『ミスター・ロボット』シーズン1エピソード1,2のレビュー!

2015年11月23日

昼はセキュリティ技術者、夜は正義のハッカー。
そんな彼が、ハッカー集団と悪の大企業の戦いに巻き込まれていく。

 Amazonプライムビデオで限定配信されている、アメリカ発のテレビドラマ。本国では2015年秋にシーズン1が終了したばかり。人気も評判も好調で、2016年にはシーズン2の放送が決定している話題作!
 簡単なイントロダクションをすると……
 ドラマの中身は簡単に言うと天才ハッカーの話。セキュリティ企業に務めるエンジニアのエリオット、彼は夜になると正義のハッカーとなり、悪人を個人的に取り締まっている。話すのが苦手で無表情、人付き合いも決して良くない。同僚で幼なじみのアンジェラには極めて「一般的」な彼氏がいるが、彼にも無愛想といった有様。しかし、仕事とハッキングの腕は文句なし。
 ある日、得意先の大企業からセキュリティ問題の解決を依頼される。これまでに見たことのないような攻撃を受けるも、ギリギリのところで食い止めたエリオット。しかし、そこで攻撃者が送ったあるメッセージに気が付く。そこからエリオットは、謎のハッキング集団と関わりを持つこととなる。彼らの目的は、例の大企業、社会を牛耳る大企業と戦うこと。富と権力との戦いだった。
 ……とまあ、こんな感じ。
 うっかりAmazonプライム会員になってしまったので、今まであまり見たことのない海外ドラマをがっつり見ていこうと思い、まずは話題作のミスター・ロボットから!

ミスター・ロボット シーズン1 エピソード1 「やあ、君」のレビュー

昼はエンジニア、夜はハッカー

 主人公のエリオットは、セ キュリティ企業に務めるエンジニア。彼は夜になると正義のハッカーとなり、ありとあらゆる個人情報を収集し、悪人を個人的に取り締まっている。この設定は、コンピューターをテーマにした話では定番。現実世界でも、優秀なハッカーがセキュリティ対策のエンジニアとしてスカウトされることもある。

 さて、そんなエリオットは、典型的なコンピューター人間。話すのが苦手で無表情、 人付き合いも決して良くない。同じ会社には幼なじみのアンジェラが勤めており、彼女が気になっている様子。友達以上、恋人未満といったような感じ。アンジェラの方は、変わり者だけど優秀なエリオットを信頼している。まんざらでもない、といったところ。でも、彼女には恋人がおり、エリオットとは真逆の「極めて一般的」な人間。

 エリオットは、なんとなく社会や大衆といったものに不満を感じている。ただ、本当に漠然とした程度のもので、「ああ、俺はこの世界で生きるには向いてないな」と諦め半分のような感じ。セキュリティの仕事をしているのも、単にコンピューターが得意だから。悪人を個人的に取り締まっているのも、はっきりした理由を問われれば答えられない。

 ある日、得意先の大企業(作中では「evil corp(イービルコープ/直訳すると『邪悪な企業』)」と呼ばれている)からセキュリティ問題の解決を依頼される。これまでに見たことのないような攻撃を受けるも、ギリギリのところで食い止めたエリオッ ト。しかし、そこで攻撃者「f・society(エフ・ソサイエティ)」が送ったあるメッセージに気が付く。そこからエリオットは、謎のハッキング集団と関わりを持つこととなる。彼らの目的は、世界を変えること。それには、イービルコープが関係している。

導入部分にはマトリックスの影響が強く感じられる

 ここまで見ていくと、ある有名な作品との類似点が見えてくる。『マトリックス』だ。

[article include=”7801″ type=”custom”]

 エンジニアとハッカーの二足のわらじ、社会から浮いている(社会に漠然とした疑問を抱いている)男が主人公、謎の集団からのメッセージ受信、といったところはマトリックスと一緒。加えて、主人公が加わる集団の目的が、強大な敵との戦い。コンピューターという要素を抜けば、他のジャンルの作品でもありがちといえばありがち。でも、同じコンピューターがテーマの作品でここまで似ていれば、マトリックスを意識しているのは間違いない。その辺も見どころ。

 もうちょっとこの話を続けると、エリオットが謎の集団と接触するのは、一人で地下鉄に乗っている時。向かいに座った男が不意に「あのメッセージは見たか」と話しかけてくる。電車が駅で止まったところで、「もし気になるならついて来い」と。エリオットはドアが閉まる直前に車両から飛び出し、男に話しかける。しかし、男は「今は詳しいことは言えない」。

 全部を明かさないままに主人公をとりあえず連れ出すあたりも、マトリックスと似てる。マトリックスとの大きな違いは、SFか否か。マトリックスはもろにSF。「コンピュータが人類を支配していて、コンピュターを動かす動力源として人間が培養されている。そこから人類を救い出す」というゴリゴリのSF。一方、ミスター・ロボットはあくまで現実的。もちろんフィクションだけど、あくまで現実で起こりうる話。SFという要素が抜けた分、より多くの人が楽しめるはず。

 その後の展開

 その後の話の流れをまとめると……

 エリオットが地下鉄の中で出会った謎の男。彼が着ているジャケットの胸には「MR.ROBOT(ミスター・ロボット)」の文字。彼に連れられて、ハッカー集団のアジトへと向かう。

→謎のハッカー集団のプロジェクトは、イービルコープへのハッキングと、顧客データのリセット。イービルコープが持っている顧客のローンをリセットすることで、富の再分配をするのが狙い。現在の先進国、特にアメリカで起こっている貧富の差をこれで解消してしまおうということ。

