IRON MAIDEN(アイアンメイデン)まとめ【おすすめアルバム,名盤名曲,レビュー】

2018年3月7日

NWOBHM、メタルの先駆者!!


アイアン・メイデン読本 (BURRN!叢書)

もくじ

アイアン・メイデンのプロフィール、音楽性など
  • メタルブームの立役者
  • NWOBHMとは?
  • ハード・ロックを基礎にした曲調
アルバムランキングTOP5!
おすすめアルバム/代表作解説
  • The Number Of The Beast(魔力の刻印)』(1982年[3rd])
    ☆☆☆メタル史に残る傑作!
  • Powerslave(パワースレイブ)』(1984年[5th])
    ☆☆力強さとハイテンションな演奏!
  • Somewhere in Time』(1986年[6th])
    ☆☆ギターシンセ導入&プログレへの接近!
  • Seventh Son of a Seventh Son(第七の予言)』(1988年[7th])
    ☆☆☆成熟したサウンドとハイクオリティな楽曲!
  • Brave New World』(2000年[12th])
    メイデンサウンド健在!

プロフィール、音楽性など

基本情報

デビュー:1980年
出身:イギリス(ロンドン)
ジャンル:

ハード・ロック、プログレッシブ・ロック、ヘヴィ・メタル、NWOBHM

メンバー:
影響:

UFOイエスジェネシスラッシュブラック・サバスなど

音楽性:

ハード・ロックを基調としたメタルに、プログレ要素も加える。コンセプトアルバムなども制作している。

メタルブームの立役者

 アイアン・メイデンはメタルブームが到来する以前から活躍しており、ブームの火付け役となったバンドのひとつ。イギリス出身のバンドで、NWOBHMを牽引し、その後のアメリカでのメタルにも多大な影響を与えたことで知られる。メタルそのものは70年代始めには登場していたものの、ジャンルとして認識され、ブームとなったのは80年代から。つまり、メタルが世の中に浸透していく際、最も貢献したバンドと言ってもいい。

NWOBHMとは?

 ここでNWOBHM(ニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)について説明していこう。その名前の通り、70年代終わり頃から登場したニュー・ウェーブの中で「英国のヘヴィ・メタル」というジャンルを指す。ニュー・ウェーブというのはパンクの登場によって生まれた、それまでとは違う音楽群を指す。

 70年代はハード・ロックやプログレ全盛期だったが、それらの対抗勢力としてパンクが登場。しかしパンクは数年でブームが去る。その後英国において、パンクの攻撃性とハード・ロックを混ぜ合わせ、新しい時代の空気を加えた新たな音楽が登場した。それがNWOBHMであり、後のヘヴィ・メタルへとつながっていく。音楽的特徴は、ハード・ロックのリフを強調したスピード感ある楽曲と、パンクのような攻撃的なサウンド。まさにアイアン・メイデンの音楽性と合致する。

ハード・ロックを基礎にした曲調

 NWOBHMというジャンルから見ても、アイアン・メイデンは純粋なメタルより、ハード・ロック寄りの音楽性だとわかる。実際に聞いてみると、基本はハード・ロックであり、同じく70年代にブームであったプログレの要素も大きい。イギリス出身のバンドとあって、イギリス特有の叙情的な曲調、物語性をもった曲調も持っている。この辺りが一般的なイメージのアメリカのメタルとは異なる点だと思う。

 キャリアを通じて、名盤を何枚も生み出しているアイアン・メイデン。プログレ志向のアルバムやコンセプトアルバムを制作するなど、アルバムの完成度も非常に高い。80年代から現在まで、コンスタントに作品を送り出しているので、時代ごとの様々な曲調も楽しむことができる。

アルバムランキングTOP5!

参考ランキング等

1. 『The Number Of The Beast(魔力の刻印)』(1982)
メタルの金字塔!

 歴代のメタルアルバムランキングでも5位以内は確実、1位はメタリカに譲るとしても2位の可能性が高い、メタル史上に残る名盤! アイアン・メイデンらしい、ハイスピードのギターと急き立てるようなリズムが絡み合う! ドラマティックな展開を見せる楽曲は、ブルース・ディッキンソンの素晴らしい表現力によって凄みを増している。印象に残る名曲が多く、アルバム全体の構成も素晴らしい。メタル好きに限らず、ロック好きなら是非聞いて欲しい超名盤!

