セロとノルアとパミン(3)「初めての謝罪会見」

2017年11月8日

「勝てない勝負はするな」

東京を変える、日本が変わる

 謝罪というのは演技力とタイミングがすべて……私にもそう思っていた時期がありました。謝罪は、する前から勝負が決まっている。負けるとわかっていて謝罪すると、相手は余計に怒る。そういう時は、謝罪もせず何もせず、静かにしておくのが一番。

 もちろん、ポーズとして謝罪するのは必要だ。謝罪したという既成事実をつくっておくと、後々何かと役立つ。相手も若干引け目を感じて、それ以上責めてくることはない。

 謝ったのに許してもらえないのは、謝っただけでは許されないことをしたからだろう。金とか女が絡むと、たいていそうなる。特に女には気をつけたい。しかし、ややこしい女に時々手を出してみたくなるのはどうしてだろう? もしもそういう女に引っかかってしまったら、自分自身に謝罪しよう。

 

 

 

初めての謝罪会見

前回までのあらすじ

総理大臣と小学3年生、二足のわらじの生活を始めた純一郎くん。クラスメイトのエマーソンくんに招かれたパーティーにて、性に目覚める。しかし、国際情勢は待ったをかけた。

「日本の総理に何ができる? 」
「増税! 赤字国債! 金融緩和!」

経済力に物を言わせて一度は形勢逆転したかに見えた純一郎くん。しかし、アメリカ人ハーフのエマーソンにはすべてお見通しだった。

「アレはね、温めると膨らむんだよ。ホットケーキと一緒だね……」

世の中知らないことだらけだと、純一郎くんは学んだのである。

 

「え~、ま、その……適切に対処していきたいと……ですね。はい。第三者の目で判断してもらい……」

 純一郎くんはある疑惑について追及されていた。

 その前に、経過報告をしよう。夢の住人の純一郎くんは、念じれば何にでもなれる。小学3年生と総理大臣を掛け持ちする彼は、地方自治の勉強をしようと考え、都知事にもなってみようと思ったのだ。そんな彼に最初に与えられたのは、不正会計疑惑に対する釈明会見という仕事だった。

 21世紀の現代、釈明会見や謝罪会見は、もはや知事の日常業務の一つと化しているのだ……!!

 

「疑惑についてどうお考えでしょうか? 」

「疑惑は成功のはとこ」

 

「迷惑をかけたという認識は? 」

「若いうちの迷惑は買ってでもしろ、と祖母によく言われたものです」

 

「グレーゾーンという言葉をご存知でしょうか? 」

「では聞くが、白黒はっきりという言葉、なぜ白と黒なのか? 赤と青でもいいのではないか? そこからはっきりさせたい」

 

「税金を私的に流用していいのか? 」

「自分で稼いだ金を募金するのと一緒では? 」

 

「天丼を経費とすることに恥じらいは? 」

「ここでえび反りしろとでも? 」

 

「大量の美術品購入を経費にするのは、無理があるのでは? 」

「芸術に正解はない」

 

「海外出張でファーストクラスを使う必要性は? 」

「セカンドクラスがあればそちらに乗り換えようと思う。私は謙虚が信条でして」

 

「スイートルームの使用については?」

「人生は甘くない」

 

「仮にすべて正当な経費としても、億単位の経費に都民は納得できるか? 」

「東京はみなさんが想像する以上に金がある。心配無用でございます」

 

「都知事を辞任する考えはあるか? 」

「私はイチ都民です。都知事と呼ばれるには、まだまだ未熟すぎて恐れ多いです」

 

「今後の都政について? 」

「私は預言者じゃないので未来のことはわからない。ただ、皆さんの笑顔が見たいだけです」

 

 堂々と受け答えをする純一郎くん。テレビ中継を見ていたエマーソンくんは、ポテチの袋に手を伸ばしながら、ニヤついていた。

 その時、ママのジョリーは、ノーブラで芝生に水撒きをしているところだった。

続く

今日の格言

「政治家は悪。ノーブラは正義」

 

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