マックスが怒るのも無理ないよ/『マッド・マックス』(1979)のレビュー

2015年11月3日

怒りの表現はいろいろあるけれど……

【ポイント】
  • 荒廃した世界に生きる人々と、その内面を描いた終末的SFアクション!
  • 人が本当に怒ると、怒りの感情すら忘れる。

  • 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は評価が高いらしい……

テレビで偶然観た「マッドマックス」

マッドマックス』(Mad Max)は、1979年公開のオーストラリアのアクション映画作品である。
監督のジョージ・ミラーと主演を務めたメル・ギブソンの出世作品であり、後にシリーズ化された。
舞台設定など、国内外の多くの作品に影響を与えた。

暴走族による凶悪事件が多発する社会となった近未来の荒廃したオーストラリアの路上が舞台になる。
暴走族で警官殺しの凶悪犯ナイトライダーは、暴走族専門の特殊警察「M.F.P.(Main Force Patrol)」から、追跡用に改造されたパトカー「インターセプター」を奪って逃走。「M.F.P.」に所属する警官マックス・ロカタンスキーはこれを発見し追いつめた末に、ナイトライダーは運転操作を誤って事故死する。
これによりマックスは、ナイトライダーの復讐を企むトーカッター率いる暴走族から命を狙われる身となる。

引用元:マッドマックス – Wikipedia

 あのメル・ギブソンの出世作というこの映画。マッドマックスシリーズの影響を受けて生まれた作品の一つに、あの「北斗の拳」があるそう。ストーリーは典型的なアクションに終末的SF映画の要素が混じったという、いわば「ありがち」なもの。イメージからすると、「売れたし話題になったし、有名なアクション俳優も出てるけど、実際は大したことないんでしょ?」なんて言われそうな映画。

 しかし、これが結構見応えがある。シリーズ1作目から30年近く経って、2015年にわざわざ最新作が製作されてるところからも、作品としての力が伺える。その上、最新作が大ヒット&軒並みの好評価。商業的なアクション映画の中には、時たま「名作」が隠れているもの。あの「ロッキー」だってそう。1作目はアカデミー賞を取ったほどの名作で、続編の中でも「ロッキー・ザ・ファイナル」なんかはかなりいい映画。個人的になんとなくロッキーとかぶるこの映画。

 

怒り狂ったマックスの恐ろしさ

 上に引用したストーリーの続きはと言うと、マックスは同僚の友を殺され、さらに妻子を襲われ、子を失い妻は重体に。マックスは完全にキレて、暴走族を潰しに行く、というもの。この映画のポイントは「近未来」「暴力の蔓延る無法地帯」という世界観がまず一つ。それから、友と家族を失った主人公の孤独と悲しみ、そこから突如として吹き出す怒りという、「主人公の心理描写」。有名アクション映画の中では、ターミネーターに似た所がある。あれほどSFチックではないけど、ターミネーターに負けるとも劣らない印象的な人間描写を見ることができる。

 一番印象的だったのは、最後に残った敵を倒すシーン。ネタバレになってしまうけど、あらかじめ知ったところで問題なく映画を楽しめるので、心配無用。そのシーンでは、簡単に敵を殺さない。まずはガソリンの漏れる車と敵の足首を手錠で固定。次に、ライターやその辺に転がっていたものを使って、ちょっとした細工をして、数分後に車が爆発するような仕掛けをつくる。そして最後に、マックスはのこぎりを放り投げる。

「運が良ければ5分で脚を切って逃げられるぞ」

 友と家族を失ったマックスの怒りが、このシーンに集約されている。このシーンの恐ろしさったらありゃしない。しかも、マックスは怒りを全く表情に出さない。家族を失うまでは、怒ったり、悲しんだり、驚いたりするのだが、家族を失ってからは全くの無表情で、車を猛スピードで走らせて暴走族を追い詰めていく。

工夫を凝らした表現方法

 この他にも、アクションシーンが単調ではなく、カメラの撮り方とか、効果音とか、表現方法が結構凝ってる。その辺が、この映画が評価されている理由だと思う。ちょうど、「シャイニング」とかあの辺の、名作ホラーの表現方法に近いかもしれない。例えば、マックスの友人が暴走族に襲われて、瀕死の重傷を負って病室に寝ているシーン。全身大やけどのひどい状態でシーツを被せられていて、手だけが覗いている。マックスはシーツを剥いでその姿を見るんだけど、そこでは青ざめたマックスの表情しか見せない。直接的じゃなく、間接的に表現するという、この映画の凝った表現方法の一つ。

「マッドマックス怒りのデス・ロード」(2015)が大ヒット&高評価

 今年公開されたマッドマックスの最新作が、かなりの高評価らしい。実際に見に行った知人はもれなく勧めてきたし、ネットの映画レビューサイトでも、軒並み5点中4点を超えている。ファンが無理やり高得点をつける場合を除いて、レビューサイトで4点を超えるってのはかなりすごいこと。最近レンタル開始されたけど、その前後でのレンタル店のプッシュも熱い。ここまで来るとほぼ間違いなく面白いんだと思う。

本作は批評家から非常に高い評価を受けた。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesに は300件のレビューがあり、批評家支持率は97%、平均点は10点満点で8.7点となっている。サイト側による批評家の意見の要約は「エネルギッシュな アクションと驚くべきほど重厚なストーリーがある。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はジョージ・ミラー監督のマッドマックスシリーズに目覚ましいほどの生命力の咆哮をもたらした。」となっている

引用元:マッドマックス 怒りのデス・ロード – Wikipedia

 youtubeの予告編を見ると、映像がすごいのと、設定や世界観がかなり凝ったつくりになっているのがわかる。初代マッドマックスは制作費数千万という低予算でヒット。それを現代のテクノロジーでパワーアップさせつつ、面白さの本質をしっかり表現できたのが、高評価の理由だと思う(まだ見てもいないのに知ったかぶりで勝手に分析 笑)。

 

 とにかくまあ、これは絶対に見たほうが良い!

 ついでに、名作の続編の成功例として、はじめの方でも取り上げたロッキー・ザ・ファイナルをおすすめしておく。これは良いよ。感動する。初代ロッキーは言わずもがな。

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