『ゴジラ(1984)』の感想

冷戦時代に復活した「平成ゴジラ」!

ゴジラ(1984年度作品) [60周年記念版] [DVD]

 1984年のゴジラは平成の「正統派」ゴジラ!

【あらすじ】

 ソ連の原子力潜水艦が日本海で撃沈され、アメリカの攻撃と勘違いしたことで米ソ関係が悪化。しかし、それはゴジラの仕業だった。ゴジラは日本に上陸して原子力発電所を襲うなどする。米ソは日本に核兵器を使用しての撃退を勧めるが、日本政府は非核三原則からそれを拒否し、別の方法でゴジラを撃退する。その一方で、ソ連の核ミサイル装置が誤作動を起こし、新宿に向けて発射されてしまう。

 

 

【設定・見どころ】
  • 米ソ冷戦、日本の原子力発電所、非核三原則など、時代性を踏まえつつゴジラのテーマ「核」を描く
  • 新宿の高層ビル群とゴジラのコントラスト
  • ビルのガラスに映るゴジラ、新幹線を鷲掴みするゴジラなど、ゴジラの見せ方が工夫されている

 

 平成ゴジラは、初代ゴジラ(昭和のゴジラ)の不気味さを持ちつつ、キャラクター性を高めたのが特徴です。昭和のゴジラよりもディティールにこだわりが見え、瞳も生気のこもったものに変化しています(昭和のゴジラは爬虫類のような無機質で感情の無い瞳をしています)。ただ、恐ろしさはしっかり残っていています。不気味さとキャラクター性を両立した、バランスの良いゴジラです。

 また、ストーリーでは時代性を上手く利用しています。終戦から何十年もたち、高度経済成長を経て、日本はバブル目前。経済的に成熟した日本ですが、その一方で米ソの冷戦、原子力発電所の存在など、危険と隣り合わせの平和、あるいは繁栄を描いています。高層ビル郡の灯りの中を、ゴジラが闊歩するシーンは、まさにその象徴です。

 他にも、作中で核兵器の使用を巡って政治家が激論を交わすシーンもなかなか見ものです。ゴジラに原子力潜水艦を撃沈されたロシアは、核攻撃でのゴジラ撃退を勧めます。一方で日本は、非核三原則を盾に拒否。米露の首相に物怖じせず意見する首相の姿が勇ましいです。

 

 

1984年の『ゴジラ』は、初代ゴジラと合わせて必ず見ておきたい作品の一つです。初代の素晴らしさは言うまでもありませんが、初代を上手く利用しつつ、時代に合わせて発展させたゴジラの姿に工夫が伺えます。実写と特撮(SFX)のバランスも、この頃が一番良かったと個人的に思っています(3Dも含めて、21世紀の特撮は「やり過ぎ」感があります)。いずれにしても、名作です。

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