洋楽ロックの歴史と名盤(5) – 2000年代

2017年11月4日

ガレージロックとリバイバルブーム

 さてようやく21世紀に入る。21世紀はオルタナの流れを汲んでいる。そこに、ガレージロック・リバイバルなど、過去の流行のリバイバルブームが起こる。ただ、それらはオルタナでひとくくりにすることが多い。そこを念頭に置きつつ、まずはガレージロックおよび、ガレージロック・リバイバルについて。

ガレージロックとは、ガレージ(車庫)で練習するアマチュアバンドが多かったことに由来する名称である。現象的には、1960年代前半におけるビートルズローリング・ストーンズザ・フーキンクスなどのイギリス出身バンドによる、いわゆる「ブリティッシュ・インヴェイジョン」の強い影響を受けたアメリカの若いバンド群主導による、初期のロックンロールへの回帰の要素が強い草の根的ムーヴメントである。

引用元:ガレージロック – Wikipedia

 引用元にあるように、ガレージロックは元は70年代頃におこった、クラシックなロックへの回帰的な動きのこと。これはどの時代というわけでなく、これまでの歴史の中で幾度と無く繰り返されてきている。有名なのは70年代後半のパンクムーブメント。パンクの誕生の経緯を見ると、当時はロックが複雑化、商業化、あるいは大衆化しすぎており、その反動としてシンプルかつ攻撃的、反体制的なパンクが誕生した。

 元々ロックはメジャーなものでなくマイナーなもので、アメリカでは黒人が、イギリスでは労働者階級の若者といった人たちのもので、権力や体制への抵抗、いわゆるカウンターカルチャーだった。それが時代を経てどんどんメジャーなものになっていって、当初の精神性など忘れ去られてしまった。その上、70年代のロックは、多くのバンドは商業的な成功を手にしており、歌う内容は大衆的なもの。プログレなんてジャンルもあったけど、それは裕福でインテリな大学生向けのものとなっていた。そこに風穴を空けたのがガレージロック的な精神を持ったパンクだったというわけ。

ヒップホップ・R&Bへの対抗

 では、リバイバルの時はどうか? ガレージロック・リバイバルは2000年代に起こったものと考えていい。その頃のポピュラー・ミュージックといえば、ロックというよりもヒップ・ホップR&B。特にアメリカではその傾向が強かった。一方、イギリスでもそれらの音楽があったし、もう一つ難解で内省的なロックがあった。例えばレディオ・ヘッドなんかが有名。ジャンルは電子音楽、前衛音楽であり、社会問題などをテーマにしたコンセプトアルバムを発表。それが世界的にヒットしていた。レディオ・ヘッドの音楽はすごいけど、クラシカルなロックとは音楽的にかけ離れていた。ヒップ・ホップなんかは、精神性ではロック的だったけど、音楽としては全くの別物。それらの音楽に対して、今一度ロックの原点に帰ろうと言う動きが出てきた。表現方法はそれぞれだけど、共通する点として、バンドサウンド主体のシンプルなロック、パンク、ハード・ロックといった音楽性がある。

ガレージロック・リバイバルのバンド

【イギリス】
【アメリカ】

 ご覧のようにいろいろなアーティストがいるけど、この中でもストロークスの存在は大きい。ストロークスが2000年に無駄な音を排除しつつ、都会的な洒落たサウンドのアルバムを発表し、リバイバルブームの火付け役となった。特にイギリスでの影響が大きく、フォロワーとしてフランツ・フェルディナンド、音楽性は異なるけどアークティック・モンキーズもそう。

 もう一つ、こちらもアメリカのバンドホワイト・ストライプスも存在感がある。彼らはデュオであり、ボーカル・ギターとドラムという編成。加えて、ハード・ロック的な曲調が多い。それも、どちらかと言えばブルースからの影響が強く出たハード・ロック。シンプルな音とルーツ・ミュージックの流れを汲むということで、まさにガレージロック的。アークティック・モンキーズなんかは、むしろ彼らと音楽性が近い。

 というわけで、アメリカで革新的なバンドが誕生し、そこにイギリスでフォロワーが出たという流れ。これらのバンドの共通点として、演奏力が高く、デビューした時点で完成度がかなり高い。どれを聞いてもまあ外れはない。21世紀はクオリティ高し!

【オルタナ、その他】

 あとはアメリカのビッグバンドなどなど。リンキン・パークはあらゆるジャンルを取り入れてる。とりわけ目立つのは、メタル・ハード・ロックとラップの融合。ノンジャンルで時代にとらわれないということで、オルタナティブ・ロックに分類される。

 フー・ファイターズはよりシンプルなハード・ロック。ニルヴァーナの元ドラマーがフロントマンであり、その影響もあってかパンク的、グランジ的な曲調。ただ、ポップだし、明るいし、前向きな印象。日本のファンも多いし、グラミー賞の常連、加えて「実績から言えば完全にニルヴァーナ超えたじゃん。すげえ」ってことで、おすすめ。

⇒page3「2000年代~2010年代のおすすめアルバム」