2. 『Seventh Son of a Seventh Son(第七の予言)』(1988年)
プログレ的展開と成熟したサウンド

 アイアン・メイデンのアルバムの2枚目はどれにするか非常に迷う。単純に楽曲のクオリティやアルバム構成で言うと本作なのだが、本作はどうも「メタル」という分類から外されるため、ランキングによって名前が上がらないことも多い。しかしながら、メンバーが口をそろえて「最高傑作」と呼ぶ本作は、プログレ的な複雑な展開を見せつつ、練りに練られた壮大な楽曲と円熟した演奏が楽しめる。もちろん、メタル的な要素もしっかりある。

3. 『Powerslave(パワースレイブ)』(1984年)
しつこいギターリフで押しまくる名盤!

 歴代メタルアルバムランキングで10位以内に必ず顔を出すのが本作。そのタイトル通り、力強い楽曲が目立つアルバム。とりわけ特徴的なのは、しつこいくらいのギターリフの応酬。初めて聴くとうんざりしてしまうほどだが、すぐにその良さにハマり中毒症状に陥る。メリハリのある楽曲はキャリアを通じてもこれが一番!スティーブ・ハリスのベースラインも非常に格好いい!必聴!

4. 『Iron Maiden(鋼鉄の処女)』(1980)
衝撃のデビューアルバム!

 歴代メタルアルバムランキングで『魔力の刻印』『パワースレイブ』に次いで上位につける本作。デビュー2作目まではブルース・ディッキンソンはまだ加入していないが、その一方でパンク的な荒々しいサウンド、プログレ的な曲構成、ハード・ロック的ヘヴィサウンドという、最初期のメタルサウンドが強調される。演奏でもサウンドでも荒削りな部分はあるものの、実際のところ2位か3位にしてもいい、インパクトと勢いでは群を抜くアルバムになっている。

5. 『Somewhere in Time』(1986年[6th])
プログレ・メタル!

 ギターシンセを導入し、洗練された未来を感じさせるサウンドに生まれ変わったのが本作。賛否両論あるものの、メタルの荒々しい部分はより進化しているところも見逃せない。キャリアを通じて最も意欲的で挑戦的なアルバムと言っていい。次に紹介するアイアン・メイデンのデビューアルバムのように、パンク、プログレ、メタルという3つのジャンルをミックスしたような雰囲気を持つ作品となっている。

おすすめアルバム/代表作解説

The Number Of The Beast(魔力の刻印)』(1982年[3rd])
メタル史に残る傑作!
★★★最高傑作★★★

 

【アルバム解説】

 ヴォーカルにブルース・ディッキンソンを迎えた、キャリア3枚目のアルバム。メタルアルバムのランキングでも必ず上位に食い込む名盤であり、バンドにとっても代表作の一つ。全盛期を含むキャリアの大半でヴォーカルを務めるブルース・ディッキンソンが加わったこともあって、アイアン・メイデンのサウンドが完成したアルバムでもある。

 サウンド面の特徴は、アグレッシブな演奏。疾走感溢れる、手数の多く分厚いギターリフが印象的。パンクのような攻撃性もかいま見える。そこに、ブルース・ディッキンソンの表現力溢れるヴォーカルが加わる。テンポが非常に早く、過剰なまでに緩急のある演奏に、完璧についていくところがすごい。また、ギターを補って余りあるスティーヴ・ハリスのベースも聞きどころ。バンドのメインソングライターであり、ベースラインを追っていけば彼が楽曲の舵取りをしていることがよくわかる。時としてギターよりも目立つところも面白い。

 細かいことをあれこれ言ったけど、このアルバムは結局は印象的なギターリフが最大の特徴。格好良いリフを持った曲がいくつもあり、バンドの若さも相まって、キャリアを通じて一番勢いのあるアルバムと言っていい。初めてアイアン・メイデンを聞くとしたら、ぜひともこの作品をおすすめしたい。

