洋楽ロックの歴史と名盤(1) – 60年代

2017年11月4日

ビートルズ(’60~’70)
– 4人編成で自作曲を演奏する「バンド」を世界に定着!

アイドルからアーティストへ

ラバー・ソウル』(’65) / ビートルズのアルバムを初めて聞くならこれ


ラバー・ソウル

 一般的なイメージ「綺麗なメロディーと歌声」のビートルズを聞きたいならこれ。すでに世界中で人気絶頂にあったバンドは、ここからより芸術性を高めた音楽性へと変化する。その狭間にある作品の一つと言えると思う。

 『Beatles 1 』なんかに入ってるみんなが知ってるお馴染みの曲は無いけど、曲のクオリティはすごい。特に、ビートルズ史上でもトップクラスのメロディーを持った曲がいくつか。ビートルズの凄さがわかるし、興味がない人でも好きになるだろう1枚。初心者におすすめ。

サイケデリック時代へ

リボルバー』(’66)


リボルバー

  いきなりこのアルバムを聞くと、結構混乱するかもしれない。「あれ? ビートルズってこんなんだっけ?」なんて 笑。この頃からビートルズの音楽性はどんどん深くなっていく。サイケデリック色が出始めているのもその一つ。

LSDなどの幻覚剤によってもたらされる心理的感覚や様々な幻覚、極彩色のぐるぐる渦巻くイメージ(またはペイズリー模様)によって特徴づけられる視覚・聴覚の感覚の形容表現である。

音楽ジャンルにおいては、独特の浮遊感と超現実的な音作りを基調としたサイケデリック・ロックがある。中期のビートルズも『リボルバー』、『イエロー・サブマリン』、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』にその影響が色濃く反映している。

引用元:サイケデリック – Wikipedia

 海外のミュージシャンとドラッグは切っても切れない関係にある。老若男女が愛するビートルズも、ドラッグをきめた時の感覚を曲で表現。その辺の影響が出ているのがこのアルバム。

 いきなりドラッグなんて言葉が出てきて物騒だけど、誰もが知ってる曲もまあまあ多いこのアルバム。エリナー・リグビーイエロー・サブマリンあたりは誰でも一度は聞いたことがある。

 ちなみに、このアルバムのラストトゥモロー・ネヴァー・ノウズはロックの歴史の中でも最重要な1曲。音楽の話題になるとちょいちょい登場する。例えばこんなの↓

1996年、オアシスノエル・ギャラガーをゲストボーカルに迎えた「Setting Sun」が、シングル・チャートの1位を獲得する大ヒット。ビートルズの楽曲「トゥモロー・ネバー・ノウズ」を現代に蘇らせたと評された。

引用元:ケミカル・ブラザーズ – Wikipedia

 ちなみに、元オアシスのノエル・ギャラガーはビートルズとポール・マッカートニーが大好き。ケミカルブラザーズはダンスミュージックでバカ売れした超有名音楽ユニット。管理人もこの2組は大好きでよく聞く。

「ロック史上最高」のアルバム完成

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(’67)


サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

 サージェント・ペパーズは、ビートルズのアルバムの中でも最も有名、かつ世界で一番有名なアルバムの一つ(!!)。 そんくらい言っていい。ロック界では言わずもがな。歴代ロックアルバムのランキングなんかをやると高確率でトップ3には入る。

【レコーディングアーティストへの転身】

 じゃあ何がそんなにすごいかって言うと、リアルタイムで聞いてない人、音楽の素人にはわからないところが多い(笑)。自分もそう。まず一つは、当時は録音技術が未熟で、今みたいな高音質の録音はできなかった。レコードには音質面で大きな制限があった。そんな中で、いろんな技術を駆使して、革新的な音質での録音を実現。このあたりは専門的な知識がないとちょっとわからない。ただ、それに関連したことをいくつか紹介。

