「アウトレイジ」のあらすじ・解説

2017年10月1日

落ち目のヤクザと警察官と巨大組織の
だまし合いと潰し合い!

アウトレイジ

「アウトレイジ」のあらすじ・相関図(前半)

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 関東一の巨大暴力団「山王会」。直系の二次団体「池元組」とバーや麻薬でシノギを上げる独立団体「村瀬組」が親密になっていることを快く思っていなかった。そこで、両団体の仲違いを画策する。

■1.~1-4.

 山王会会長の関内と若頭の加藤は、池元・村瀬組を仲違いさせようと、池元組長の池元に「村瀬をシメろ」と無茶な要求をする。困った池元は大友組に依頼。組長の大友は、一般人を装った組員を村瀬組の経営するぼったくりバーに引っかからせ、因縁をつけることにした。

 後日、村瀬組の若頭木村は大友組の事務所に謝罪に訪れるが、大友に無茶な要求をつきつけられた挙句、怪我を負わされる。キレた木村は暴走し、大友組員を殺害。結果、大友組と村瀬組が抗争状態となる。

■2.~2.4 

 山王会の加藤は、池元らに今回の件のケジメをつけるよう指示。池元は大友に村瀬を襲撃するよう指示する。

 面倒を押し付けられることに不満を感じつつ、大友は歯医者にて治療中の村瀬を襲撃。残虐な方法で痛手を負わせる。恐れをなした村瀬組は解散へ追い込まれ、シマは大友の物となる。その後、大友組の金庫番でインテリヤクザの石原は、村瀬のシマの大使館に目をつける。大使を脅し、治外法権を盾に闇カジノを始め、大金を手にする。

■3.~3-2.

 一方、解散したはずの村瀬が裏で麻薬取引をしていたことが発覚。池元は大友に村瀬を殺すよう指示。またしても面倒を押し付けられた大友だが、困惑しつつもサウナにいた村瀬を仲間共々銃殺する。

■4.~4-2.

 ところが、関内が池元に「大友を破門しろ」と指示。「村瀬を殺したケジメをつけろ」という、理不尽な理由であった。

■5.

 当然大友は激怒するも、指を詰めて山王会へ一人向かい、関内に陳情することに。すると関内は、「破門などしていない。池元が勝手にやったことだ」「池元は好きにしろ。お前と盃を交したい」などと言い、大友をそそのかすのであった。

 

「アウトレイジ」のあらすじ・相関図(後半)

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■1.

 関内の言葉にその気になった大友は、これまでの鬱憤を晴らすかのように、池元を惨殺する。

■2.~2-3.

 組長の首をとられた池元組。若頭の小沢に、山王会は「親の仇をとってお前が組長になれ」と焚き付ける。

 情報を聞きつけた刑事の片岡は、大友組の連中に「小沢が抗争を仕掛けるぞ」と告げる。追い詰められた状況で、組の金庫番である石原は「小沢に殴り込みをかける」と言い残し、姿を消す。

■3.~3-3.

 山王会の協力もあり、小沢と組員は次々と大友組の連中を殺害する。大友を慕っていた若頭の水野は、あらかじめ大友が逃がしていたのだが、逃亡中に組員に拉致され、無残にも惨殺されてしまう。

 幹部連中を皆殺しにされた大友に、刑事の片岡は出頭するよう促す。大友は観念したように提案を受け入れるが、片岡は自身の手柄と出世しか考えていなかった。

 間もなく刑務所に入った大友。運動場のベンチで休憩していたところ、横に座った男に腹を刺される。男は、抗争の途中で姿をくらました、元村瀬組の木村だった。

■4.~4-2.

 邪魔な組を潰し、シマも奪い取った山王会。小沢を新たな組長に任命する場で、加藤は小沢を射殺する。それを笑顔で見つめる関内。しかし次の瞬間、加藤は銃口を関内に向け、そのまま射殺してしまう。

 騒ぎを聞きつけた組員が駆けつけたところで、加藤は一芝居打つ。「小沢が会長を撃ったため、そのまま銃撃戦になり、会長は死んでしまった」と。

 自分が殺されること以外は思い通りだった関内。そして、関内の席を虎視眈々と狙い、ついに実行した加藤であった。

■5.

 後日、会長の座を手に入れた加藤の傍には、大友組の金庫番であった石原がいた。そこに、刑事の片岡がやって来る。自身は出世し、山王会とのパイプ役の後任として、若い刑事を紹介する。

 殺し合いをさせて、会長の座まで奪った加藤。そしてまた片岡も、まんまと手柄をたてて思い通りに事を進めたのであった。

「アウトレイジ」の見どころ、総括、感想

 アウトレイジの見どころは、何と言ってもビートたけし演じる主役の落ち目ヤクザ「大友」。

 巨大組織の三次団体の組長で、自分より年下の二次団体の組長「池元」に好き勝手される毎日。組のシノギも池元に手を付けられ、面倒なことは全部押し付けられ、その見返りの金も池元の懐に入る。しかし、親団体の組長池元には逆らえない。

 池元を演じる國村隼の演技も実に嫌らしくてたまらない。狡猾で二枚舌、自分の手は汚さず欲しい物を手に入れるという、なんとも憎たらしい人物。アウトレイジシリーズでは同じく憎たらしい警察官役の小日向文世の演技が称賛されているが、それに負けず劣らず。

 話を戻して、憎たらしい連中に好き勝手やられ、そのたび苦い顔をして何も言わない大友。うだつの上がらない中年サラリーマン、あるいは家に居場所のないしょぼくれたサラリーマンのようで、なんともみじめ。

 嫌々ながらも村瀬を襲い、殺し、挙句の果てには破門と言われ、さすがの大友も怒り始める。しびれを切らして大親分に直訴するも、そこで嘘をつかれてそそのかされる。これらの諸々のことに鬱憤が貯まり、ついにそれが後半で大爆発(≒outrage(アウトレイジ/憤慨))する。

 一方、大友の組員もキャラクター性が充実している。大友が最も信頼している、椎名桔平演じる若頭「水野」は、この映画を見ると男でも惚れてしまう。武闘派で組長に従順、上下関係に厳しい、いわばスタンダートなヤクザ。二枚目の椎名桔平が演じることで、その魅力が倍増している。一作目で死なせてしまったのが実に惜しい。もっと見たかった。

 それから、後半および次作でキーマンとなる金庫番の石原。ヤクザには似ても似つかない加瀬亮がインテリヤクザを演じると言うのも、非常に面白い。

 そんなわけで、「アウトレイジ」はシンプルでスマートなストーリー&魅力的なキャラクターという、非常にまとまった作品という感想。初期の北野映画の雰囲気を感じさせつつ、次作以降のエンタメ性も兼ね備えており、北野映画入門としてもおすすめできる作品だ。