洋楽ロックの歴史と名盤(2) – 70年代プログレ

2017年11月4日

イエス(’68~) – メロディーとシンフォニー。長期に渡り成功したプログレバンド

 イエスは個人的に一番好きなプログレバンド。サウンド面では綺麗なメロディーと、アルバムの構成力が特徴。組曲が大好きで、アルバ ム1枚に対して曲数が3つ、1曲約15分なんて感じ(笑)。初めて聞く人は「なんだこれ? クソ長えな」ってなるはず。自分もそうだった。あと、ボーカル のジョン・アンダーソンの声が綺麗。いわゆるエンジェル・ボイス。その他、プログレ界の名プレイヤーが揃っているのも特徴。キーボードのリック・ウェイクマン、ドラムのビル・ブルーフォードは、他のプログレバンドへの参加やミュージシャンとの共作多数。

こわれもの』(’71)


こわれもの

 『こわれもの』は聴きやすいのでおすすめ。プログレの入門に最適。雑誌なんか見ても、初期のプログレの名作として必ず名前があがる。サウンド面では、演奏のキレが素晴らしく、テンションも高い。アコースティックに近いサウンドで、プログレにしてはシンセも控えめの曲も多い。それでいて、しっかりしたプログレサウンドを構築している。プログレにどっぷりハマった後でも、しっかり楽しめる名盤。

危機』(’72) – 圧倒的なシンフォニーで、プログレ史に名を残した名盤!!


危機

 『危機』はプログレのアルバムの中でも1,2を争う名作。歴代プログレアルバムランキングなんかやっても、間違いなくベスト3に入ってくる。各曲の構成が素晴らしく、クラシック音楽をロックで表現した感じ。そしてメロディーが最高に美しい。聞けば聞くほどハマる。大袈裟に言うと、「あ、こういう世界があったんだ」というように、聞く人の価値観すら変えるほどの力がある。

 『こわれもの』との違いは、まずは曲の長さ。40分弱のアルバムをたった3曲で構成。1曲あたり軽く10分は超える。これがプログレ。あとは、アルバム全体の流れ。くどいほどのシンフォニーを持つアルバムで、寝転がって目をつぶって聞いてると、あっちの世界に行ってしまいそうになる。以下、Amazonレビューの説明がわかりやすい。

前作『FRAGILE』で姿を見せた大作志向をさらに押し進めた作品。収録された楽曲は3曲で(アナログ盤では、A面に1曲、B面に2曲を収録)、いずれもクラシックの交響曲を思わせるドラマティックな構成が特徴となっている。
   なかでもグループのリーダー的存在だったジョン・アンダーソンの詩を題材にした表題曲「CLOSE TO EDGE」は、YESの音楽的な技量が全開となった名曲だ。
   小川の流れる音と小鳥のさえずりを使用、牧歌的なムードを演出した導入部→スティーブ・ハウのクラシカル&メロディアスなギター→中世ヨーロッパ的 な荘厳かつ優美なイメージを想起させるボーカル→クリス・スクワイアのベースを核としたハード・ロック・グルーヴ→ジョン・アンダーソンのクリスタル・ ヴォイスの魅力を前面に押し出した美しいハーモニー→リック・ウェイクマンの教会風オルガン・ソロ→圧倒的なカタルシスを生み出しながら楽曲を終了させる ボーカル・パート。
   これだけの要素を1曲のなかで展開できるだけの構成力と演奏力を兼ね備えたバンドは、YES以外には見当たらない。幻想的な世界観を表現した内ジャケットのデザインも秀逸。(森 朋之)

引用元:危機(Amazon)

リレイヤー』(’74)  – 超アグレッシブな演奏!!


リレイヤー

 個人的に大好きなイエスは、少々多めに作品を紹介。ここで紹介する2つのアルバムは、初期のものとは曲調がちょっと変わってくる。『リレイヤー』は転調が多く、楽器の音を活かした作品で、ジャズの要素が強い感じがする。音をいろいろいじくって遊んでるような作品。イエスのアルバムの中でもとにかく音と演奏力が最高レベル。『危機』が好きになったら、次はこれを聞くといい。何度でも聞けて、その度発見がある。面白い。

 ただ、気をつけなければならないのは、メンバーが結構入れ替わっていること。まずドラムのビル・ブルーフォードは危機の完成直後に脱退。その後はキング・クリムゾンに加入。プログレはこういうメンバーの入れ替わりが非常に多い。移籍先のキング・クリムゾンも、この時点ですでにメンバーチェンジを複数回行っているはず。さらに、『危機』の次のアルバム『海洋地形学の物語』発表後、キーボードのリック・ウェイクマンも脱退。この2人はサウンド面での貢献が非常に大きかったので、人によっては『危機』までがイエスで、それ以降は聞かないということもある。

 ただし、他のメンバーの力もすごいので、『リレイヤー』の完成度にそれほど問題は無い。むしろ、『危機』『海洋地形学の物語』での過剰なまでのシンフォニーが薄れた分、音と演奏にこれまで以上のエネルギーが注がれて、かなりアグレッシブな作品になっている

究極』(’77)


究極

 次作『究極』も、音へのこだわりが強い作品。加えて、ポップさも増している。このアルバムでは、リック・ウェイクマンが復帰していて、そこも見どころ。イエスの全盛期は一般的には『こわれもの』『危機』のあたりとなっているけど、このアルバム前後までクオリティが非常に高い。

 イエスはこれ以降にも長期にわたっていろんなアルバムを出しているから、たくさん作品を楽しむことができる。そこも良い点。プログレを聞いてみたいって人には、まずはイエスをおすすめする。

⇒【3】「ピンク・フロイド(’65~) – プログレの枠を超えた世界的バンド」