読者を惹きつける要素は何か?[小説の書き方/構成]

2017年11月8日

小説にアクセントをつけるには?

 小説で読者を惹きつけるためには、小説にアクセントをつける必要があります。テーマ、ストーリー、キャラクター、描写など、アクセントをつけるところはいろいろ考えられます。ここでは、個々の要素にとらわれず、全体の構成から小説にアクセントをつける方法を考えていきます。

本能的な部分に訴えかける

 読者を惹きつけるには、人間の本能的な部分に訴えかけるのがポイントです。例えば恐怖、欲望、危機感といったものは、どんな人間でも持っている本能です。これを小説の中に登場させれば、読む人は自然と惹き付けられます。より具体的な方法について、「シナリオの基礎技術 」を参考に見ていきます。
(「シナリオの基礎技術」のレビューもあるので、気になる方はどうぞ→「シナリオの基礎技術」のレビュー①(小説の書き方/ストーリー・プロットの書き方)

 

  • 死(身の危険)、災難
     死については、見たものが恐怖や悲しみを感じるため、思わず惹き付けられます。怪我や病気もここに入るでしょう。また、災難には自然災害、人間同士の争い、社会的な災難(戦争や不景気)、金銭的な災難などがあります。
     戦争もの、不治の病にかかった人物の物語などが古今東西たくさんあるのを見ても、効果的であることがわかります。自然災害についても、SF映画で地球が消滅の危機に陥るものなど、昔からたくさんあります。
  • 暴力・犯罪
     人間は破壊衝動というものを持っていて、暴力や犯罪を起こしてしまう危険性を持っています。現実でそれをしては罪に問われますので、芸術の中で表現することがあります。また、暴力や犯罪を客観的に見せられると、驚き、恐怖、罪悪感を受けるものです。いずれにしても本能に訴えかけるものであり、、見るものを惹き付けます。
     具体例としては、北野武監督の映画があります。北野映画を見たことのない人でも、「ヤクザもの」「暴力もの」というイメージはあるでしょう。

  •  これも古今東西のいろいろな作品を見れば説明は不要です。生き物としての本能であり、条件反射的に惹き付けられてしまいます。暴力も性もそうですが、単に人を惹きつけるだけでなく、上手く使えばそれを芸術にまで高めることができます。
  • ホラーオカルト

「小説にインパクトや特徴が無い」と感じた時に、アクセントを付けてみる

 先ほどあげたものは、そのまま作品のテーマとしても良いですし、ストーリーの中心に置いてもいいでしょう。また、ストーリーやキャラクターがしっかり書けているのに、何かインパクトが足りないと感じた時に、ちょっとしたシーンなどにアクセントをつけてみるのがおすすめです。

重要なのは「どう表現するか」

 災難、暴力、性などははっきり言ってしまえばありきたりで、使い古されたものです。そんなものを使ってまでアクセントを付けたくないと思うかもしれません。しかし、あくまで本能に訴えかけて、読者を惹きつけることは間違いありません。大切なのは、使い古されたものをどう表現するかだと思います。これまでにない表現の仕方ができれば、それが作品の一番の特徴になる可能性を秘めています。


 例えば北野武監督は、「暴力」というものをそれまでにない表現で使用し、それが映画の代名詞にまでなっています。
 他にも、「性」を表現する場合でも、現在は昔と比べて性が開放的になっています。単純に性的な描写をするだけではインパクトはありません。それならば、性が開放的な時代に、あえて結婚まで肉体関係を持たない男女を描いたらどうでしょうか。

 また、「オカルト」の要素を使う場合の表現方法はどうなるでしょうか。オカルトについては、時代が進むに連れて科学が発展してきて、これまでオカルトとされていたことの真偽がどんどん明らかになってきています。それならば、最新の科学の知識の上に立って、その先にある新たなオカルトを考えても良いでしょう。合理的で科学的なオカルトを描けば、斬新な表現となるでしょう。また、時代を逆行するように、明らかに非科学的な要素をあえてそのまま作品に盛り込ませるのもいいです。