文章を書く人のための速読のコツ・トレーニング方法

2017年11月8日

速読で効率よく情報収集し、文章に役立てよう!

齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる! (ちくま文庫)

 速読にはいろいろな方法論がありますが、ここでは「いかに効率よく目的の情報を得るか」に注目していきます。本を読む時はもちろん、新聞やニュースを見る時、学校や会社で資料を読むときにも役立ちます。

もくじ

 

1. 速読のコツは本の目次を読むこと

1-1. 何を知りたいか、どんな情報を得たいか考える

  • 本を読む前に、どのような情報を得たいか考え、目的をはっきりさせる
  • あらかじめ読む箇所を絞る
  • 本を読むことの目的は、自分にとって最も重要な箇所を見つける作業

 

 本を手に取った以上は、目的があるはずです。事前に何らかの情報を知ろうと考えていたり、あるいは興味本位で手にとった本もあるでしょう。いずれにしても、本を読む前に、どのような情報を得たいか考え、目的をはっきりさせます

  本を初めから終わりまでしっかり読んだ時、読み終わった後も頭に残る情報はどれくらいでしょうか? 良くても半分以下でしょう。メモも取らずに全体の流れをはっきり覚えていたり、重要箇所がどこに書いてあったか覚えることの出来る人はとんどいないと思います。さらに、本を読んでいて印象に残る箇所といえば、数えるくらいでしょう。内容の濃い名著と呼ばれるものでも、読む人にとって強く印象に残る箇所は限られています。

 本を楽しむという目的があれば全体をじっくり、何日もかけて読んでもいいです。しかし、情報を得るために本を読む場合、本をとにかくたくさん読みたい場合は、効率よく情報を収集する必要がありますそこで、あらかじめ読む箇所を限定しましょう。わざわざ全部読む必要はありません。重要と思われる箇所をピックアップし、その中でも特に重要な箇所だけじっくり読めばいいのです。

 ある意味で、本を読むことの目的は、自分にとって最も重要な箇所を見つける作業です。

1-2. 目次を読み、重要な章、項目を選択する

  • 目次の中から重要な章や項目を探す(一番重要な章を一つ選ぶ)
  • 重要な箇所を決めたら、流し読みして確認
  • 本当に役立つかどうかは、章を一つ読めばすぐにわかる

 

 目的が決まったら、最初に目次を読みましょう。そして、目次の中から重要な章や項目を探します。目安としては、最初は全体の半分ほどに絞りましょう。もっと効率よく読みたいなら、一番重要な章を一つ選びましょう。そこを中心に読んでいき、気になった部分は他の章から拾い読みします。ここまでできれば上出来です。

 この作業のポイントは、重要な箇所を決めたら、ざっとそこを流し読みすることです。1分ほど、冒頭をちょっと読むだけでもいいです。本当に重要な箇所、自分の目的に合致した箇所かどうかがそれでわかります。そして、コツは神経質にならないことです。

 本当に素晴らしい本、自分の求めていた内容が書いてある本ならば、章を一つ読めばすぐにわかります。もしそれで読み足りないなら、全体をじっくり読めばいいでしょう。しかし、そのような本に出会うことは稀です。役立つ本はあっても、冒頭から末尾まで中身が濃く、自分の求める情報が載っている本はなかなかありません。

 

 

2. 速読の方法は「全体を眺める」「熟語を拾う」「文の構造に注目する」

2-1. 全体を眺める

  • 速読本に書いてある「全体を眺める」方法は、コツが必要
  • そのコツとは、「熟語を拾う」「文の構造に注目する」

 

 速読について解説した本に必ず書いてあるのは、「全体を眺める」という方法です。絵を見るようにして文章を見るとか、写真のシャッターを切るようにして読む、などと抽象的な説明がそれに続きます。

 この方法は有効ですが、コツが必要です。コツを知らないと本当に文章を眺めるだけになってしまい、内容が全然入ってきません。眺めろと言われただけで速読が出来てしまう人もいますが、その人は無意識のうちにコツを実践しているのだと思います。そのコツは「熟語を拾う」ことと「文の構造に注目する」ことです。

 

2-2. 熟語を拾えば速読は簡単にできる

  • 文章全体を眺めつつ、熟語を拾う
    (※ここで言う「熟語」は、二つ以上の漢字が結合したものとする)
  • 熟語だけ見れば、文章の大体の意味はつかめる
  • コツは、文章の中から、濃い黒の部分(漢字が二つ以上続く部分)を拾うだけ。
  • カタカナ語にも注目する

 

 速読をする上で最も重要なのが、熟語を拾うことです。文章全体を眺めつつ、熟語を拾うようにします。「熟語」にはいくつかの定義がありますが、ここでは二つ以上の漢字が結合した言葉としておきます。文章は細かく分ければいろいろなものがありますが、基本的にはある物事を説明しています。そこで中心になっているのは熟語です。熟語を拾っていけばなんとなく文章の意味がわかってしまうものです。

 例えば、上の文章から熟語を拾ってみます。一文ずつ書き出していくと以下のようになります。

  • 「速読」「重要」「熟語」
  • 「文章全体」「熟語」
  • 「熟語」「定義」「漢字」「結合」「言葉」
  • 「文章」「基本的」「物事」「説明」
  • 「中心」「熟語」
  • 「熟語」「文章」「意味」

 

 これだけ見ても、なんとなく文章の意味がわかるでしょう。そして、上の文章の文字数は180字ほどですが、熟語だけ拾っていけば40字ほどで済みます。これだけで、かなり効率よく文章の大体の意味をつかむことができます。文章の中から熟語を拾うコツは簡単です。漢字が二つ以上続くと自然とその部分は濃い黒に見えます。文章をぼうっと眺めると自然と熟語が目立ちます。

 もう一つ、熟語の他に注目したいのはカタカナ語です。これは文章の内容にもよりますが、例えばスポーツ関連の文章だと、カタカナ語が多くなり、その重要度も高くなります。熟語に加えてカタカナ語も拾って行くと、意味が効率よくつかめます。

2-3. 文の構造に注目する

  • 文の構造を知るには接続詞に注目する
  • 「つまり」「したがって」という接続詞の後ろに、著者の意見や主張、文章の結論が来る。
  • 主張や結論は文章の中で後ろに来るので、段落の最後、章や項の最後に注目

 

 熟語だけ見ても充分速読は可能ですが、正確性を増すには文の構造を知っておくと良いです。文の構造を知るには、まず接続詞に注目しましょう。中でも特に、文章の中で結論や主張の前にくる接続詞に注目します。例をあげると「つまり」「したがって」があります。これらの接続詞の後には著者の意見や主張、文章の結論がきます。要するに、文章の中で重要な箇所を効率よく探すということです。

 さらに、主張や結論は文章の中で後ろに来ることが多いです。段落の最後、章や項の最後に注目しましょう。特に日本人の文章は主張や結論を最後に持ってくる傾向があります。また、著者が外国人の本や、ビジネス本などは、主張や結論は最初に来ることもあります。これを覚えておくと、接続詞と同じく、重要な箇所を効率よく探せます。