MLB・プロ野球のGM(ゼネラルマネジャー)とは?[意味,役割,仕事内容]

2017年11月10日

baseballby Andrei!

MLB・プロ野球のGMとは? – もくじ

  • GM(ゼネラルマネジャー)とは何か?
    • GMの役割は何か?「オーナー」「GM」「監督」の違い
    • 役割分担は「責任の所在の明確化」のため
    • 日本プロ野球でのGMの例
    • 日本プロ野球でのGMの問題
    • 落合GMは何を示したか?

GM(ゼネラルマネジャー)とは何か?

GMの役割は何か?「オーナー」「GM」「監督」の違い

 最近では日本のプロ野球でもよく耳にするようになりましたが、メジャーリーグとプロ野球では少々事情が異なります。ただ、近年は日本もメジャー流になりつつあるので、まずはメジャーの方を見ていきましょう。

【メジャーリーグにおけるオーナー・GM・監督の違い】
  • オーナー(or球団社長)
    予算の調達、球団経営(企業の社長として)
  • GM(ゼネラルマネジャー)
    • チーム編成:選手(ドラフト・トレード)・コーチの人事権。
    • 契約更新・トレードでの交渉力、チーム編成における経営感覚、選手能力を見る能力(データ分析力など)
  • 監督
    選手起用、現場の指揮

 簡単に言えば、オーナーが金を出し、GMがその金で選手やコーチを集める。そして、監督が集められた人材をつかって現場の指揮をする、というわけです。メジャーリーグではこの役割分担がはっきりしています。ただし、近年はGMにかかる負担が大きくなり、GM如何によってチーム力が大きく変わることなどが議論の対象となっています。

役割分担は「責任の所在の明確化」のため

 オーナー(球団社長)、GM、監督の役割が分けられているのは、責任の所在をはっきりさせるためです。そして、原因をはっきりさせることでチームの強化につなげるためです。

【チームが弱いのは誰のせい?】
  • お金が足りなかった=オーナーの責任
  • 良い選手を集められなかった、補強が失敗した等=GMの責任
  • 現場の起用法がまずかった=監督の責任

役割がはっきりしていることで、どこを直せばいいかわかります。「少ない戦力でやりくりしたが、どうしても選手が足りない。もっとお金を出してくれ」となれば、オーナーに責任を追及できます。もっとお金を出していい選手を取ってくれとなります。

 「金をかけて取った選手が活躍しなかった」となれば、GMの責任になるでしょう。監督の責任もあるように思いますが、この辺は状況によって変わります。誰が見てもその選手に対して高すぎる対価を払っていれば、責任は明確でしょう。他にも、「あのコーチ無能じゃないか!」という時も、GMの責任でしょう。

 そして、「金も選手も充分だったのに、なんで負けたんだ!」「なんで打たない選手を起用するんだ」という時は、当然監督の責任です。

日本プロ野球でのGMの例

 日本では野球界に限らず、社会全体で責任の所在を不明瞭にする文化があります。そのために、スポーツ界でもGMの導入などが遅れていました。現在日本のプロ野球でGM制を明確に導入しているのは、かつてはファイターズで、そして現在はベイスターズでGM職に就いている高田繁氏。日本ハムファイターズの吉村浩氏、楽天のシニアアドバイザー・球団副社長として実質的にGM職につく星野仙一氏などが有名です。

 メディアなどの情報を見る限り、これらのGMの方は役割が明確で、越権行為などの問題も見られないです。これはオーナー企業の性質も関わっています。どのチームも近年球団改革を積極的に進めてきたチームであり、メジャーリーグの経営を参考にし、効率的・健全な球団運営を志向しているからです。

日本プロ野球でのGMの問題

 一方で、かつて日本でGMが導入された際に、チームの人事権担当であるGMにも関わらず現場へ介入(監督の権限への抵触)したり、あるいはオーナーがGMの役職に介入したりと、問題が起こりました。(参照:「広岡達朗-ロッテGM時代」「渡邉恒雄の告発と解任」共にwikipedia)日本でGMという役職が理解されていないことや、組織における日本特有の文化がその原因でしょう。

 こういう時にいつも例に出されるのは読売ジャイアンツです。ジャイアンツの問題はGMの問題というよりも、オーナーである渡辺恒雄氏の越権行為、というよりも独裁体制です。オーナーでありながら現場に介入し、チームが負ければ有無を言わさず監督・コーチを首にする。それでも無理やり良い選手をドラフト・トレード等で強奪し、戦力を増強してきました。もはオーナー兼GM兼監督といったところです。

 近年はジャイアンツもGM職に力を入れていますが、なかなか定着しないのが現状です。球団社長の解任劇なども記憶に新しいでしょう。良い意味でも悪い意味でも、読売ジャイアンツは昭和のプロ野球界の象徴というわけです。

落合GMは何を示したか?

 日本ではGMが浸透していないため、度々誤解が生じます。例えば落合博満氏がGMになってから、中日は低迷が続いています。GMの役割を考えると確かに責任を追及できそうな気がしますが、他の視点から見るとそうとは言い切れません。

 落合GMが果たした最も大きな功績は、選手年棒を押さえたこと、つまりは経費削減です。初年度で8億もの経費削減を実施、3年間で20億近く総年棒を下げました。元監督による圧力という批判もありますが、球団赤字に苦しむオーナーは、そもそも「経費削減による戦力増強」のために落合氏を招へいしました。一方で、チームはBクラスが続きます。ドラフトやトレードの失敗、現場監督とのコミュニケーション不足などが問題としてあげられていました。

 経営能力としては、当初求められていたことは果たした。しかし、戦力を整えることはできなかった。落合氏のGM職は、ある意味でGMの役割を再確認する良い例だったのかもしれません。