ノエルギャラガー(Noel Gallagher)まとめ[おすすめアルバム,名盤名曲,レビュー]

2018年3月8日

安定の「全作名盤」!
稀代のメロディーメイカー!


The Biography NOEL GALLAGHER

もくじ

<ノエル・ギャラガー[プロフィール]>
<アルバム一覧・解説>
  • ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ』(2011)
    ☆☆
  • チェイシング・イエスタデイ』(2015)
    ☆☆☆
  • フー・ビルト・ザ・ムーン』(2017)
    ☆☆

オアシスまとめ

洋楽ロックまとめ

ノエルギャラガー[プロフィール]

基本情報

デビュー:1994年(オアシス)/2011年(ソロ)
出身:イギリス(マンチェスター)
ジャンル:

ロック、サイケデリック・ロック、オルタナティブ・ロック

影響:

ビートルズ、セックス・ピストルズ、ザ・フー、ローリング・ストーンズ、ザ・スミス、ストーン・ローゼズ、デヴィッド・ボウイなど

同時代のアーティスト等:

ブラー、レディオ・ヘッド、グリーン・デイなど

音楽性:

 60年代のクラシカルなロック、70年代のパンク・ロック、80年代のオルタナティブ・ロックなどの影響が大きい。ソロ以降はオルタナティブ・ロックにシフトし、様々なジャンルを取り入れて音楽の幅を広げている。ダンスサウンド、サイケデリック・サウンドを好む面も見られる。

 歌詞の内容は日常の出来事、アーティストのこと、人生についてなど。現実的で前向きな歌詞が特徴。本人もその旨をインタビューなどで語っている。

オアシス脱退からソロデビューまで

ノエル・ギャラガーのアルバム一覧

ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ』(2011年)
オアシス時代のデッドストックあり、名曲揃いの一枚!!
★★名盤★★

 

安心して聴ける一枚

 バンドの解散から約2年後に発売された本作。アルバムの曲調はオアシス時代を引き継ぐものであり、ちょうど中期から後期にかけてのサウンドに近い(『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』あたり)。スタンダードなロックがほとんどで、相変わらずメロディーの良い曲が多い。アルバムにはオアシス時代のデッドストックも収録されており、そのクオリティはかなり高い。オアシス時代を通じても名曲にあげられるようなクオリティを持っている。

ボーカルとしての能力の高さ

 そういうわけで安心して聴いていられるアルバムなのだが、なにより際立つのは「ボーカル」としての能力の高さ。あまり注目を集める事はないが、現在のロックシーンにおけるいろいろなボーカリストの中でも、ノエルの声はかなり良い位置につけていると思う。アルバム制作を共にするプロデューサーなどはインタビューなどでよく、彼の声を褒めている。

 ノエルの声は高音部が伸びやかで、独特のトーンで響く。リズムへの乗せ方も上手く、自分の声の使い方を熟知している感がある。オアシス全盛期のリアムとは真逆の良さを持っている。そして、年々その能力が高くなっているのも素晴らしい。アルバム発表時は40半ばだが、その後も声は全く衰えを見せない。

アルバムとしての統一感が素晴らしい

 アルバムは全体としてシンプルなバンドサウンドで構成されており、メロディーと声、あとは楽曲の構成力で聴かせるアルバムとなっている。オアシス時代からもよく使っていたが、ところどころでストリングスやホーンセクションが入る程度。

 独特の包み込むようなサウンドは顕在で、聴いていると非常に気持が良い。ノエルのソロ作品の入門は、是非ともここから入ってほしい。

【収録曲】
  1. Everybody’s on the Run – 5:30
  2. Dream On – 4:29
  3. If I Had a Gun… – 4:09
  4. The Death of You and Me – 3:29
  5. (I Wanna Live in a Dream in My) Record Machine – 4:23
    ※オアシス時代のデッドストック
  6. AKA… What a Life! – 4:24
  7. Soldier Boys and Jesus Freaks – 3:22
  8. AKA… Broken Arrow – 3:35
  9. (Stranded On) The Wrong Beach – 4:02
  10. Stop the Clocks – 5:04
    ※オアシス時代のデッドストック。長年温めていた曲であり、オアシス時代からのキャリアを通じても名曲に入る出来。

