s A Boy
  3. 1921
  4. Amazing Journey
  5. Sparks  ※インスト
  6. Eyesight To The Blind (The Hawker)
  7. Christmas
  8. Cousin Kevin
  9. The Acid Queen
  10. Underture  ※インスト
  11. Do You Think It’s Alright?
  12. Fiddle About
  13. Pinball Wizard
  14. There’s A Doctor
  15. Go To The Mirror!
  16. Tommy Can You Hear Me?
  17. Smash The Mirror
  18. Sensation
  19. Miracle Cure
  20. Sally Simpson
  21. I’m Free
  22. Welcome
  23. Tommy’s Holiday Camp
  24. We’re Not Gonna Take It

ライヴ・アット・リーズ』(1970年)
ロック史に残るライブ・アルバム!
★★おすすめ★★


ライヴ・アット・リーズ

 

アルバム解説

 本作はトミー発表後の1970年の2月、スタジオ機材を持ち込んでのライヴの模様を収めたライヴ・アルバムとなっている。ちなみに、リーズというのはイギリスにあるリーズ大学のこと。『トミー』の時点で開花していたハードな演奏力はここでさらに高まっており、次作であり最高傑作の『フーズ・ネクスト』へとつながる。

バンドのさらなる成長が見て取れる

 収録曲は主にこれまでに発表した楽曲とブルースナンバーのカバーによる構成となっている。つまりは古い曲を収録しているのだが、それが逆にザ・フーのライヴバンドとしての能力、そしてバンドの成長を浮き彫りにすることとなる。聴いてもらえばわかるが、過去のブルースナンバーや既出の楽曲をハードにアレンジし、見事に生まれ変わらせている。とりわけ目立つのは、ロジャーの歌声が完全に進化し、ハード・ロックの歌唱法へと進化している。他メンバーの成長も大きいが、今作ではロジャーの声が一つの大きな見どころだ。

各年のバージョンによって収録曲が異なる

 実際にCDを聞く上で気をつけたいのは、リマスタリングやリイシューが何度かされており、収録曲やボーナストラックがかなり異なるという点。オリジナル・ヴァージョンをまず聞くのもおすすめだが、ライヴの演奏曲をより多く取り扱ったリイシュー版をいきなり聴いてもいいだろう。

【動画で試聴】
【収録曲】
  1. ヤング・マン・ブルース(Young Man Blues)
  2. 恋のピンチ・ヒッター(Substitute)
  3. サマータイム・ブルース(Summertime Blues)
  4. シェイキン・オール・オーヴァー(Shakin’ All Over)
  5. マイ・ジェネレーション(My Generation)
  6. マジック・バス(Magic Bus)

『トミー』全曲ライヴ収録のデラックス・エディション

 ここでおすすめしたいのは2001年発売のデラックス・エディションである。何と言っても目玉は、当時ライヴで披露された『トミー』がライヴ音源で全曲収録されている。


ライヴ・アット・リーズ デラックス・エディション

【収録曲】

■DISC1

  1. Heaven And Hell
  2. I Can’t Explain
  3. Fortune Teller
  4. Tattoo
  5. Young Man Blues
  6. Substitute
  7. Happy Jack
  8. I’m A Boy
  9. A Quick One, While He’s Away
  10. Summertime Blues
  11. Shakin’ All Over
  12. My Generation
  13. Magic Bus

■DISC2

『トミー』全曲ライヴヴァージョン収録

 DISC1では曲数が増え、過去のヒットシングルのライヴヴァージョンも豊富。これまでのキャリアを総括するベスト盤的な聴き方もできる。目玉のDISC2は、本編と同じクオリティの、分厚い音でのトミーが聴けるとあって必聴!余談だが、トミーではエレキギターのオーバーダビングを発売時期との兼ね合いから断念している。その点、このライヴヴァージョンではエレキギターの分厚い演奏がしっかり聴け、完全版と言っても良いかもしれない。音質は非常に素晴らしく、もはやライヴ・アルバムを超えている。トミーが好きなら絶対に買うべきである。