【収録曲】
  1. Invaders(Steve Harris) – 3:24
  2. Children Of The Damned(Harris) – 4:35
  3. Prisoner(Adrian Smith, Harris) – 6:03
  4. 22 Acacia Avenue(Harris, Smith) – 6:37
  5. The Number Of The Beast(Harris) – 4:51
  6. Run To The Hills(Harris) – 3:53
  7. Total Eclipse(Harris, Murray, Burr) – 4:25
  8. Hallowed Be Thy Name(Harris) – 7:12
【動画で試聴】

Powerslave(パワースレイブ)』(1984年[5th])
力強さとハイテンションな演奏!
★★名盤★★

 

【アルバム解説】

 4thアルバムでドラムがニコ・マクブレインに交代、全盛期のベストメンバーが揃った状態での5thアルバム。名盤の3rdからの変化は、曲構成が複雑になったことと、演奏力の向上。曲構成の複雑化は、インスト(#3)や13分を超える大作(#8)などが収録されている点に顕著。これらの曲はいずれもスティーヴ・ハリス作。一方で、キャッチャーで力のある曲はエイドリアン・スミスとディッキンソンの作。前作からスティーブ・ハリス以外のメンバーの作曲能力が向上し、メンバーごとの曲の色も出てきており、バリエーションが増した印象が強い。

 演奏力の向上については、具体的に言えば、よりエッジが効き、なおかつ洗練されたサウンドに進化。荒削りながら勢いのあった3rdと比べれば、ハードさはそのままに、無駄な部分を削ぎとった音になっている。泥臭い音が好きな人は、3rdやそれ以前のアルバムの方を好むかもしれない。ただ、作品全体および個々の曲のパワーとテンションはアルバムの名が示す通り圧倒的。とりわけ、スティーブ・ハリスのベースがアグレッシブで素晴らしい。高揚感をあおるギターの音色も良い。

 アイアン・メイデンの最高傑作は人によって意見が分かれるが、この作品は必ず候補に入る。3rdの泥臭い攻撃的な音か、6th以降に見せるプログレ&大作志向の音か、ちょうど両者を足して2で割ったようなこの作品か。楽曲のパワー、テンションの高い演奏などで言えば、間違いなく今作が最高傑作!!

【収録曲】
  1. Aces High(Steve Harris) – 4:29
  2. 2 Minutes To Midnight(Bruce Dickinson, Adrian Smith) – 5:59
  3. Losfer Words(Big ‘Orra)(Harris) – 4:12
  4. Flash Of The Blade(Dickinson) – 4:02
  5. The Duellists(Harris) – 6:06
  6. Back In The Village(Dickinson, Smith) – 5:00
  7. Powerslave(Dickinson) – 7:07
  8. Rime Of The Ancient Mariner(Harris) – 13:34
【動画で試聴】
ポップさとプログレ嗜好を加えて音楽性を変化

 5th発表後、ツアーとそのライブアルバムの発売を挟んで、バンドは新たな作品作りに入る。長いキャリアを持つバンドは、ライブアルバムの発売を挟んで大きく成長したり、音楽性を変えたりということが多い。アイアン・メイデンは力で押す曲調から、洗練された曲調へと変化する。ただ、180度変化したというわけではない。3rdで見せたヘビーさ、5thで見せた大作志向は残しつつ、ポップさやプログレ的な音を取り入れるようになった。結果、曲のバリエーションや作品の完成度はさらに成熟し、バンドの全盛期を迎えることとなる。

 もちろん、3rdから5thの時点ですでにバンドは完成されているし、その時期を全盛期と呼ぶことも多い。確かに、曲の勢いやテンションの高さは5thがすごい。ただ、曲の構成の複雑さ、演奏技術、アルバムの完成度まで含めれば、6th,7th発表時が全盛期にふさわしい。

Somewhere in Time』(1986年[6th])
ギターシンセ導入&プログレへの接近!
★★名盤★★

 

【アルバム解説】

 このアルバムは、アイアン・メイデンの音楽性の変化を告げる重要な一枚となっている。特にその象徴となっているのは、ギターシンセの導入。ギターの音色は流麗であり、いい意味で無機質な音色を奏でている。シンセの音は近未来的な世界を想起させるのだが、それがジャケットにも表れている。上の画像じゃジャケットの表しか見えないけど、裏も合わせて一枚の絵になっている。ネオン入り乱れる大都市のビル街に、サイボーグかアンドロイドがいて、空飛ぶ車と宇宙船も見える。このジャケットをそのまま音にしたようなアルバム。

