小説の書き方(物語,ストーリー作成/シナリオ,プロット利用)[初心者,基本,参考書]

2017年11月8日

 最後に、『シナリオの基礎技術』に加えて『ベストセラー小説の書き方 (朝日文庫)』も参考にしつつ、いろいろなストーリーの作成方法をまとめておきます。これまで説明してきたことをより詳しくまとめてあるので、参考にしてみてください。

実践的なストーリーの作り方

 ストーリー作成についての本を見ていくと、やはりプロット作りが大切だと感じます。そして、プロットの基本型もある程度決まってると思います。仮にここで、大きな4つのプロットを以下のように決めて、それぞれのプロットで何をすべきか見て行きましょう。

  1. 「(起)オープニング」(イントロダクション):
    基本情報の提示/読者を惹きつける
  2. 「(承)プロセス」:
    次々と問題を起こす/事件・事情によって話を膨らます
  3. 「(転)クライマックス」:
    人物を集める/主人公が困難を乗り越える/テーマを伝える
  4. 「(結)ラスト」:
    テーマの定着・余韻

1.「(起)オープニング」(イントロダクション)ですべきこと

  • 基本情報の提示:
    場所・キャラクター・状況/ストーリーの方向性
    ※情報は話の流れの中で描く。説明してはダメ
    ※テーマと反対の主張から始めると、話が膨らみやすい
  • 読者を惹きつける:
    主人公に困難・任務を与える。謎・疑問を提示する

 小説の冒頭では読者を引きつける意味があります。例えば、冒頭で主人公に「任務」を与え、その任務は短時間で遂行しないと危険が迫るようなものにすると 、読者が興味を持ちやすいストーリーになります。また、異常なもの、不気味なもの、よくわからないものを冒頭で登場させてもいいでしょう。冒頭で謎や疑問を提示すれば、同じく読者は興味を持ちます。

2.「(承)プロセス」ですべきこと

  • 次々と問題を起こす:
    問題は「1.」で提示された困難から必然的に生じるもの、あるいはキャラクターの行動によって生じるものにする
  • 事件・事情によって話を膨らませる:
    キャラクターの人間関係(利害関係、上下関係)、キャラクターの境遇などをからめて話を膨らませる
    ※秘密事項や伏線を使うのも効果的

 ここでは、いろいろな問題が立て続けに起こることで、読者はストーリーの中に引き込まれていきます。ハリウッドのアクション映画などを見ると、必ずと言っていいほどこの手法が使われています。ここでのポイントは立て続けに起こる問題は、最初に起こった困難、あるいは一つ前に起こった問題から必然的に生じるものにすることです。話の流れとは関係のない問題を起こしたり、無駄に時間をかせぐだけの問題では、支離滅裂なストーリーになってしまいます。

3.「(転)クライマックス」ですべきこと

  • 人物を集める:
    ここまでに出てきた主要な人物、人物に関するエピソードを集約し、テーマを伝える。
  • 主人公が困難を乗り越える:
    主人公の変化・成長を描く。
  • テーマを伝える:
    ※テーマは説明するのではなく、感じさせることが重要。キャラクターの言動や話の展開で自然に伝わるようにする。

 クライマックスは見せ場です。これまでに描いて来た様々なシーンの登場人物及びエピソードを集約し、山場を乗り越えます。主人公の変化や成長を描くと、さらに話は盛り上がります。ここで注意したいのは、説明的にならないこと。クライマックスに来る前にあらゆる準備は済ませて置き、クライマックスはただ描くだけで読者に伝わるようにするのが大切です。よくある間違いは、テーマを伝えたいがあまりに、ここで説明的になってしまうことなので、充分注意しましょう。

4.「(結)ラスト」ですべきこと

  • テーマの定着・余韻:
    「クライマックス」とは別の形でテーマを表現する。ストーリーの中で未解決なものを残したり、ストーリーの続きを感じさせるなどして、余韻を残す。

 

 クライマックスとラストは、互いに前後にずれ込んでも構いません。主人公が困難を乗り越えるところをぎりぎりまで引っ張り、ラストでオチをドカンと置くのもいいでしょう。ラストのところで余裕があれば、クライマックスの部分を振り返ったり、未解決な物事を残しておくことで、読者が余韻を味わうことができます。

その他ストーリー作成に役立つ考え

キャラクターを中心としたストーリーの作り方

 ストーリーはキャラクターとの間に相互作用をもっています。例えば、キャラクターの心情が変化すると、キャラクターの行動が変化します。すると、キャラクターは別の場所へ移動する可能性が高くなりますし、そこで新たなキャラに会うことや、何か事件に巻き込まれる可能性も出てきます。

  • キャラクターを中心としたストーリーの膨らませ方
    • キャラの心情・行動を変える
    • 場面を変える
    • 新たなキャラの登場
    • 事件を起こす

 これはあくまで一例ですが、ストーリーの作り方について、ヒントとなるかと思います。

障害物を置いてストーリーを作る

 小説の目的は、ストーリーによって「テーマを伝える」ことです。プロットで言えば「クライマックス」がそれに当たります。できることなら計算通りに、何の問題も無く、クライマックスにたどり着きたいものです。しかし、何の問題も起こらずにストーリーが進んでいくと、現実味が無く、不自然なものになってしまいます。むしろトラブルや失敗があれば、ストーリーは盛り上がっていくものです。

 例えばハリウッドのアクション映画のストーリーはトラブルや失敗の連続です。それらを上手く組み合わせてストーリーを盛り上げています。わかりやすいものとしては、敵が襲ってきたり、爆発や乱闘が起こったりというものです。また、平凡な日常のシーンでも、その場に適した障害物を配置することができます。主人公の欠点を利用したり、失敗や判断ミスなど主人公の行動が問題を引き起こしてもいいでしょう。

 このように見ていくと、ストーリーを盛り上げるために「障害物を置く」ことが有効だとわかります。事件、事情、キャラクターの性格、言動、人間関係などを利用して障害物を作ると、ストーリーがどんどん膨らんでいき、起伏に富んだものになります。