『たけしくん、ハイ!』(ビートたけし)のレビュー・感想

タレント全盛期のビートたけしによる、幼少期の「回想絵日記」風エッセイ!

たけしくん、ハイ! (新潮文庫)

『たけしくん、ハイ!』のもくじ

 

内容説明

気が小さくて、酒を飲まないと何もいえなかったおやじ。酔っぱらうと「バカヤロー」が口癖で、 おふくろには頭が上がらなかった。おふくろは、やたら教育熱心で、秀才の兄きが自慢の種だった。俺は遊びに夢中だった。何もない時代だからこそ、いろんな ことに熱中できたんだ。ガキの頃の感性をいつまでも大切にしていきたいと思う。―遊びの天才だった少年時代を絵と文で綴る。

目次

ペンキ屋の手伝い
兄きと俺の勉強
身体検査とおんな色
はじめての海と神様
送って当るパラシュートロケット
インチキな沖縄カラテ
燃えた電気機関車
楽しい銭湯
紙芝居と三角アメ
職人のおやじ
夏休みの思い出
ベーゴマ友だち
はじめてやった弓スキー
ビニールの定期入れ
欲しかったグローブ
信濃屋に迎えに
オニヤンマと川遊び
俺んちより貧乏だった友だち
台風とマッカチン
くやしかった運動会
とうちゃんとのキャッチボール
紙袋に入ってたクリスマスセット
お年玉と新聞紙だこ
ヘラブナ釣り
おやじの形見
あとがき

引用元:ビートたけし(2001)『たけしくん、ハイ! 』新潮社,11刷,pp.4-5(「目次」より)

 

【本の概要】

  本書の刊行年は1984年、当時は漫才ブームが過ぎ去って数年。ビートたけしさんはタレントとして全盛期を迎えていた頃です。漫才ブームの頃から出演していたオールナイトニッポンひょうきん族の他、スーパーJOCKEY天才・たけしの元気が出るテレビ!!などもこの頃に放送が開始されました。

 内容は短いエッセイからなる自叙伝であり、各話にたけしさん直筆のイラストが掲載されています。自叙伝とは言っても、時期は「幼少期」という非常に限定的なものです。話の内容も、兄弟のこと、学校での出来事、幼い頃の友人との話、おもちゃや遊びのことが中心です。ただ、貧乏な家庭に育ったことに加えて、戦後まもなく日本そのものも貧しかったこともあって、貧乏話、苦労話、情けない話、切ない話が多いです。読んでいるこっちが切なくなるほどです。しかし、気がついたら声を出して笑ってしまう。そんなエッセイ集です。

 エッセイは全部で30ほど。各話は非常に短く、サクッと読むことができます。そして、エッセイの途中には、子どもが描いたようなたけしさんのイラストつき。タレントとして引っ張りだこになったたけしさんが、幼いころを回想し、絵日記にしたような作品になっています

 

感想

 幼いころの貧乏話が中心の本書。たけしさんが独特の口調で「やんなっちゃうよ」「情けなかったね」を繰り返す、切なく、悲しく、そして面白いエッセイ集です。一つ一つのエピソードがショートムービーにでもできそうな、味のある話ばかり。
 昭和時代の下町を舞台にした「三丁目の夕日」がありますが、こちらは「リアル三丁目の夕日」といったところでしょうか。

 

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