 今作の音楽性を具体的に説明すれば、前作に引き続き大作志向。加えて、アイアン・メイデンらしい疾走感とハードさが基本にありながら、洗練されたスマートな音を奏でている。曲同士のつながりも大きく、あたかもメドレーを聞いているような気分になる。一言で言うとプログレ的な要素が強い。この傾向は次作も引き継がれるが、プログレっぽさはこちらの方が強い。間奏もふんだんに取り入れている。ちなみに、今作の作曲者にブルース・ディッキンソンはクレジットされていない。ほとんどの曲をスティーブ・ハリスが書き上げ、残りをエイドリアン・スミスが担当という構成。アルバムのポイントとなる曲はスティーブが担当している。つまり、彼のプログレ志向がモロに出た作品。

 個人的にはプログレが大好きなので、このアルバムはかなり気に入った。初めて聞いた時点ですぐに。ただ、プログレの悪い点である冗長さに加え、お上品すぎる音は人によっては拒否反応を起こすかもしれない。しかし、元々がハードでノリのいい音なので、ちょうどいいバランスに落ち着いていると思う。何より、個々の曲のクオリティはかなり高い。また、意表をつく展開、隙間なく埋め尽くされた音、雪崩れ込むような演奏などは圧巻。アルバムがあっという間に終わるという感覚は、この作品が一番かもしれない。

 音楽性の似ている次作との比較をすれば、次作はポップさと簡潔さが加わり、コンパクトにまとまっている。と言っても作品として軽くなるというわけでなく、曲のバランス面で非常によくまとまった作品となっている。ただ、プログレに慣れている人、プログレ好きな人なら、今作の方を気に入る可能性は高い。HR/HMに分類されるバンドが、ここまでプログレできるとは思ってなかった。正直、びっくりした。

【収録曲】
  1. Caught Somewhere In Time(Steve Harris)
  2. Wasted Years(Adrian Smith)
  3. Sea Of Madness(Adrian Smith)
  4. Heaven Can Wait(Steve Harris)
  5. The Loneliness Of The Long Distance Runner(Steve Harris)
  6. Stranger In A Strange Land(Adrian Smith)
  7. Deja-Vu(Dave Murray, Harris)
  8. Alexander The Great(Steve Harris)
【各曲解説/動画で試聴】
  • caught somewhere in time」#1(Harris)
    7分を超える大作。シンセの音で幕を開け、マシンガンのようなリズムで進む、疾走感溢れる曲。アルバムの印象を決定づける曲。
  • heaven can wait」#4(Harris)
    長尺の割にポップな曲で、サビのシンプルなメロディと爽やかなギターが印象的。後半に合唱とギターソロを含む間奏部を挟む。次作を予感させる曲。
  • the loneliness of the long distance runner」#5(Harris)
    しっとりとしたギターのメロディから始まる曲。ハードな導入部に続き、前半で間奏を挟み、曲の中間部分で高揚感を掻き立てる素晴らしいギターソロが聴ける。全編通してシンプルでしっかりとしたリズムがあり、ギターをフィーチャーした曲。
  • alexander the great」#8(Harris)
    アルバムの中で最長(8分超)の曲。静かな導入部から徐々に曲を構築していき、様々な展開を見せる間奏部へと繋がる。この部分が本作中で最もプログレ的。終盤の盛り上がりは必聴。アルバムのラストにふさわしい壮大な曲。

Seventh Son of a Seventh Son(第七の予言)』(1988年[7th])
成熟したサウンドとハイクオリティな楽曲!
★★★最高傑作★★★

 

【アルバム解説】

 3rd、5thと並んで最高傑作にあげられるのが今作。特徴としては、6thにて取り入れたギターシンセを今作でも導入。SFチックな雰囲気を醸し出し、アイアン・メイデンにしてはお行儀の良い音づくりになっている。加えて、コンセプト・アルバムであり、個々の曲の展開にも工夫が見られる。叙情的なメロディーも多く見られ、これまでの作品とは一線を画す内容になっている。加えて、ポップさを兼ね備えた曲もある。

