GreenDay(グリーン・デイ)まとめ【おすすめアルバム,名盤,レビュー】

2017年11月8日

GreenDay(グリーン・デイ)のプロフィール

【基本情報】

Dookie(ドゥーキー)」(1994年)
衝撃のメジャーデビュー!ポップ・パンクブーム到来!
★★おすすめ★★

Dookie

【メジャーデビューで1000万枚&グラミー受賞の衝撃】

 グリーンデイは90年代のアメリカの音楽界に突如現れ、新たなパンクの表現を提示し、デビューアルバムでいきなり1000万枚を売り上げ、グラミー賞まで受賞し、ポップ・パンクブームを巻き起こした。

 グリーンデイの(メジャー)デビューアルバムは、上記の文章が全て。音楽界に新たな潮流を生み出し、爆発的ヒットを飛ばし、グラミーまで取っちゃうという、まさに「衝撃的」の一言。そして何より、数々の栄誉にも負けないほどの楽曲のクオリティがある。アルバムから5曲もシングルカットされたが、それらの曲がかすむほど名曲揃い。捨て曲なしとはまさにこのこと。

【ポップ・パンクという新ジャンルを広めた】

 グリーンデイおよびドゥーキーの音楽性や曲調について言うと、基本的にはパンクの要素がある。パンクを簡単に説明すれば、「シンプルなフレーズの繰り返し」「アップテンポ」「反体制・攻撃的な歌詞」がある。歴史的背景から説明すると、60年代末から70年代初頭にかけて、ロックが複雑化し、歌詞も高尚なものになり、テクニックもどんどん上がっていって、元々あった反体制的で大衆的な部分が失われていった。その反発で生まれたのがパンク。そういうわけで、シンプルで誰でも弾けて、攻撃的な音や歌詞となったわけだ。

 とは言え、グリーンデイはあくまで90年代のバンド。もともとあったパンクとは多少異なる。とりわけグリーンデイに特徴的なのは、メロディが良いという点。また、反体制・攻撃的な部分はあるものの、70年代のパンクほどではない。そういうわけで、ポップ・パンクと呼ばれている。

【ノリが良くメロディアスで格好いい】

 話が少々長くなったが、このパンクに関する話を理解していた方が、グリーンデイをより楽しめる。21世紀に発表された名作「アメリカン・イディオット」を理解する上でも、ここで説明しておくべきと思った。さて、グリーンデイの良いところは、とにかくノリが良く、メロディも優れていて、そして格好いい音。これが全て。そのおかげで日本でもかなり早い段階で認知され、知名度もかなり高く、グリーンデイのフォロワーバンドも数多く登場した(Hi-STANDARDが一番わかりやすい)。外国のロックバンドは、海外で売れても日本で知られるまでブランクができるものだが、グリーンデイはかなり早かった。90年代の頃、10代の若者の間でかなり人気があった。そういうわけで、90年代以降に登場した日本の「パンク」アーティストは、ほぼグリーンデイの影響を受けていると言って良い。それくらい、日本でも影響力があった。

 個人的に本作が大好きなのでまだまだ書く。グリーン・デイについてもう少し言うと、あんまり注目されないけど演奏が良い。アグレッシブという言葉が良く当てはまる。スリーピースバンドで、ギター・ベース・ドラムスという編成で、基本的に3人で音を作っている。それを感じさせないくらい、隙間ない音作りが印象的。とりわけドラムのトレ・クールは手数が多くフィルインも多用していて、その辺にかなり貢献している。

【収録曲】
  1. Burnout
  2. Having a Blast
  3. Chump
  4. Longview
  5. Welcome to Paradise(ウェルカム・トゥ・ザ・パラダイス)
  6. Pulling Teeth
  7. Basket Case(バスケット・ケース)
  8. She(シー)
  9. Sassafras Roots
  10. When I Come Around(ホェン・アイ・カム・アラウンド)
  11. Coming Clean
  12. Emenius Sleepus
  13. In the End
  14. F.O.D.(隠しトラック:All By Myself)

「Insomniac(インソムニアック)」(1995年)
前作の勢いそのまま、ヘビーになったサウンドの一作。
★おすすめ★

Insomniac

 衝撃のメジャー・デビューの後、バンドは一気にスターダムにのし上がり、一躍脚光を浴びる存在となる。行き着く間もなく連日のライブ活動となり、当然ながらスケジュールに追われる毎日となる。このアルバムは前作から1年半ほど後に発表されているが、制作はツアーと並行して行われていた。曲作りする余裕のない中で無理やり作ったということで、当時のメンバーの心理状態が如実に表れた内容となっている。