フーズ・ネクスト』(1971年)
シンセサイザーを取り入れた傑作!
★★★最高傑作★★★


Who’s Next

 

アルバム解説

時代の波に乗りロック界の頂点へ

 1971年発売の本作は、文句なしのザ・フー最高傑作であり、ロック史に残る名盤の一つとなっている。当時はビートルズが解散し、レッド・ツェッペリン(ハード・ロック)やキング・クリムゾン(プログレッシブ・ロック)といった新たなバンドやジャンルが誕生した時である。音質の向上もどんどん進み、楽曲はハードかつ複雑なものへと変化していった。フーズ・ネクストはまさにその流れに乗ったアルバムであり、元々持っていた才能をここで一気に開花させ、ロック界の頂点に上り詰めることとなる。

壮大なプロジェクトから生み出されたアルバム

 本作はそもそもはより大きな音楽プロジェクト「ライフハウス」が下敷きとしてあり、収録曲以外にも数多くの楽曲が録音された。しかし、プロジェクトは完成せず、急遽アルバムとしてまとめたのが本作である。そう聞くと失敗作のように聞こえるかも知れないが、この時メンバー及びソングライターのタウンゼントの才能は絶頂期に達し、生み出された楽曲のクオリティは凄まじいものがあった。その結果、コンセプトを破棄したアルバムながらも今もなおロックの名盤と語り継がれる作品となっている。

 参考:フーズ・ネクスト – 経緯(wikpedia)

大胆なシンセサイザーの導入とハード・ロックへの進化

 本作で最も印象的なのは、シンセサイザーの導入による楽曲の演出効果である。冒頭の「Baba O’Riley」でわかるように、シンセサイザーの電子音のリフレインから曲が始まり、どこか未来的で洗練された印象を与えている。一方で楽曲はハードであり、音質は素晴らしく、メンバーの演奏力も絶頂に達していると言っていい。また、本作でのロジャーの歌声の進化は当時大きな話題を呼び、以降はレッド・ツェッペリンのロバート・プラントと比較されるなど、ハード・ロックの代表的ヴォーカルとしてその名を轟かせることとなる。

 もう一つ、シンセサイザーが導入されたラストの「無法の世界」も素晴らしい。こちらはその歌詞とともにロック史に残るアンセムとなっており、今もなお多くのアーティストによって語り継がれる名曲である。この楽曲の一番の見どころは、終盤にかけてのキース・ムーンの印象的なフィルイン&ドラムソロである。これはもはや一度聴いたら鳥肌モノで、彼をロック史に残る名ドラマーとしての地位に押し上げたと言っていい。

 プロジェクトの頓挫という災難に見舞われながらも、蓋を開けてみれば文句のつけようのないアルバムが完成した。むしろ、プロジェクトとしての完成があったらどれほどすごいアルバムになっていたかと想像させる。そんなザ・フーの最高傑作は必聴である。ロック好きなら聴いていないと恥ずかしい!

【動画で試聴】
【収録曲】
  1. ババ・オライリィ(Baba O’Riley)
  2. Bargain
  3. Love Ain’t for Keeping
  4. My Wife
  5. The Song is Over
  6. Getting in Tune
  7. Going Mobile
  8. ビハインド・ブルー・アイズ(Behind Blue Eyes)
  9. 無法の世界(Won’t Get Fooled Again)

『四重人格』(1973年)
ついに完成したコンセプト・アルバム!
★★★名盤★★★


四重人格

 

アルバム解説

『トミー』の進化形のコンセプト・アルバム

 本作はバンドの絶頂期に発売された2枚組のコンセプト・アルバムであり、発売当初から現在に至るまで高い評価を受けている。ザ・フーの最高傑作と評されることも多い。個人的には、完成されたコンセプト・アルバムであり、ロック・オペラの手法を取り入れピート・タウンゼント主導で制作された経緯を含めても、トミーの進化系と捉えている。

