【70年代プログレッシブ・ロック】洋楽ロックの名盤とおすすめバンド②

2018年1月14日

70年代プログレおすすめバンド

キング・クリムゾン(1969年~)
「プログレッシブ・ロック」の確立

クリムゾンキングの宮殿』(1969年)
プログレッシブ・ロック誕生!!

 諸説あるものの、「プログレッシブ・ロック」を世に知らしめたのがキング・クリムゾン。そのバンド名からプログレの王様なんて呼ばれたりもする。何と言っても有名なのはデビュー作『クリムゾンキングの宮殿』。ロック史上に残る名作で、今でもその影響力は高い。とりわけ、この作品は芸術性が高い作品として知られる。特殊な楽器を使用して幻惑的な世界を作り出し、それまでロックが到達し得なかった深みにまで達している。ロックの幅を広げ、その後のプログレ及びプログレバンドの方向性を示したという点で、このアルバムはすごい。ピンク・フロイドの作品群ですら、クリムゾンのファーストの衝撃には及ばないと思う。

  また、メンバーチェンジを繰り返したバンド(というか、プログレは基本メンバーがころころ変わる)であり、他の有名なプログレバンドとの間でメンバーの行き来をしている(ボーカルがELPを結成したり、イエスからドラマーが加入したり)。そういうわけで、このバンドの作品を聞いていると、幅広くプログレが楽しめる。

太陽と戦慄』(1973)
キング・クリムゾン
動と静の極地!

 結成時からメンバーがほぼ入れ替わったクリムゾンだが、デビュー作と同じような衝撃をもった作品となり、最高傑作の一つにあげられる本作。イエスから加入したビル・ブルーフォードを筆頭に、即興性をより強めたのがポイントだ。

 全体としては静かで繊細なアルバムで、様々な効果音が印象的に鳴り響き、静寂を突き破るようなハードなサウンドも映える。時として演奏がすべて終わってしまうような静寂、ストリングスの繊細なハーモニー。さらなる深遠な世界を表現するプログレの名盤!

レッド』(1974年)


レッド

 1作目はハードな面とアーティスティックな面が両立。ギターサウンドを全面に押し出しつつ、芸術性の高い曲も書いた。太陽と戦慄では静寂な世界を描き、動と静の美しさを表現。一方で、この『レッド』はどちらかと言うとシンプルでハード寄りの作品に仕上がっている。

 ジャンルで言えば、ハード・ロックの他90年代に登場するグランジを先取りしたような感もある。太陽と戦慄に引き続き、即興音楽の要素も強く、圧倒的な演奏を存分に楽しめる。このアルバムに参加している元イエスのドラマーであるビル・ブルーフォードの演奏は見物。

イエス(1968年~)
華麗なるメロディー・シンフォニー

イエス

 イエスは個人的に一番好きなプログレバンド。サウンド面では綺麗なメロディーと、アルバムの構成力が特徴。組曲が大好きで、アルバ ム1枚に対して曲数が3つ、1曲約15分というのも良くある。初めて聞く人は「なんだこれ? クソ長えな」となるはず。他の特徴としては、ボーカルのジョン・アンダーソンの声が素晴らしい。いわゆるエンジェル・ボイスで、女性のような高音かる、温かみがあって柔らかい歌唱法が見どころ。その他、プログレ界の名プレイヤーが揃っているのも特徴。キーボードのリック・ウェイクマン、ドラムのビル・ブルーフォードは、他のプログレバンドへの参加やミュージシャンとの共作多数。

こわれもの』(1971年)
メリハリの利いた初期プログレの名盤!

 『こわれもの』は聴きやすいのでおすすめ。プログレの入門に最適。雑誌なんか見ても、初期のプログレの名作として必ず名前があがる。サウンド面では、演奏のキレが素晴らしく、テンションも高い。アコースティックに近いサウンドで、プログレにしてはシンセも控えめの曲も多い。それでいて、しっかりしたプログレサウンドを構築している。また、イエス特有のポップサウンドもあり、非常に聞きやすい。プログレにどっぷりハマった後でも、しっかり楽しめる名盤。

危機』(1972年)
圧倒的なシンフォニー/プログレ史に残る名盤!

