洋楽ロックの歴史と名盤(1) – 60年代

2017年11月4日

サイケデリック・ムーブメントとロックの多様化

ビートルズもストーンズも、みんなサイケデリックだった

 ロックの歴史を語る上で避けて通れないのが、サイケデリック・ムーブメント。説明するのが面倒なのでウィキに頼る。

1960年代後半に発生し流行したロック音楽の派生ジャンル。主に、LSDなどのドラッグによる幻覚を、ロックとして体現化した音楽のことを指す。

引用元:サイケデリック・ロック – wikipedia

 この辺の記事も参考に。

 とにかくまあ、ラリって不思議な曲を書くという一大ムーブメントが60年代後半に興ったというわけ。そこには、あのビートルズやローリング・ストーンズもいた。いたというか、ビートルズなんかはその中心にいて、かなり目立っていた。しかも、サイケデリック時代に発表したアルバムが、世界一のアルバムとして今も語り継がれているほど。つまり、歴史上ロックで最も成功したバンドのビートルズ、彼らの最高傑作、その最高傑作を生み出したムーブメントがサイケデリック・ムーブメントということ。ならば、それを見ないわけにはいかない。

歴史的名盤を遺したビートルズとビーチボーイズ

 サイケデリックムーブメントを語る上で、ビートルズとビーチボーイズの話をしないわけにはいかない。サイケデリックムーブメントは67年あたりが最盛期だったんだけど、その火付け役になったのがこの二組のバンド。もちろん、彼ら以前にサイケデリック・ロックをやっていたバンドはいたけど、ブームの流れを知るには彼らが欠かせない。その辺を軸に、いろいろアルバムを紹介。

『Fifth Dimension』(65) ⇒ 『リボルバー』(66)


Fifth Dimension

 最初期のサイケの1曲が収録されているのがこれ。フォーク・ロックバンド「Byrds(バーズ)」(64~73)の『Fifth Dimension 』。邦訳は『五次元』。内容は綺麗なフォーク・ロック。幻惑的なメロディーや疾走感のあるリズムが目立つ。その中でも、「Eight miles high byrds」という曲がサイケデリック・ロックっぽい。

 この辺の時代のアーティストの曲を聞けば、サイケっぽい作品が他にも見つかると思う。音程を外したようなギターの音、雪崩れ込むようなドラムとベース。その辺にサイケの特徴がよく出ている。アルバムも作品として聴き応えがあり、おすすめ。自分は、以前サイケにはまっていた時期によく聞いていた。

 この作品はまた、ビートルズの『リボルバー』に影響を与えたそう。


リボルバー

 『リボルバー』といえば、サイケ色が出始めたビートルズのアルバム。60年代には、「ある作品がある作品に影響を与えた」っていくエピソードが数多くある。サイケデリック・ロックはそのエピソードを見ていくと面白い。

ラバー・ソウル』(’65)⇒『ペット・サウンズ』(’66)⇒『サージェント・ペパーズ』(’67)


ラバー・ソウル

 サイケを知るにはここから紹介する3枚のアルバムの関係性が超重要。まずきっかけになったのが『ラバー・ソウル』。これはサイケではないんだけど、世界的に影響力のあったアルバム。当時すでにビートルズは世界的なバンドで、オリジナリティもずば抜けていた。アイドルからアーティストへ大きく変化しつつあった時代。

 そのアルバムに影響を受けたのが、アメリカはカリフォルニアのバンド「ビーチボーイズ」。彼らは元々、コーラスやハーモニーが売りのサーフ・ロックと呼ばれる音楽を演っていた。「サーフィンUSA」っていう、初期の超有名曲がある。

 当時アメリカではビートルズが破竹の勢いで活躍しており、人気バンドの一つであったビーチ・ボーイズは対抗心を燃やしていた。そんな彼らが、『ラバー・ソウル』を聞いて衝撃を受け、なんとかそれを超える作品を作ろうと考えた。とりわけ、バンドのリーダーでありメインソングライターのブライアン・ウィルソンは、並々ならぬ意欲をもってアルバムの制作にとりかかる。

 その結果生まれたのが、『ペット・サウンズ』。


ペット・サウンズ

 当時はメディアの評価は低かったものの、有名なアーティストからは多大な評価を受け、今ではロック史に残る名作、それどころか、歴代のアルバムランキングでも1位に入るくらいの評価を受けている。

 このアルバムは意欲作すぎて、また時代を先取りしすぎたために、一般受けはしなかった。しかし、わかる奴にはわかる。ビートルズのメンバーも当然そのすごさに気が付き、対抗心を燃やす。全盛期のビートルズを本気にさせたというだけでも、このアルバムがいかにすごいかがよくわかる。

 そして、ビートルズが翌年に発表したのが『サージェント・ペパーズ』。

 
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

 このアルバムもまた、『ペット・サウンズ』と並んで歴史に残る名作となる。ただ一つ違ったのは、世間にも認められたということ。それも、記録を作るほどの売上で。その辺がやはりビートルズ。芸術性の高いことをやりつつ、ポピュラリティーも獲得する。

 話を戻して、ロックの歴史に残る名作のうち2枚が、サイケデリック・ムーブメントの時に誕生している。その事実だけでも、サイケの重要性がよくわかると思う。

⇒【6】「続々と発表される名作サイケアルバム」