全体の構成(小説の書き方)

2017年11月8日

小説クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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1、各要素のバランスを整える

「全体の構成」は、これまで見てきた「ストーリー」「キャラクター」「描写」といった各要素のバランスを整える作業です。

 

例えば、キャラクターの心情の中でも、悲しみにスポットがあてられた章があるとします。
そこでは、描写は静かでもの悲しい雰囲気を出すのが普通です。
また、悲しみの度合いにもよりますが、ストーリーはそれほど起伏がなく、淡々と進んで行くのがオーソドックスです。

 

 

今の話をまとめますと、「全体の構成」とは、物語の各章の中で中心となる要素を決め、他の要素もそれに合わせて変化させ、統一感をつくるということです。

 

  • 構成は、「キャラクター」「描写」「ストーリー」の各要素のバランスを整える作業
  • 章の中で中心となる要素を決め、他の要素もそれに合わせて変化させ、統一感をつくる

 

2、思想・テーマを伝えるには?

この他、小説のテーマや思想、あるいは伏線を張るといったテクニックも、全体の構成で行う作業となります。
例えば思想・テーマについては、これを伝えたいがために、小説を表現方法として使っている人も多いのではないでしょうか。
しかしながら、思想やテーマをそのまま文章にしたら、小説ではなくエッセーや論文になってしまいます。

 

小説において思想やテーマを伝える方法としては、例えばキャラクターの性格や発言、生き方に投影する方法があります。
また、物語の中の世界観に投影する方法もあるでしょう。

 

しかし、それらは例えば、ある場面や章だけを使って伝えられるものではないです。
小説全体を通して、物語の自然な流れを壊さないようにして、じっくりと伝えていく必要があります

 

  • 小説の思想やテーマなど、全体を通してじっくり伝えるものも、構成の作業

 

3、伏線を張るには?

小説を面白くする要素として、伏線があります。
伏線について、簡単に説明をしましょう。

 

例えばある章で、物語の進行とはまったく関係のない何かが登場します。
物でも人でも、あるいは人物の発言などでも構いません。
しかもその章では、 ただ登場しただけで、特に何も起こさずに終わるのです。

 

すると読者は違和感を感じますが、物語は構わずに進んで行くので、頭の隅にでも入れておいて、その まま読み進んで行きます。
その後、その違和感のある何かは、例えば物語のクライマックスで再び登場し、ストーリーの核にかかわる働きをするのです。

 

これを一般的に伏線と呼び、小説を楽しくするためのテクニックとして知られています。
「違和感をもって登場する何か」は、伏線以外にも、暗示や象徴として働くことがあります。
一見すると無意味な何かでも、実はその先のストーリーを暗示していたり、小説のテーマについての象徴であったりするのです。

 

  • 伏線、暗示、象徴などのテクニックは、基本的な構成の作業ができてこそ成り立つ

 

まとめ

  • 構成は、「キャラクター」「描写」「ストーリー」の各要素のバランスを整える作業
  • 章の中で中心となる要素を決め、他の要素もそれに合わせて変化させ、統一感をつくる
  • 小説の思想やテーマなど、全体を通してじっくり伝えるものも、構成の作業
  • 伏線、暗示、象徴などのテクニックは、基本的な構成の作業ができてこそ成り立つ