日本ハムファイターズ移転問題まとめ[本拠地,球場,北広島,真駒内]

球団経営がわかればプロ野球がわかる (星海社新書)

日本ハムファイターズ移転問題まとめ – もくじ

  • 日ハム移転問題の経緯
    • 2016年5月24日付のスクープ記事
    • 日ハム側が訴える問題点・不満点
    • 札幌市の当初の姿勢
    • 北広島市の誘致活動・提案書提出(2016年12月)
    • 札幌市の姿勢変化(2017年~)
    • 移転問題は大詰め/札幌市の第3の候補地(2017年10月~)
  • 日ハム移転問題の核心/札幌ドームの売上は日ハムに依存
    • 札幌ドームの所有者・管理者・利用者
    • 札幌ドームの経営・売上構成
    • 日本ハムファイターズの不満と移転後の問題
    • 参考データ・・その他参考サイトなど

日ハム移転問題の経緯

2016年5月24日付のスクープ記事

■2016年5月24日、日刊スポーツ等

 新球場建設のスクープ。2024年前後の開業を目指す。球場は開閉式ドーム・総天然芝・3万人収容。候補地は札幌市、及び同市外。新球場移転理由は、チーム・ブランド力は申し分ないが球場運営等のハード面で苦戦しているため。

日ハム側が訴える問題点・不満点

■ハード面での問題点
  • 選手のプレー環境・ファンの観戦環境に問題が生じても素早い対応ができない。
  • 売店の管理・運営に制限、売店・広告収入の大半を札幌ドームに収める。
  • 球場使用料・諸経費で約13億円の支払い。
  • 後述する命名権売却失敗
  • 改築やイベント開催には市の許可が必要

参考:日本ハム新球場、8年後完成目指し球団が建設検討

■札幌ドーム側に対する不満
  • 札幌ドームの売り上げは約3割をファイターズに依存している一方(本記事後半「日ハム移転問題の核心」にて詳細説明)、これまでに値下げ交渉を行っても上手くいかず、2016年には逆に使用料が値上げ。
  • 球場改修のための資金獲得のため、ネーミングライツ売却を行ってきたが、市の不手際から過去3度に渡って失敗。

札幌市の当初の姿勢

■市の当初の姿勢

 札幌市・秋元克広市長「できれば(移転先は)札幌。使用料の引き下げ等での引留めはしない」

■2016年12月の四者会談

 市、コンサドーレ札幌、日本ハムファイターズ、札幌ドームの四者会談の席上で、市はドームの野球専用化を提案するも拒否される。

北広島市の誘致活動・提案書提出(2016年12月)

 2016年12月20日、北広島市の上野正三市長が、8000を超える住民のメッセージと共に誘致に向けた提案書を島田利正球団代表に提出。市は可能な限り球団の希望に沿った球場および周辺施設の建設・運用を考えている。

 市が提示した建設候補地は「きたひろしま総合運動公園」内20ヘクタールの敷地(※札幌ドームは30ヘクタール)。野幌原始林が隣接する自然豊かな土地。北広島駅からは1.5kmほどの距離に位置する。

  • 北広島市
    • 位置:札幌の南東20kmほどに隣接
    • アクセス:電車20分、車35分(札幌駅から北広島駅)
    • 人口:約6万
    • 特徴:札幌のベッドタウン、石狩平野を生かした農業、都市圏を生かした工業が盛ん。

参考:北広島市、誘致へ球団に提案書

札幌市の姿勢変化(2017年~)

 2017年に入り、球団が移転した場合に、ドームの収支がどの程度変化するかを試算し始める。結果は、収支悪化・赤字を税金で補填となり、移転問題に対する方針の変化を迫られる。

 札幌市は市内残留の働きかけを始め、札幌ドームに近い「八紘学園」と「月寒ドーム跡地」(約13ヘクタール)、「北海道大学構内西部or北部」(10ヘクタール)の候補地を提案。

 一方で、北広島市はすでに球団担当職員を交えての実務者協議会を複数回行っており、札幌市にとっては後手後手の対応となってしまった。

移転問題は大詰め/札幌市の第3の候補地(2017年10月~)

■第3の候補地「道立真駒内公園」

 2017年10月25日、球団は市が提案した2候補地の協議継続困難だと正式表明。一方で、札幌市内の第3の候補地として「道立真駒内公園」が浮上。問題は2018年3月までの期限に間に合うかどうか。加えて、冬季五輪の会場候補地となっていることとの兼ね合いがある。

 北広島市との協議では、土地使用料・税減免措置など具体的な話を始めており、こちらも大詰めの局面を迎えている。

■2017年11月 道立真駒内公園でほぼ決定?

 秋元克広・札幌市長が定例会見にて冬季五輪会場を帯広市の施設へ変更することを表明。それに伴い、球団との実務者協議にて、道立真駒内公園を正式提案する方針を固めた。

日ハム移転問題の核心
札幌ドームの売上は日ハムに依存

札幌ドームの所有者・管理者・利用者

  • 札幌ドーム
    • 所有者:札幌市と市の財界団
    • 指定管理者:札幌ドーム(第三セクター)
    • 利用者:日本ハムファイターズなど
【参考データ】

札幌ドームの持株比率:
札幌市55、商工会議所5、北電5、道新3、北洋銀行3、北銀3、サッポロビール3など)
(参考:決算情報|会社情報・CSR・施設改善|札幌ドーム)

札幌ドームの経営・売上構成

 札幌ドームは第三セクターという公的な企業でありながら、経営努力で黒字を維持している。設備投資にも積極的で、2015年には大型ビジョン更新に約9億もの費用をかけ、サービス向上に努めている。(参考文献pp90-91)

 一方で、売上高(41.4億)のうち40%以上を占める賃館事業(17.5億)に対し、ファイターズが支払う賃貸料は13億と報道されている。(参考:決算情報|会社情報・CSR・施設改善|札幌ドーム 2017年3月期(第19期)「事業報告」「計算書類」)

 黒字経営の札幌ドームだが、売り上げの実に3割をファイターズに依存している現状。ファイターズが移転したとすれば、その穴埋めに大変な努力を要する。

日本ハムファイターズの不満と移転後の問題

 あくまでドームの利用者のため、売上のマージン支払い、賃貸料など合わせて毎年13億程度もドームに支払う。そこで、指定管理者の道も模索(ドームの運営権が得られる)したが、コンサドーレとの兼ね合いで実現せず。札幌ドームへの貢献度を見ればドーム側が賃料などで譲歩してもいいのだが、ドーム改築の交渉や賃料値下げ交渉はいずれも決裂。

 移転することでファイターズは球場内外での商業施設を自由に運営管理でき、グッズ売上ともどもすべて球団の収益となる。チームやファンのための設備増強も迅速に出来、こうzメリットは非常に多い。

 一方で、移転した場合、建設費(参考:札幌ドーム400億,福岡700億)の問題に加えて、野球開催日以外の利用にて、札幌ドームと競合関係になる(参考文献pp87-89)。

参考データ・その他参考サイトなど

【札幌ドームの売上構成】
  • 売上高:約41.4億
    • 貸館事業:約17.5億(42.3%)
      施設のイベント利用への貸出、イベント運営サポート
      一般市民利用管理(野球、サッカー、トレーニング室)
    • 商業事業:約11.5億(27.8%)
      ドーム内の飲食物販事業の管理運営
    • 観光事業:約2669万(0.64%)
      ドーム展望台・ドーム見学ツアーの運営
    • その他事業:約12億(29.0%)
      チケット事業、札幌ドームメンバーズクラブの運営、駐車場事業、広告事業など
【その他参考記事】