Oasis(オアシス)まとめ【おすすめアルバム,名盤,レビュー】

2017年11月12日

60’s/70’sへの回帰。クラシック・ロックとサイケデリック・ロック。

Don’t Believe the Truth』(‘05,6th)


Don’t Believe the Truth

 今作は60年代・70年代のクラシック・ロックへの回帰。オアシスといえば、初期のブリットポップ時代の隙間のない音が特徴だったけど、このアルバムでは一転。シンプルな音作りで、そんなに音を詰め込みすぎてない。逆に、音と音の隙間に、時折アクセントを加えている感じ。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとか、ローリーング・ストーンズっぽい曲があったり、シンプルで古典的な音。「Lyla」#3なんかは、日本でもヒットした曲で、非常に聴きやすい。

 もう一つ、このアルバムではバンドメンバーが曲作りに積極的に参加している。それまでメインソングライターのノエルが大半の曲を書いていたのが、他のメンバーとで半々くらいのバランスになっている。特に、アンディ作曲の「Turn Up the Sun」#1は名曲。また、「Guess God Thinks I’m Abel」#7では、リアムの作曲能力の向上が伺える。他には、ザック・スターキーがドラマーとして加入。リンゴ・スターの息子で、キース・ムーンの弟子という、まさにサラブレッド。実力も高く、次作で素晴らしいパフォーマンスを見せる。

 今作はオアシスが久しぶりにメディアから評価された作品。ファンの間でも名作と評されている。確かに、前半の流れは素晴らしい。後半のノエルの曲も素晴らしい。ただ、全盛期と比べると後半の勢いが少し足りない気がする。いろんな曲を聴きたいってんなら満足だろうけど、個人的にはノエルの曲さえ聴けたらいい。そういうわけで、まずまずのアルバム。

 

Dig Out Your Soul』(’08,7th)

Dig Out Your Soul

  結果的にラストアルバムになってしまったのが今作。前作と比べると、音にいろんな色づけがしてある。基本はサイケデリックなんだけど、4枚目とくらべればこちらの方が断然ヘビー。加えて、ドラムやベースのフレーズの繰り返しが多様されて、リズミカルな音作りになっている。ちょうどケミカル・ブラザーズのような、ダンスミュージックのノリも持つ。とりわけ、シングル曲の「The Shock Of The Lightning」#4が象徴的で、こちらはキャリアを通じての名曲。ザック・スターキー全編通して音をかなりいじっているけど、上手くまとまっている。「3rdの時にこれができていれば……」と思ってしまう。

 個人的にはかなり面白いアルバムなんだけど、評価はまたイマイチ。商業的には成功するし、他のアーティストからも評価され、世界中で幅広く聞かれているのに、いつも何かと批判されるバンド。それがオアシス。「批判されるのは注目されている証拠」なんて言うけど、それにしても批判されすぎ。

 まあ確かに、前作と同じく前半は良くて後半ダレる。ノエルの曲は#7以降なし。今作をラストにオアシスは解散、ノエルはソロの道を歩むことになるが、個人的には大満足。ようやくバンドのコントロールから逃れ、作品作りに専念できた。実際、オアシスの後期より、ノエルのソロ作の方が断然良い。まあでも、良いアルバムなので、おすすめできる。

2009年にバンドは解散。メンバーはソロと新バンドへ

【明暗分かれたノエル・ギャラガーとビーディー・アイ】

  それはそうと、オアシスはベテランの域にようやく入ったかなあというところで、内輪もめで解散。直接的な原因は……例えばリアムのボーカリストとしての能力の低下とか、いつもの兄弟喧嘩とか、個々のメンバーの能力が向上してきたからとか、いろいろ考えられる。結果として、解散後のメンバーは「ノエルとその他」に分かれる。はじめに動き出したのは、弟のリアム主導で結成されたバンド「ビーディー・アイ」。 2009年から活動し、2011年と2013年にそれぞれアルバムを発表し、2014年に解散。このバンドは正直言って……イマイチ。シンプルなUKロックを標榜していたけど、単調な曲ばかりでつまらない。イントロとメロディー部分はいいんだけど、サビが決まらない。インパクトに欠ける。そんな感じ。

 一方、ノエルも2011年にファーストソロアルバムを 発表。こちらはオアシス時代の総決算とも言える充実の内容で、メディアからの評価も高く、商業的にも大成功。「オアシスはノエルで持っていた」と再認識させられるアルバム。初期のメロディアスな曲もあれば、後期に見せたシンプルでクラシカルなロックもあり。オアシス時代のデッドストックもありと、オアシスファンは絶対聞くべきアルバムになってる。ちなみに、セカンドも2015年に発表され、こちらも素晴らしい作品。「オアシスは解散したけど、ノエルがいるから全然大丈夫」ってファンも結構多いと思う。自分もその一人。本人が引退したいとか言う話がない限り、少なくともこ の先10年は楽しませてくれること間違いない。そんな安心のアーティスト。オアシス再結成の噂なんかは毎年のように囁かれているけど、正直再結成する必要ないんじゃないか、って思ってしまう。

 

⇒page4「ノエル・ギャラガーのソロの時代へ」

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Posted by hirofumi