【漫談・スピーチ編】漫才(お笑い)の台本の書き方・作り方③

2018年5月19日

漫談・スピーチをつくってみよう!

画像:いらすとや

もくじ

PAGE 1(このページ)

<まずはネタを見てみよう>
  • 『結婚おめでとうございます』

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<漫才(お笑い)の台本の書き方・作り方>
  • 手順1.元ネタとなるスピーチ・話を探す
  • 手順2.テーマ・方向性を決める
    • 失敗談は笑いになりやすい
    • 「袋」のような言葉を見つける
  • 手順3.失敗談でストーリーをつくる
  • 手順4.キーワードで畳み掛ける

まずはネタを見てみよう

※ここで紹介する漫才は本サイト「ノベルユウ」オリジナルです。
引用、紹介等の場合は、必ず引用元の記載をして下さい。
(参照:「著作権、免責事項など」)

『結婚おめでとうございます』(結婚式のスピーチのパロディ)

夫婦生活において気をつけなければならない三つの穴というものがございます。

まず一つ目は「墓穴を掘る」ということわざにおける穴です。このことわざは自業自得という言葉にも似ております。自分のしたことで恥をかくというような意味ですね。人に恥をかかされるのはもちろん嫌なことですが、自分のしたことによって恥をかいてしまうのは最悪です。文句を言うこともできなければ、言い訳をすることもできない。

こうなってしまった時、まさに「穴があったら入りたい」という気持ちになります。そうです。ここでもう一つの穴が出てまいりました。実はこれが気をつけなければならない二つ目の穴なのです。

恥をかいてしまってどうにもならない時、穴に入って姿を消してしまいたい、ということですが、これはある意味では「逃げる」ということなのです。現実逃避というわけですね。
と言いますのも、結婚、夫婦生活と言っても、楽しいことばかりではないのです。

残業続きで集中力が切れ、ミスばかりが目立ち、「お前の仕事は穴だらけだ」と上司から言われ、ストレスで胃に穴が開いてしまう。家に帰れば、「たまにはどこか連れてって」と言われ、せっかくの休日も家族サービス。暇なら暇で、一日中家でゴロゴロとしてしまう。「俺の人生は一体何なんだ」と思い、心にポッカリと穴が開いてしまう。

もしくは、勤め先の女性社員から穴が開くほど見つめられ、心に隙ができてしまい、やってはいけないことをしてしまう。それが妻にばれてしまい、その穴埋めとして、宝石なんかをせがまれる。
しかも、そこで「指輪を買ってくれ」なんて言われたら、「また穴か」と、「この世は穴に始まり穴に終わるのか」と、いよいよ精神的に追い込まれてしまいます。

そういう意味で、夫婦生活のみならず、人生は「出口の見えないトンネル」なのでございます。このトンネルが第三の穴。最も気をつけなければならない穴なのです。

ですが、夫婦というものはそういう様々な穴を乗り越えていかなければなりません。そこで大切なのは、話し合いの場をもつことであります。

いくら夫婦と言えども、人間同士ですから、辛いことがあるとどうしても心をふさぎがちになってしまいます。妻は妻で、掃除・洗濯・炊事と様々な家事に追われ、息つく暇もありません。夫は夫で、会社では上司に、家では鬼嫁からのプレッシャーに耐え続け、こちらも息つく暇もない。

夜の九時、残業から帰ってきてようやく一息つけると思ったら、妻はTVドラマに熱中しており、夫のことなど気にもかけておりません。風呂のお湯も晩飯も、もしかしたら心まで冷め切っているかもしれません。

しかし、そこで、「あなた……」と。「あなた……」という一言。

また穴です。しかし、これはいい穴です。

「あなた……今日もおつかれさま。」と一声かければ、その言葉が心にあいた穴にすっぽりとはまるわけです。心に穴があいてしまうというのは、あまりいいイメージではありませんが、考え方を変えれば、そこに真心や愛情を埋め込むことができるというわけです。

妻の一言が夫の心の穴を埋め合わせした。そうしたら、今度は、妻の穴に夫の愛情を埋め込んでやりましょう。その愛情はやがて、未来と言う名の種となり、希望と言う名の芽を出し、喜びと言う名の花を咲かせるでしょう。そういうわけで、二人の愛情は「子」という形で何ものにも変えがたい宝を生むというわけです。

夫は妻の穴に愛を埋め込み、愛の結晶としての子は母の穴で大きくなり、人間は皆穴から生まれてきます。そして、世の中にある様々な穴に気をつけながら成長し、やがて年老いて、最後は墓穴と言う名の穴に埋められるというわけでございます。ですから、先ほど申しました「この世は穴に始まり穴に終わる」というのも「あな」がち嘘ではないのです。そこで大切なのは、常に穴に気をつけ、埋められる穴は二人で協力して埋めて行こうという気持ちです。

余談ですが、万が一、万が一二人の間に大きな穴があいてしまった場合は、その穴は慰謝料と言う名の金で埋めることになってしまいますので、ご注意ください。間違っても「埋蔵金を掘り当てた」などと言って喜ぶことのないよう、ご注意申し上げます。

では、末永く、埋蔵金のように末永く、幸せな夫婦生活を過ごせるよう心から願っております。