なつかしの「ファイナルアンサー?」/『スラムドッグ$ミリオネア』のレビュー

スラム出身の青年が大金をつかむまで

 「当時流行っていたクイズ番組に乗っかっただけの、話題先行の大したことない映画だろ?」と思いきや、結構面白い!
 クイズ番組、インドのスラム……特殊な設定から始まる物語。スラム出身の青年の過去をひも解き、大金を手にするまでの道のりを描く。
 貧富の差、宗教問題など、インドの抱える社会問題も描く、結構マジメな映画。

「スラムドッグ$ミリオネア」のあらすじ

テレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと 不正を疑われ逮捕される。ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって、真実が明らかになっていく。

引用元:解説・あらすじ – スラムドッグ$ミリオネア – 作品 – Yahoo!映画

 物語は、インド人の青年がクイズ番組に出演するシーンから映画は始まる。そして、その青年が中年の男に拷問されているシーンが続く。クイズ番組ですべての問題をクリアし、大金を手にした青年。しかし、スラム出身の青年には疑いがかけられ、警察に連行されてしまうという。クイズ番組の進行と共に、青年の生い立ちを振り返る。

 クイズ番組とインドのスラムという特殊な設定のこの物語。ただ、核となるストーリーはそんなに特殊なものではない。スラムで生まれた青年がたくましく育っていくという、ある意味じゃあよくある話。幼いころか兄や近所の悪ガキとつるんで悪いことをして、そのうち兄は日本で言うヤンキーみたいになって、そのうちギャングとつるむようになる。そんな感じの話。ただ、そこに途上国とか中進国の抱える問題が加わる。

 具体的には、貧富の差とか、宗教問題。ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の争いがあって、そのために主人公の母親は殺されてしまう。その敵をとるべく、母を殺した男を兄弟で復讐するシーンなんてのもある。

参照:映画と教育:『スラムドッグ$ミリオネア』……ストリートから学ぶ生きる力 – 学びの場.com

 もう一つ重要なポイントになっているのは、主人公が恋した少女。同じスラム出身の女で、親も兄弟もいなく、まさに天涯孤独の少女。でも、そんなのスラムじゃ当たり前。主人公兄弟はその少女と一緒に過ごすようになるんだけど、その後すぐに離れ離れになってしまう。この少女はその後再開して、物語を左右する大きな存在となる。

クイズの答えは主人公の過去にある!

 この映画が面白いのは、クイズ番組の進行と主人公の生い立ちを並行して描いているところ。それが一体どうなるかって言うと、クイズのヒントが主人公の過去の経験の中にあるというところ。

 出題される度に主人公は過去のいろいろな場面を回想して、その中に問題のヒントを見つける。無学のスラム出身の青年が難問に正解する秘密はこれ。ここはいかにも「映画」っぽいところだけど、わざとらしい感じも、陳腐な感じもなく、違和感なく楽しめる。物語の中心はあくまで主人公の生い立ちであって、クイズ番組はスパイスに過ぎない。だから、安っぽい感じがしないんだと思う。

 こんな風にして問題に次々答えていくんだけど、最後の最後で主人公は答えにつまる。そこで日本の「ミリオネア」でもおなじみの、「テレフォン」が登場する。この辺を詳しく書きすぎるとネタバレになるから止めとくけど、ここに例の少女が出てきて、最後の問題を突破すると共に、兄の運命も左右することになる。ここが映画のクライマックス。これは実際に見てのお楽しみ。

 

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