チェイシング・イエスタデイ』(2015年)
ソロとしての音を確立!バリエーション豊かな傑作!
★★★最高傑作★★★

 

 本作は初の自信によるプロデュースアルバムであり、前作と比べてオアシス時代の曲調は薄れており、本当の意味での「ソロデビュー」と捉えても良いかもしれない。前作と比較すれば、曲のバリエーションは豊かになり、アルバム全体を通してメリハリのある仕上がりになっている。前作は前作で良い作品だったが、明らかに本作でレベルが上っている。インパクトのある曲もいくつもある。ノエルの発言によれば、今作は「ブリティッシュ・サウンド」が強いのも特徴だ。

 オアシス時代の雰囲気を感じさせる曲、ソロでのおなじみのフレーズ、そして冒険的な姿勢を見せる曲と、これまでの経験をバランスよく組み合わせた印象が強い。以降のキャリアでどのような展開を見せるかはわからないが、恐らくこの作品は最高傑作として語り継がれると思われる。

各曲解説

参考:

1. Riverman

 カントリー調のアコースティックの曲から始まったが、ザ・スミスのモリッシーとバーに行った際、彼が持っていたCDに収録されていた「ピンボール」(1976/ブライアン・プロズロー)に影響を受け、そこから新たなアレンジを加えて完成させたとのこと。曲の終盤にはサックスのソロを初めて採用している。

3. The Girl with X-Ray Eyes

 曲のコード進行等で「非常にデヴィッド・ボウイっぽい」と語る一作。確かに、悲哀を感じさせるフレーズや、切迫感を感じさせるリズムなど、ボウイの曲に通じるところは多い。ノエルはソロになってからボウイの影響が強く出ていると、個人的に感じる。自作に収録される「The Man Who Built the Moon」などは、タイトルからしてボウイの「The Man Who Sold the World」だが、こちらもボウイからの影響が色濃い。

4. Lock All the Doors

 オアシスデビュー前の時点でサビのメロディーとタイトルは完成していたという、20年以上の時を経て完成された曲。全体を通してのディストーションのかかったギターが印象的で、疾走感溢れるナンバーに仕上がっている。オアシス時代の雰囲気を醸し出しつつ、新しいサウンドとしてアルバムの中で目立つ曲となっている。

5. The Dying of the Light

 前作にも見られる、シンプルな曲進行とタメのある歌声、美しいメロディーのサビと、実にノエルらしいシンプルな曲。制作も一晩ですんなりと終わったということで、お得意のナンバー。

6. The Right Stuff

 アルバム中で異彩をはなつナンバー。シンプルなコードのループで構成され、サックスが多用され、女性のコーラスも入り、全体としてジャジーな雰囲気に仕上がっている。これまでのノエルの曲調からいうとかなり冒険している曲だが、この冒険が自作の「大冒険」へとつながる。ソロとしての楽曲の幅を広げる重要ナンバーである。

10. Ballad of the Mighty I

 小刻みなベースのリズムがリードする曲は、ノエルが敬愛する元ザ・スミスのジョニー・マーがギターで参加している。繊細なピアノが曲に悲しげな色づけし、控えめでありながら要所で輝きを放つジョニー・マーのギターが心地よい。

 パワフルでストレートな「9. You Know We Can’t Go Back」から一転、シリアスな雰囲気でアルバムは幕を閉じる。

【収録曲】
  1. Riverman – 5:41
  2. In the Heat of the Moment – 3:29
  3. The Girl with X-Ray Eyes – 3:20
  4. Lock All the Doors – 3:41
  5. The Dying of the Light – 5:11
  6. The Right Stuff – 5:27
  7. While the Song Remains the Same – 4:16
  8. The Mexican – 3:46
  9. You Know We Can’t Go Back – 3:46
  10. Ballad of the Mighty I – 5:15

フー・ビルト・ザ・ムーン』(2017年)
オアシス時代のメンバー召集!
サイケ、フレンチ・ポップ、ダンスなどの新境地!
★★名盤★★

 

オアシス時代のメンバーが集結!