 楽曲のクオリティは高く、とりわけ攻撃性が増した曲が多い印象。ひねくれたようなメロディーも見られる。前作はアルバムの流れもしっかり考慮されたつくりだったが、今作は勢いでどんどん押していく感じ。そこが一番の特徴かもしれない。

 音の面で言うと、前作よりもギターサウンドが強調されていることと、低音に比重をおいた録音がうかがえる。その点で言うと、前作よりも「ヘビー」な内容。ファンからの人気も高い。

【収録曲】
  1. Armatage Shanks
  2. Brat
  3. Stuck With Me
  4. Geek Stink Breath
  5. No Pride
  6. Bab’s Uvula Who?
  7. 86
  8. Panic Song
  9. Stuart And The Ave.
  10. Brain Stew
  11. Jaded
  12. Westbound Sign
  13. Tight Wad Hill
  14. Walking Contradiction

Warning(ウォーニング)」(2000年)
パンクからロックへ。転換期の佳作。

Warning

 メジャーデビューから6年。21世紀目前に発表された今作。作風はパンクからロック、ポップへと大きく転換。ビリーの声も良い意味でクリアで丸くなっている。アップテンポの明るい調子の曲が心地よい。#1,11などはその象徴的な曲。

 今作は、この先のグリーン・デイのキャリアを語る上でも重要な位置づけにある。初期の勢いで押すパンク・ポップは一旦落着き、90年代の末になって「さあこれからどうしよう」という状態になり、とりあえずロック、ポップの路線に舵を切り、一つ前の「ニムロッド」を経て完成したのが今作だからだ。一方で、この頃のバンドはメジャー・デビュー当時の勢いは無くなっていたのは事実。当時は実力のあるバンドが毎年わんさか出て来て、流行の回転も速かった。そんなわけで、はっきり言ってそんなに目立ってなかった。それでもまあ、結構売れていたし、本作に続いて初のベストアルバムも発売。バンドとしては申し分ないほどの稼ぎは得ていた。

 結局ここから4年後に発表された大作「アメリカン・イディオット」で、バンドは新たな方向性を見事に提示して見せ、再びロック界の最前線に躍り出ることになる。本作が発売された当時からすれば、誰もそんな展開は予想していなかった。それでも、#10の曲調などは、アメリカンイディオットへ繋がる雰囲気を持っている。その辺も含めて、要チェックの作品。

【収録曲】
  1. Warning
  2. Blood, Sex And Booze
  3. Church On Sunday
  4. Fashion Victim
  5. Castaway
  6. Misery
  7. Deadbeat Holiday
  8. Hold On
  9. Jackass
  10. Waiting
  11. Minority
  12. Macy’s Day Parade

American Idiot(アメリカン・イディオット)」(2004年)
パンク・オペラ完成!タイトルは「アメリカのアホども」
★★おすすめ★★

アメリカン・イディオット

【ブッシュ政権への批判】

 グリーン・デイが新境地を開拓した記念すべき作品。今作の最大の特徴は、コンセプトアルバムパンク(ロック)・オペラ、痛烈な社会批判、の三つ。アルバムの核は社会批判にあり、アルバムのタイトル「馬鹿なアメリカ人」、そしてタイトルナンバーの歌詞に見て取れる。

  • Don’t wanna be an American idiot
    馬鹿なアメリカ人にはなりたくない

 この言葉から(アメリカの)社会批判が始まる。

  • Don’t want a nation that under the new media
    メディアに支配された国なんて嫌だ
  • The subliminal mindfuck America
    サブリミナル
    が国を操る

 サブリミナルというのは、偏った情報を刷り込むメディアとか、コマーシャル社会とかいう意味だろう。つまりは、メディアが偏った情報を流して国民を支配している。これは社会批判をする上では定番の文句。建前しか言わないメディアや、偏向報道がその例だ。ただ、それに加えて、当時のアメリカで起こっていた事を指している。それは何か?