絶頂に達した演奏能力と作曲能力

 本作はアルバムの完成度も去ることながら、演奏力の面で絶頂に達した感が強い。実際に聞いてもらえばわかると思うが、おなじみのリズム隊の二人の演奏が縦横無尽に駆け巡り、壮大な音で構成された楽曲を生み出している。

 加えて、ピート・タウンゼントのアルバムの構成能力もさらに進化している。クラシックの対位法を取り入れた作曲により、重厚かつ壮大な楽曲を実現。とりわけ目立つのはDISC1の表題曲「Quadrophenia(四重人格)」である。組曲形式で目まぐるしく展開するこの楽曲のフレーズは、以降の楽曲の至るところに登場し、アルバム全体のまとまりを生み出している。まさに四重人格と言える様々な顔を持つ楽曲になっている。同じ形式の曲はDISC2の終盤「The Rock」でも見られる。この二つの楽曲がアルバムの核となっていると言えよう。

四重人格と『さらば青春の光』


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 本作はトミーと同じく、オペラや映画など様々なメディアで表現されることとなる。とりわけ有名なのは映画『さらば青春の光』である。四重人格の楽曲をもとに制作されたこの映画は、まさにアルバムの世界観とストーリーを忠実に再現した映像作品となっている。今でもロック系の映画で高い人気を集めている。

 ストーリーはCDの解説や映画に譲るが、ざっと説明してみよう――

 主人公ジミーは親の手伝いで地味な仕事をしており、夜にはスクーターに跨ってクラブやパーティーに出かける。これは60年代前半及び当時のイギリスにいた「モッズ」であり、その文化を中心に据えた物語となっている。彼らの敵対集団としてアメリカのロックに影響を受けた「ロッカーズ」がおり、彼らとの争いや暴動もまた作品の核になっている。モッズとして生きるジミーは無気力な日々を過ごしており、変化を期待して乱闘に参加するが、そのまま警察に勾留されてしまう。

 ジミーは地元へ変えるもドラッグに溺れ仕事場からも追い出され、恋人に振られるわ事故るわで嫌気が指し、かつて仲間と楽しんだ場所を訪れ懐かしむ。しかしそこで、憧れていた人物の真面目に働く姿を見てしまう。吹っ切れたように彼はバイクを盗み、崖の上から海にバイクを投げ捨ててしまう。

――とまあこんな感じの話である。ロックで表現するにはピッタリのストーリーである。

 激しさや壮大さの奥に、暗く内省的な感情が渦巻く。四重人格を一言で表せばそんなアルバムである。

【動画で試聴】
【収録曲】

■DISC1

  1. I Am the Sea
  2. The Real Me
  3. Quadrophenia
  4. Cut My Hair
  5. Punk and the Godfather
  6. I’m One
  7. Dirty Jobs
  8. Helpless Dancer
  9. Is It in My Head?
  10. I’ve Had Enough

■DISC2

  1. 5:15
  2. Sea and Sand
  3. Drowned
  4. Bell Boy
  5. Doctor Jimmy
  6. The Rock
  7. Love Reign o’er Me

ザ・フー・セル・アウト』(1967年)
初期のコンセプト・アルバム
★★おすすめ★★


ザ・フー・セル・アウト+10

 

アルバム解説

執筆中……!

【動画で試聴】
【収録曲】
  1. Armenia City in The Sky
  2. Heinz Baked Beans
  3. Mary Anne With The Shaky Hand
  4. Odorono
  5. Tattoo
  6. Our Love Was
  7. I Can See For Miles
  8. I Can’t Reach You
  9. Medac (Entwistle)
  10. Relax
  11. Silas Stingy (Entwistle)
  12. Sunrise
  13. Rael 1 & 2