洋楽ロックの歴史と名盤(2) – 70年代プログレ

2017年11月4日

70年代プログレッシブロック – もくじ

  1. プログレッシブ・ロックとは?
    キング・クリムゾン(’69~)  – プログレッシブ・ロックの確立
  2. イエス(’68~)
    美しいメロディーとシンフォニー
  3. ピンク・フロイド(’65~)
    プログレの枠を超えた世界的バンド
  4. エマーソン・レイク・アンド・パーマー(’70~’80)
    クラシックとロックの融合
    ラッシュ(’68~)
    卓越した演奏力を持つカナダの国民的バンド

プログレッシブロック(69年~70年半ば頃) – 圧倒的な演奏力と前衛性

 プログレッシブロックとは、ざっくり言うと、高い演奏力と先進性(progressive)・前衛性を兼ね備えたロック。具体的な例を上げれば、クラシック音楽の要素を取り入れたロック。あるいは、ジャズの要素を取り入れたもの。クラッシックならば、一番わかりやすいものだと、クラッシク音楽をそのままバンドでアレンジして演奏するとか。他にも、楽曲に管弦楽器を取り入れたり。ジャズの場合は、変拍子とか、演奏技術をロックに取り入れる。ジャズの演奏技術はものすごく高くて、その要素をロックに入れると洗練されてオシャレになったり、より激しいものに変化する。

 ……てな感じで長々と説明したけど、なかなか伝わってないと予想。そこでもう一つ、非常にわかりやすいウィキペディアの説明を引用。

「プログレッシブ」とは、本来、「先進的」・「前衛的」というような意味だが、プログレッシブ・ロック・バンドという場合、そのアルバムや楽曲などが次のような特徴がある。

  • アルバム全体を一つの作品とする意識の徹底(コンセプト・アルバム
  • 大作・長尺主義傾向にある長時間の曲
  • 歌が短く演奏重視で、インストゥルメンタルの楽曲も多い
  • 技巧的で複雑に構成された楽曲(変拍子転調などの多用)
  • 芸術性を重視した曲作り
  • クラシック音楽ジャズ、あるいは現代音楽とのクロスオーバー・ミクスチャーを試みたものも多く、高度な技術を有する
  • シンセサイザーメロトロンなどといった、当時の最新テクノロジーを使用した楽器の積極的使用
  • 今までにない独創的な音楽性(あるいは既存のプログレバンドの音楽性から強く影響を受けている)

上記の特徴は、ピンク・フロイドキング・クリムゾンイエスエマーソン・レイク・アンド・パーマージェネシスなどのバンドが持つものである。

引用元:プログレッシブ・ロック – 定義 – Wikipedia

 この引用部分に大体の情報がつまってる。リンク先も見ればバッチリ。さすがウィキペディア。ついでに、有名な曲もいくつか紹介。

【労働者階級のロックから中流階級のロックへ】

 ちなみに、この項のタイトルになっている「洒落た大学生向け」という部分。プログレは曲調もちょっとオシャレというか大人っぽくて、当時のアメリカの大学生たちの間で人気が出ていたという意味。元々ロックはマイノリティとか低所得者の気持ちを代弁したもの、カウンターカルチャーの要素を持っていた。アメリカなら黒人、イギリスなら労働者階級のためのもの。それが、時代が進むに連れて、より大衆的なものになっていった。そして、プログレはそこそこ金がある家で育った大学生向けのものになった。このあたりを見ると、歴史の中でのロックの変化がわかってくる。

キング・クリムゾン(’69~) – 「プログレッシブ・ロック」の確立

クリムゾンキングの宮殿』(’69) – プログレッシブ・ロック誕生!!


クリムゾンキングの宮殿

 諸説あるものの、「プログレッシブ・ロック」を世に知らしめたのがキング・クリムゾン。そのバンド名からプログレの王様なんて呼ばれたりもする。何と言っても有名なのはデビュー作『クリムゾンキングの宮殿』。ロック史上に残る名作で、今でもその影響力は高い。とりわけ、この作品は芸術性が高い作品として知られる。特殊な楽器を使用して幻惑的な世界を作り出し、それまでロックが到達し得なかった深みにまで達している。ロックの幅を広げ、その後のプログレ及びプログレバンドの方向性を示したという点で、このアルバムはすごい。ピンク・フロイドの作品群ですら、クリムゾンのファーストの衝撃には及ばないと思う。

  また、メンバーチェンジを繰り返したバンド(というか、プログレは基本メンバーがころころ変わる)であり、他の有名なプログレバンドとの間でメンバーの行き来をしている(ボーカルがELPを結成したり、イエスからドラマーが加入したり)。そういうわけで、このバンドの作品を聞いていると、幅広くプログレが楽しめる。

レッド』(’74)


レッド

 1作目はハードな面とアーティスティックな面が両立。ギターサウンドを全面に押し出しつつ、芸術性の高い曲も書く。その後のアルバムでも、その傾向は続く。一方で、この『レッド』なんかは、どちらかと言うとシンプルでハード寄りの作品。ハード・ロックとかグランジに近い気もする。加えて、即興音楽の要素も強く出ている。このアルバムに参加している元イエスのドラマーであるビル・ブルーフォードの演奏も見物。彼のドラミングが気に入ったら、後で紹介するイエスも聞いて欲しい。

 とにかくまあ、クリムゾンはデビュー作の完成度がハンパないから、まずはそっちを聞いてみるといい。音楽に対する世界観が変わるほど。

⇒【2】「イエス(’68~) – メロディーとシンフォニー。長期に渡り成功したプログレバンド」