 基本的な音楽性は変わっていないものの、ギターシンセの効果とコンセプトアルバムという点は大きい。3rdで見せた攻撃性でもなく、5thのパワーと高揚感でもない。プログレに見られるような、芸術志向、精神世界の追求などがこのアルバムの色だ。

 また、楽曲の成熟度、アルバムの完成度で言えば、間違いなく今作が一番と言える。パワースレイブで見せたような大作あり、簡潔でポップな曲あり、意表をつく展開を持った曲あり、力で押す曲あり。様々なバリエーションの曲を上手く並べ、全体の雰囲気はコンセプトとギターシンセで統一。はじめから終わりまで飽きのこない、非常によく練られた作品となっている。

【収録曲】
  1. Moonchild(Adrian Smith, Bruce Dickinson)5:40
  2. Infinite Dreams(Adrian Smith, Bruce Dickinson)6:09
  3. Can I Play with Madness(Smith, Dickinson, Harris)3:31
  4. The Evil That Men Do(Smith, Dickinson, Harris) – 4:34
  5. Seventh Son of a Seventh Son<>(Harris) – 9:53
  6. The Prophecy(Dave Murray, Harris) – 5:05
  7. The Clairvoyant(Harris) – 4:27
  8. Only the Good Die Young(Harris, Dickinson) – 4:41
【各曲解説/動画で試聴】
  • moonchild」#1(Smith, Dickinson)
  • infinite dreams」#2(〃)
  • can i play with madness」#3(Smith, Dickinson, Harris) 
    本作中最もポップな曲。曲調はストレートなロック。印象的なサビのメロディーが特徴。前編を通して爽やかで疾走感のある曲。演奏時間は3:30ほどと非常にコンパクト。
  • the evil that men do」#4(〃) 
    #3と同じくシンプルで、心地よいメロディーを持つ。ブルース・ディッキンソンの伸びやかな歌声が楽しめる。
  • seventh son of a seventh son」#5 (Harris)
    約10分の大作。厳かで神聖な雰囲気を感じさせる曲。中盤からは5分を超えるインストへと転調。水を打ったような静けさの後に、激しい展開を迎える。#2と対をなす、今作を象徴する曲。
  • only the good die young」#8(Harris, Dickinson)
    シンプルでスピード感のあるリズムが印象的な、アルバムの最後を飾る曲。

Brave New World』(2000年[12th])
メイデンサウンド健在!

【アルバム解説】

 このアルバムは、メンバー編成という点でバンドにとって重要な位置づけにある。7thを最後に90年にエイドリアン・スミスが脱退し、ヤニック・ガーズが加入。93年にはブルース・ディッキンソンが脱退。8thから11thまで(’90~’98)のアルバムではディッキンソンを欠いたメンバー編成となった。その後、この12thにてエイドリアン・スミスとブルース・ディッキンソンが復帰。ヤニック・ガーズもそのままバンドに残り、トリプルギター編成となる。

 バンドにとってとりわけ存在感の大きかったブルース。彼が不在の間はメタルの停滞という背景もあって、バンドの勢いもいまいち。その時期を経て再び黄金期のメンバー編成に戻り、気合の入った第一作目というわけ。特にこのアルバムで目立つのは、音の太さと音質の良さ。タイトでメリハリのある音が前編で楽しめる。一方で、尺の長い曲が多いのが気になる。7分を超える曲が4曲、6分以上も加えれば10曲中7曲。曲はよくても少々冗長に感じてしまう。今後聴きこんでいけばその印象も変わるかもしれない。

【収録曲】
  1. The Wicker Man (Smith/Harris/Dickinson)4:36
  2. Ghost Of The Navigator (Gers/Dickinson/Harris)6:50
  3. Brave New World (Murray/Harris/Dickinson)6:18
  4. Blood Brothers (Harris)7:14
  5. The Mercenary (Gers/Harris)4:42
  6. Dream Of Mirrors (Gers/Harris)9:21
  7. The Fallen Angel (Smith/Harris)4:00
  8. The Nomad (Murray/Harris)9:05
  9. Out Of The Silent Planet (Gers/Dickinson/Harris)6:25
  10. The Thin Line Between Love & Hate (Murray/Harris)8:26