『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』の感想

スウェーデンが舞台、思春期を目前に控えた少年の、多感な心を描いた傑作!

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『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』のあらすじ

【基本情報】

 

 

50年代末のスウェーデンの海辺の小さな町と山間のガラス工場の村を舞台に、人々との出会いと別れを通して人生に目覚めてゆく少年の姿を描く。

引用元:マイライフ・アズ・ア・ドッグ | Movie Walker

(※詳しいあらすじは引用元のサイトがわかりやすいです)

【簡単なあらすじ】

 主人公の少年イングマルは病弱の母と兄の三人家族、父は遠くに出稼ぎに出ています。母の病気が悪化したのをきっかけに、子どもたちは親戚の家に預けられます。イングマルは叔父さんの家に行きます。そこはガラス工芸を行っている小さな村であり、叔父さんの家族や村人は一風変わっていますが、とても人間味のある人ばかり。イングマルは家族のことを心配しつつも、刺激的な毎日を過ごしていきます。

 イングマルはサッカークラブに参加し、そこで出会った少年達と一緒にボクシングをして遊びます。イングマルは、サッカーでもボクシングでも一番のガキ大将「サガ」と出会いますが、実はサガは女であり、思春期を目前に控えて、徐々に周囲から浮き始めていました。そんなサガはイングマルを気に入り、イングマルもまたサガが気になり始めます。

 季節が変わって秋になり、イングマルは久しぶりに母と再開しますが、病状は悪化。村に帰ってからも寂しい出来事が続き、かつて可愛がっていた犬が死んだという知らせを聞いて、大きなショックを受けてしまいます。

 

 

 

10代前半のあやふやな心と、かいま見える大人の世界を巧みに表現!

 世の中には、子供を主人公にした、少年たちの世界を描いた映画が山ほどあります。そこで作品の善し悪しをきめるのは、どの切り口で映画を描くかです。この映画での少年時代の切り口をいくつか紹介しましょう。

 

 

  • うまくいきそうでうまくいかない感じ

 少年時代というのは、特に大人になりつつある年代では、理想と現実の間で揺れ動きます。自分の心もそうですし、日常の中でも理想的なものを見て心を踊らせ、現実的なものに肩を落とすということが多くなってきます。膨らむ夢と呆気無い現実というのを、映画の中で上手く描いています。主人公の少年が引っ越した村の住人、彼らが織りなす日常で、それが上手に描かれています。

 

 

  • 大人と子供の世界の媒介者

 これも思春期、あるいはその前の子供を主人公にした作品では定番です。映画では寝たきりになりながらも色欲を持つ老人、子供がそのまま大人になったような陽気なおじさんなどがそれです。

 おじさんは物語の中でも名脇役となっており、父親代わりというよりは、ジョークや遊びを教えてくれる近所の年上の子供のようになっています。主人公のイングマルにサガとの付き合い方をアドバイスするといったところに、それがよく表れています。また、村にいる画家、画家のモデルをしている若い女なども、少年にとって大人の世界を垣間見せてくれる存在となっています。

 このように、脇役の配置がとても工夫されています。この映画のいいところの一つでしょう

 

 

  • 初恋の相手サガの美しさ

 

 主人公イングマルの初恋の相手は、ガキ大将になっている少女サガです。彼女は喧嘩もスポーツも一番ですが、自分が女であることに悩んでいます。一方で、イングマルに恋心を抱くなど、ガキ大将から女性になりつつある一面も見せます。

 この両性具有的なヒロインであるサガですが、非常に端正な顔立ちをしています。映画を見てもらうか、あるいはネットで検索でもしてもらえばいいですが、例えばならば名作「レオン 」でヒロインを演じた、若かりし頃のナタリー・ポートマンのイメージとぴったりです。レオンのあの少女と同じような魅力を、サガは持っています。映画を名作たらせた大きな要素の一つと言っていいでしょう。

 このヒロインを見るだけでも価値のある映画です。

 

 

 この他にも、ストーリーでは伏線に無駄がなく、自然な流れの中でそれを消化できているところも素晴らしいです。ついでに言うと音楽も良かったです。

  日本では知名度は高くないでしょうが、是非ともおすすめしたい映画の一つです。5点満点ならば確実に4点は超える、何度も見たくなる作品です。 ついでに言うと、同監督の「HACHI 約束の犬 」もいい映画なので、合わせておすすめします。

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