「アウトレイジ 最終章」のあらすじ・解説

2017年10月4日

韓国マフィアと日本の巨大暴力団が、かつての因縁を巡って衝突。
日韓を股にかけた大抗争へ!

アウトレイジ 最終章(サウンドトラック)

「アウトレイジ 最終章」のあらすじ

 東西の巨大暴力団、山王会(関東)と花菱会(関西)の抗争後、韓国へと渡った大友(ビートたけし)は、日韓を股にかけるフィクサー張大成(金田時男)の下に身を寄せていた。そんな中、花菱会の幹部である花田(ピエール瀧)は、取引のためにやってきた韓国でトラブルを起こし、張会長の部下を殺してしまう。大友は舎弟である市川(大森南朋)から連絡を受け、相手が因縁のある花菱会の幹部であると知る。花田は部下にトラブルの処理を任せ、帰国してしまうのであった。

 一方、日本では花菱会が裏社会を事実上仕切っていた。山王会はかつての抗争でその勢力を大きく落とし、形だけ存続しているような状況であった。しかし、そんな花菱会も内部では亀裂が生じ始めていた。新たな会長の野村(大杉漣)は、元証券マンで前会長の娘婿であり、組の古参である若頭の西野(西田敏行)や中田(塩見三省)は彼を快く思っていなかった。野村もまた、そんな二人の幹部を追い出そうと策を講じていた。

 そんな中、花菱会に韓国でのトラブルの情報が入る。西野は自分の部下である花田がトラブルの原因であると知り慌てふためき、野村はこれに乗じて、中田を利用して西野を貶めようと画策。しかし、西野はそれを察知し、中田と共に反乱を起こそうと考えるのであった。

 その後、韓国の張の元に、花田の部下である丸山(原田泰造)が刺客として向けられる。時を同じくして日本へ帰国していた大友と市川は、その情報を耳にする。かつての抗争で最前線で体を張った末、花菱会に使い捨てにされて死んだ木村のことも合わせて、大友はついに激怒。後先考えずに花菱会へ喧嘩を売ることにしたのだった。

 

「アウトレイジ 最終章」みどころ

 アウトレイジ最終章の見どころは、さらに豪華さを増した出演陣だ。前作の時点でこれ以上ない豪華キャスティングとなっていたが、ここに北野映画でおなじみの大杉漣(「ソナチネ」「キッズリターン」「HANA-BI」「BROTHER」「Dolls」「TAKESHIS’」「監督ばんざい」「アキレスと亀」)、岸部一徳(「その男凶暴につき」「座頭市」)が参加。これまでの映画の集大成とも言えるキャスティングだ。物語の中心にある花菱会の幹部をこの二人が務めることで、花菱会をより厄介な組織に仕立て上げている。

 また、全二作と比べると、今作での大友は向こう見ずで死を恐れない存在となっている。1作目では抗争に巻き込まれ追い詰められながらも、出頭することで生き残る道を選択した。2作目でも、立て続けの抗争に疲れてしまい、争いはもういいと言って韓国へと渡った。そのたび激しい抗争を引き起こしながらも、あくまで生き残り続けた大友だった。

 しかし、今回は死んでもいいという姿勢で花菱会に喧嘩を売る。公開前の監督のインタビューを見ると、「今作は乾いた作品になる」「ソナチネのようになる」と語っている。北野監督の初期の名作「ソナチネ」は、親分に見捨てられたヤクザが沖縄で逃避行し、死を感じながらも海辺の隠れ家に部下数人と逃れ、浜辺で遊びに興じるという内容だ。「どうせ死ぬんだ」という半ば諦めた雰囲気が全体を包む作品だ。

 監督の「ソナチネになる」という言葉が、この映画でどのような形となって現れるのか? 北野映画のファンにとっては、非常に楽しみなところだ。

 シリーズごとに興行収入が上昇したアウトレイジシリーズ。今作はぜひとも前作を超え、「座頭市」に迫るヒットを期待したい。