 『危機』はプログレのアルバムの中でも1,2を争う名作。歴代プログレアルバムランキングなんかやっても、間違いなくベスト3に入ってくる。各曲の構成とハーモーニー、メロディーが最高に美しい。聞けば聞くほどハマる。大袈裟に言うと、聞く人の価値観すら変えるほどの力がある。イエスはこのアルバムにて、プログレ界の売れっ子となる。

 『こわれもの』との違いは、まずは曲の長さ。40分弱のアルバムをたった3曲で構成。1曲あたり軽く10分は超える。これがプログレである。ただし、実際には幾つかの旋律を組曲のようにした曲も多い。くどいほどのシンフォニーを持つアルバムで、寝転がって目をつぶって聞いてると、あっちの世界に行ってしまいそうになる。以下、Amazonレビューの説明がわかりやすい。

前作『FRAGILE』で姿を見せた大作志向をさらに押し進めた作品。収録された楽曲は3曲で(アナログ盤では、A面に1曲、B面に2曲を収録)、いずれもクラシックの交響曲を思わせるドラマティックな構成が特徴となっている。
   なかでもグループのリーダー的存在だったジョン・アンダーソンの詩を題材にした表題曲「CLOSE TO EDGE」は、YESの音楽的な技量が全開となった名曲だ。
   小川の流れる音と小鳥のさえずりを使用、牧歌的なムードを演出した導入部→スティーブ・ハウのクラシカル&メロディアスなギター→中世ヨーロッパ的 な荘厳かつ優美なイメージを想起させるボーカル→クリス・スクワイアのベースを核としたハード・ロック・グルーヴ→ジョン・アンダーソンのクリスタル・ ヴォイスの魅力を前面に押し出した美しいハーモニー→リック・ウェイクマンの教会風オルガン・ソロ→圧倒的なカタルシスを生み出しながら楽曲を終了させる ボーカル・パート。
   これだけの要素を1曲のなかで展開できるだけの構成力と演奏力を兼ね備えたバンドは、YES以外には見当たらない。幻想的な世界観を表現した内ジャケットのデザインも秀逸。(森 朋之)

引用元:危機(Amazon)

リレイヤー』(1974年)
超アグレッシブな演奏!!


リレイヤー

 ここで紹介する2つのアルバムは、初期のものとは曲調がちょっと変わってくる。そこにはメンバーの入れ替わりも関係している。 まずドラムのビル・ブルーフォードは危機の完成直後に脱退。その後はキング・クリムゾンに加入。プログレはこういうメンバーの入れ替わりが非常に多い。移籍先のキング・クリムゾンも、この時点ですでにメンバーチェンジを複数回行っているはず。さらに『危機』の次のアルバム『海洋地形学の物語』発表後、キーボードのリック・ウェイクマンも脱退。この2人はサウンド面での貢献が非常に大きかったので、人によっては『危機』までがイエスで、それ以降は聞かないということもある。

 『リレイヤー』は転調が多く、楽器の音を活かした作品。音をいろいろいじくって遊んでるところが面白い。イエスのアルバムの中でもとにかく音と演奏力が最高レベル。『危機』が好きになったら、次はこれを聞くといい。何度でも聞けて、その度発見がある。面白い。以前の作品と比べると、むしろ、『危機』『海洋地形学の物語』での過剰なまでのシンフォニーが薄れた分、音と演奏にこれまで以上のエネルギーが注がれて、かなりアグレッシブな作品になっている。

究極』(1977年)
耳障りな電子的サウンド!

 本作『究極』も、音へのこだわりが強い作品。加えて、ポップさも増している。このアルバムではリック・ウェイクマンが復帰しているので、その辺も見どころ。イエスの全盛期は一般的には『こわれもの』『危機』のあたりとなっているけど、このアルバム前後までクオリティが非常に高い。

 イエスはこれ以降にも長期にわたっていろんなアルバムを出しているから、たくさん作品を楽しむことができる。そこも良い点。プログレを聞いてみたいって人には、まずはイエスをおすすめする。

⇒「ピンク・フロイド(’65~) – プログレの枠を超えた世界的バンド」