→作戦の手始めとして、イービルコープのCEOコルビーを罠にかけてやろうということになる。ちょうどエリオットの会社が実行役として、エリオットが選ばれる。先日のハッキング問題の報告会議の場で、偽の報告書をイービルコープに渡す。報告書の情報を辿っていくと、ハッキングの影の実行役として、コルビーの名前が上がるようになっている。

→その後ハッキング集団との連絡は途絶える。アジトに再訪してももぬけの殻。それから2週間ほどは何も起こらない。エリオットは夢だったのではと思うようになる。しかし、数日して、コルビーが逮捕されたとのニュース。 街頭モニターでそれを見て歓喜するエリオット。しかし、直後にスーツ姿の謎の男たちに囲まれ、車に乗せられる。

 この後の展開が非常に気になる! 最後に一個付け加えると、1話のラストシーンも、マトリックスの主人公がエージェント達に連行されるのとそっくり! この辺の有名作品へのオマージュ的な要素も良い!

 

 

ミスター・ロボット シーズン1 エピソード2 「1かゼロか」のレビュー

動き出すプロジェクト

 エリオットは高層ビルの1室へと案内される。そこには、スーツ姿の男が10人ほど、彼らはイービルコープの弁護士集団だった。社員の一人ウェリックは、エリックを破格の待遇でイービルコープへと誘った。新たに社内でつくるセキュリティ部門の責任者となり、数年後には金持ちになれる、と。しかし、エリックは誘いに乗ることはなかった。

後日、勤め先に出社したエリックは、社長のギデオンから昇級の報告を受ける。その席で、エフソサイエティの名と共に、彼らがコルビーが共犯であるという話を聞かされ、エリックは不審に思う。ニュースを見ると、エフソサイエティがコルビーを事件の黒幕に仕立てあげ、メディアに情報を流していたのだった。

 エフソサイエティは、ハッキングの際に入手したデータの流出を脅しに、コルビーの釈放を要求。加えて、イービルコープが持つローンの権利を破棄すること、会社の解体、慈善事業への資産の寄付も要求。かくして、エフソサイエティの名と、彼らの計画が世間に公表されたのだった。

新たな計画と、エリオットの動揺

 あまりの大事に怖気づいたエリオットは、エフソサイエティとの関係を絶とうと決めた。しかし、家に帰るとミスター・ロボットの仲間の女ダーリーンがいた。「これからみんなでデカイことをする」と女。再び組織のアジトへと連れられる。

 ミスター・ロボットと再開したエリオットは、コルビーの件を賞賛されるとともに、新たな計画を告げられる。それは、天然ガス工場の爆破だった。イービルコープを含む大企業のデータ保管施設「スティール・マウンテン」、そこに隣接している工場だ。他にも、テロリストに協力してもらい、中国のデータセンターも破壊するなどと、彼らは語る。

 エリオットは、人殺しや悪に加担することに拒絶反応を示し、計画への参加を拒否する。

金と権力、支配される者

 第1話から登場する主要人物の1人に、エリオットと同じアパートに住むシェイラがいる。彼女は、エリオットに麻薬を調達してくれる女だ。エリオットとは恋人ではないが肉体関係もある。恋人でもないのにセックスして、麻薬まで売ってくれる女と聞くとアレだけど、人間性は良い。エリオットにとっては、ある意味で良き理解者だ。

 さて、そんなシェイラは、どこから麻薬を入手しているか? それは、麻薬の売人であるベラという男だ。いかにもワルないでたちの男で、シェイラに気がある。その一方で、麻薬を確実に仕入れ、それをSNSなんかで手当たり次第に販売。それなのに、逮捕されずにいる。謎の多い男だ。そんなベラに、シェイラはレイプされてしまったのだ。

 エリオットは警察に通報しようとするが、彼女は拒否。麻薬は彼女にとって重要な稼ぎ。そして、安定して薬を供給してくれるベラは重要な存在。エリオット自身も、麻薬を精神安定剤代わりにしており、薬無しではいられない。そして、シェイラは「関わらないで」と言う。

 ベラを警察に突き出すことは簡単だ。しかし、それではシェイラが困ってしまう。エフソサイエティの計画を密告することは簡単だが、エリオットはすでに共犯者となってしまった。金と権力、そして、それに支配される者。イービルコープとエフソサエティ、麻薬の売人とシェイラ、そして、板挟みのエリオット。

エリオットの決断

 エリオットは決断する。どんな手段を使ってでも、悪を潰すこと。エリオットは再びミスター・ロボットと接触する。

 エリオットは、「爆破せずにデータを破壊する方法を見つけた」ともちかける。しかし、ミスター・ロボットは、首を横に振る。一度計画から抜けた奴は、もう仲間じゃない。「いかなる契約も神聖なものだ」と。食い下がるエリオットに、ミスター・ロボットはある条件を提示する。それは、父親の話をしろ、というものだ。

 エリオットの父はかつてイービルコープのエンジニアとして働いていたが、解雇され、その後白血病に倒れた。家族にもそれを隠していた父だが、エリオットは病気のことを知ってしまう。彼は父親から、「絶対に秘密にしろ」と言われる。しかし、エリオットは口を滑らせてしまい、母に病気のことがバレてしまう。父は怒り、エリオットを突き飛ばし、彼に大怪我を負わせる。それ以後、死ぬまで、父は一度足りともエリオットと顔を合わせることは無かった。

 「いかなる契約も神聖なものだ」

 第2話はここで終了。つづく。

【関連記事】

[article mode=”cat” id=”56″ numberposts=”5″ tail=”
“]