 解散前のオアシスのメンバーであるクリス・シャーロック(ドラムス)、ゲム・アーチャー(ギター)がメンバーとしてレコーディングに参加。キーボードを担当するのはオアシス時代からノエル曲作りに参加しているキーボーティスト。

 これには、弟のリアムのソロ活動が関係している。リアムは2017年にビーディー・アイではなく完全なソロとしてデビューすることになる。そこで、元オアシスのメンバーをノエル側に参加させたというわけだ。

音楽性を一気に拡大!

 アルバムを語る上で欠かせないのは新たなプロデューサーの起用である。映画音楽や数々のアーティストのリミックス等で知られるデヴィッド・ホルムスだ。テクノやエレクトロニカの分野では大御所であり、本作もその傾向が強くなっている。インストの曲が多いのも特徴だ。

収録曲解説

1.Fort Knox

 お得意のサイケデリックサウンドに、アフロ・ビート、ファンク、ビッグ・ビート的な要素を加えた大作。ほぼインストの曲にコーラスやフレーズを加えたものだが、様々な音が入り乱れる中身の濃い楽曲に仕上がっている。

 アルバムの幕開けを告げるにはこれ以上無い壮大さを持った楽曲である。


2.Holy Mountain

 ポール・ウェラーがオルガンで参加しているこの曲は、多幸感をもたらすようなフレンチ・ポップに仕上がっている。冒頭からブラスを大胆に取り入れ、スクラッチノイズをバックにスタンダードなロックのリズムで曲は進行する。サビにかけて徐々にポップさを増していき、サビで聞こえるティンホイッスルが一気に曲調を明るくする。サイケデリックの要素も含む印象的な曲である。

 

3.Keep on Reaching

 ファンク・ソウルの影響が伺える楽曲では、ノエルのキレの良い歌声が最大の見所である。本人によると、アルバム制作時にデイヴィッド・ホルムスから「マーヴィン・ゲイのようだ」と指摘されたそう。聴き比べてみると確かに似ている。クールな一曲である。それにしても、ノエルの歌が素晴らしい。

 

4.It’s a Beautiful World

 この曲はまさにノエルが「大好き」な曲調。ビートルズの「トゥモロー・ネバー・ノウズ」を感じさせるドラムループで進行し、サラリと流れるギターフレーズも心地よい。

 サビでは圧倒的な歌唱とともに一気に壮大な世界観へと引きずり込む。終盤で流れる女性のセリフも印象的で面白い。

 

5.She Taught Me How to Fly

 この曲はアルバム中で最もくせになる。60~70年代のクラシカルなロックを意識しつつも、バックで流れる16ビートのドラムにノエルのシンプルで流麗なコーラスが乗り、中毒性のある曲に仕上がっている。ダンス・サイケ・ポップといった楽曲だ。

 
10. The Man Who Built the Moon

 曲名からしてもわかるが、デヴィッド・ボウイからの影響が強いこの楽曲は、アルバムの中でも間違いなくナンバーワンの出来である。フォークギターで進行する重く陰鬱なサウンドは、明るくポップダンスなアルバムを終わらせるのにこれ以上無いドラマ性を有している。

 ノエルのソロキャリアの中でも、これほどの力をもった曲は他に見当たらない。素晴らしいアルバム構成と言えよう。

【収録曲】

1. Fort Knox
2. Holy Mountain
3. Keep on Reaching
4. It’s a Beautiful World
5. She Taught Me How to Fly
6. Be Careful What You Wish For
7. Black & White Sunshine
8. Interlude (Wednesday Pt. 1)
9. If Love Is the Law
 ジョニー・マーがギターとハーモニカで参加。
10.
The Man Who Built the Moon
11. End Credits (Wednesday Pt. 2)