「文学界新人賞」の傾向と対策[小説の書き方/新人賞]

2017年11月8日

芥川賞への近道!原稿用紙100枚・締切年2回の人気の賞!

文学界 2014年 03月号 [雑誌]

・「文學界 」(Amazon)

もくじ

文学界新人賞の応募要項

  • 【主催】:文藝春秋 【掲載雑誌】:文學界
  • 【枚数】:400字詰原稿用紙100枚程度。
    ※ワープロ原稿の場合は、A4判の用紙に印刷、400字詰換算の枚数明記
  • 【締切】:6月30日/12月31日(年2回
  • 【発表】:「文學界」12月号/6月号
    ※11月号/5月号にて予選結果発表
  • その他注意:
    原稿の表紙に題名、枚数、筆名、本名、住所、電話番号、メールアドレス、年齢、現職、略歴を明記。右肩を綴じる。

(参考:「文藝春秋-文學界新人賞原稿募集」)

  • 過去の受賞者から芥川賞受賞者を13人輩出
  • 新人賞の中では原稿用紙100枚程度と短め、年2回の開催とあって人気のある賞

(参考「ダ・ヴィンチ渾身 本気で小説を書きたい人のためのガイドブック (ダ・ヴィンチ ブックス) 」)

 

文学界新人賞の選考プロセス

大まかな流れ(6月募集の場合)

  1. 数人の編集部員で原稿を手分けして読む(1人200本ほど。2ヶ月間。)
  2. 候補作をプリントし、9月半ば頃までに選考委員に送る
  3. 10月半ばに最終選考回が開催
  4. 11月始め発売の文學界にて発表

(参考:「あなたも作家になれる 」第四章)

下読みから最終選考までの流れ

  1. 【下読み】
    編集部が選んだ「下読み」と呼ばれる人に依頼し、各原稿にランク付けをしてもらう(2週間ほど)
  2. 【一次選考】
    編集部員が1人200本ほどずつ原稿を読む(応募総数は1500前後)
    高橋一清さん(元文藝春秋編集者)の例
    ・冒頭の10枚を読んで、それ以上読みたいと思わなかったものを外し、2/3ほどに絞る。
    ・日に3本ほどずつ精読し、ランク付け。
    ・上位5本くらいを選び、編集部全員での「輪読」へ回す
  3. 【二次選考】
    二人一組で3つのチームを作り、チームごとに与えられた作品を読み、絞っていく。その上で、残ったものを最後で全員で読んでいく。
  4. 【最終選考】
    選考委員(通常はプロの作家)により受賞作が決定

 (参考:「あなたも作家になれる 」第四章)

 

新人賞を通過するための条件

 文藝春秋で編集者として活躍してきた高橋一清さんの著書「あなたも作家になれる」では、「第四章 新人賞通過のための条件」として、いくつかポイントをあげています。その中から気になったものをいくつか紹介します。

  • 出し惜しみしている作品は弱い
    これを書いたら自分は終わりだ、私の全てだ、書き終わったら死んでもいい、明日がなくてもいい。それくらいの気持ちで取り組んで欲しい
  • ストーリー構成・伏線・タタキ
     一行目を「雨が降っていた」で始めたとして、以降、その雨が一度も出てこず、(中略)「はて、あの雨は何で登場したわけなのだろう」と、首を傾げさせながら読み続けさせるような作品は、そもそも読んでいて、作品の世界の中へ入り込めなくなる。
     また、登場人物が、急を要して、どこかへ駆けつけるとき、それをはばむように、いきなり雨を降らせて足止めを食らわせ、物語を盛り上げるというのも、作為的過ぎて、作者のご都合主義のように読めてしまう。
     とはいえ、どうしてもそこで雨の場面を入れたくなった、話の中で必要になった、(中略)その場合は「タタイテおく」。雨が必要ならばその伏線となるようなものを前に遡って入れておく。これを「タタイテおく」と小説書きや編集の技術用語で呼ぶ。(中略)
     そして、人が突然死ぬといった、偶然を伴い、かつ劇的な効果をもたらす出来事を入れたいときは、できるだけ前の方で伏線の場面を出しておく。予兆すら感じられなかったシーンが後半になっていきなり出てくるというのは、これもご都合主義で、物語を無理に終わらせるために入れたかのように読めてしまうからだ。
  • あなたの作品が最終選考で落ちる理由
    文そのもので人をうならせて受賞できる新人というのは、二十年に一人、出るか、出ないかぐらいの滅多にない確率なのだ。勝負は題材にある。それも、選考委員にとっての未知の世界がそこにめくるめいているかどうか、なのである。
  • 書き終えるまでは「うぬぼれ」、読み返すときは「謙虚」に
     書き終えた原稿はすぐには読み返さない。一週間ほど寝かせておく。(中略)
     原稿に休んでもらっている間に、できるだけ素晴らしい名作を読んでおく。自分が書いたものが野球小説なら、野球小説のジャンルで金字塔とされているような先行作を読む。同じようなテーマを扱っているものを一作でも二作でも多く読み切る。(中略)
     読むときは先輩の作家がどう書いているか、その上手いところ、難所を切り抜けたところなどに注意して読み進む。
    (中略)
     こうして直したあとも、すぐには出版社へ送らない。(中略)
     さらに一週間ほど寝かせておいて、もう一度読む。(中略)
     それを二回、三回と繰り返す。