  • I’m not a part of a redneck agenda
    保守的な奴らとは考えが合わない
  • Now everybody do the propaganda
    最近じゃ皆戦争しようと叫んでる

 ここでようやくわかる。アルバム制作当時は2003年。アメリカはこの年、911テロを受けてイラク戦争を開戦する。保守的というのは、ブッシュ政権に戦争をけしかけたいわゆるネオコンを指しているのだろう。この辺は政治思想の話はややこしいので、とりあえずブッシュ政権批判というわけだ。

 そういうわけで、イラク戦争という21世紀のアメリカの大事件を軸に、アルバムの物語は展開していく。かなりざっくりだが、ストーリーを見ていくと――

 借金ありの酒と薬に溺れる主人公が、ふとした瞬間に世の中のおかしさに気づき、家を飛び出し放浪の生活を始める。自問自答の日々の中で暴力的な人格になるも、同じく世の中に反発する理想主義の女と出会う。誰よりも強く社会に反発し、その一方で孤独に苦しむ女を見て、主人公は我に返る。そして、彼女と別れて現実主義の道を選択する。それでもやはり、後悔は残り、煮え切らない思いを抱えながら、物足りない日々を過ごしていく。

――解釈は様々だが、大体こんな感じだろう。世の中への過度な反発や理想主義はリスクを伴う。だから、あくまで世の中には迎合しないが、あくまで世の中で普通に生きていく。現実主義は大抵むなしいものだが、当たり前の生活はそれはそれでかけがえのないもの。そんな人間の葛藤が描かれている。

【コンセプトアルバム】

 いくら国や政府に反発したって、個人が世の中を変えることなんてできない。ならば、あくまで自分の理性や主義は保ちつつも、今の世の中で生きていくしかない。例えそれで大切なものを失うとしても、自分自身を、そして当たり前の日常を失うよりはましだ。そんなメッセージが込められている。

 本作はコンセプトアルバムであり、テーマに沿ってアルバム一枚で物語を展開している。作品としての評価が高いのは、楽曲のクオリティはもちろん、コンセプトが当時の社会にとって需要なテーマと合致しており、そこで描く物語も面白いからだろう。結果的に1000万枚を超えるメガヒットを記録し、メジャーデビューのアルバム以来、二度目のグラミーも受賞した。それまでのグリーンデイの作風から一転し、壮大なテーマを表現したことで、当時はかなり話題になった。

 【パンク(ロック)・オペラ】とは?

 本作はロック・オペラという要素ももっている。このロック・オペラというのは、簡単に言うと複数の曲を組み合わせた曲(組曲)で、かつ曲全体で一つのストーリーを表現しているというもの。この概念を最初に取り上げたのは、グリーン・デイのメンバーもリスペクトするロックの大御所ザ・フーピート・タウンゼント。1969年にロックオペラ「トミー」というアルバムをつくり、それによって世に広まった。トミーはまさにオペラというべき構成(実際にオペラ化・映画化されているほど。)で、最初期のコンセプトアルバムの一つとしても知られる。

 アメリカンイディオットでは、#2「Jesus of Suburbia」#12「Homecoming」がそれぞれ5つの短い曲をつなげた形になっている。ザフーのアルバムを聴いてもらえばわかるが、作り方はほとんど一緒。というより、バリバリに影響を受けている。音楽性も似ているところがあるし、パンクをやっているアーティストは必ずと言って良いほどザ・フーを一度は通る。ただし出来栄えは素晴らしい。30年前のロック・オペラを21世紀に再現し、素晴らしいクオリティをもって世に受け入れられたという点は、はっきり言ってすごい。

【収録曲】
  1. American Idiot
  2. Jesus of Suburbia
     Ⅰ. Jesus of Suburbia
     Ⅱ. City of the Damned
     Ⅲ. I Don’t Care
     Ⅳ. Dearly Beloved
     Ⅴ. Tales of Another Broken Home
  3. Holiday
  4. Boulevard of Broken Dreams
  5. Are We the Waiting
  6. St. Jimmy
  7. Give Me Novacaine
  8. She’s a Rebel
  9. Extraordinary Girl
  10. Letter Bomb
  11. Wake Me Up When September Ends
  12. Homecoming
     Ⅰ.The Death of St. Jimmy
     Ⅱ. East 12th St.
     Ⅲ. Nobody Likes You
     Ⅳ. Rock and Roll Girlfriend
     Ⅴ. We’re Coming Home Again
  13. Whatsername

洋楽

Posted by hirofumi