 この頃のビートルズはすでに世界的なアーティストになっていたけど、あまりに人気がありすぎて問題を抱えていた。それは、「ライブができない」っていうアーティストにとって致命的なもの。あまりに過密なスケジュールで体力がもたないってこともあるし、ライブをやっても客はビートルズを見ることが目当てで、曲をちゃんと聞いてくれない。そんな異常事態に対して、ビートルズはレコーディングアーティストの道を選択。質のいい作品づくりを最大の目標にして、スタジオで曲作りに没頭する。そんな中で、音質や録音技術の追求が始まった。その成果がこのアルバムというわけ。

参考:公演旅行の中止とレコーディングアーティストへの変遷 – Wikipedia

【コンセプトアルバム】

  このアルバムが評価されているもう一つの理由は、世界初、正確には世界でほぼ初のコンセプトアルバムという点。

参考:コンセプト・アルバム – Wikipedia

  簡単に言えば、一つのテーマに沿って構成されたアルバムのこと。わかりやすいもので言うと、例えばアルバム全体を通して一つの物語を表現したアルバムなんかがそう。これも、前述のレコーディングアーティストへの転身と関係してる。いずれにしても、ロックの歴史の中で、重要な位置にあるアルバムというわけ。

【ロックテイストの強いアルバム】

 さて、じゃあ肝心の中身はどうなのかといえば、音楽は素人の自分の感想では、やっぱり曲のクオリティが高い。もっと噛み砕いて言うと、格好いい曲、印象に残る曲が多い。曲調で言うと、綺麗なメロディーなんかよりは、ノリがいい曲、リズムとフレーズが格好良い曲なんかが多い。ビートルズのアルバムの中でも、よりロックテイストの強い作品に思う。

マジカル・ミステリー・ツアー』(’67)


マジカル・ミステリー・ツアー

 ちょっと長くなったので、もう一つのアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』はさらっと。これはもともとビートルズの自作映画のサウンドトラック集だったけど、そのクオリティの高さからかなり人気がある作品。自分も大好き。サイケデリック丸出しの作品で、なんとも言えないノリが最高。一度ハマればかなりクセになる。あと、有名曲も多い。表題曲マジカル・ミステリー・ツアーハロー・グッドバイペニー・レイン愛こそはすべてなんかは誰でも知ってる超有名曲。ビートルズ屈指の名曲ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァーも収録。この他の曲もかなり良い。個人的にはビートルズのアルバムの中でもベスト3に入る。このアルバムなんかもビートルズ初心者に聞かせたらちょうど良いのかもしれない。メロディーも綺麗だし。

早すぎる解散

アビーロード』(’69)


Abbey Road

 中身よりもジャケットとアルバム名が有名なアビーロード。これは後期の作品で、翌年にビートルズは解散。その後メンバーはソロ活動に入っていく。解散の理由は簡単に言うとメンバーのまとまりが薄れたこと。その影響かどうかはよくわかんないけど、ジョージ・ハリスンの曲が多く収録されていたり、アルバムの後半はポール主導でつくったメドレー形式になってる。はっきり言ってまとまりはない。でも、クオリティがすごい。さすがビートルズ。

 ベストアルバムとかシングル曲しか知らない人からすれば、このアルバムは「暗い」って感じるはず。一方で、有名曲も多い。カム・トゥゲザーサムシングオー!ダーリンヒア・カムズ・ザ・サンユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネーあたり。全部一度は聞いたことがあるはず。このうちサムシングとヒア・カムズ・ザ・サンの2曲はジョージの傑作。

 このアルバムはとにかく、ジョージの名曲とポールのメドレー。もちろん、ジョンレノンも相変わらずすごい。ジョン作のカム・トゥゲザーなんかは超格好良いし、これまで幾多のアーティストにカバーされてる。つまりは、各メンバーの個性がどんどん際立ってきて、収集がつかなくなってきた。そんな解散直前のアルバム。解散後、メンバーはそれぞれソロ、独自のバンドをつくって、名作を世に送り出すこととなる。どのメンバーもソロで歴史に名を残しちゃうくらいだから、ビートルズがいかにすごいバンドだったかがよくわかる。

⇒【3】「ローリング・ストーンズ(62~) – ストーンズの歴史はロックの歴史」