米TPP離脱にどう対処すべきか?

アメリカ抜きのTPPは好都合!?
日本は東南アジアのリーダーを目指せ!?

TPPがビジネス、暮らしをこう変える

アメリカ第一主義とTPP脱退

 トランプ”次期”大統領が、11月21日付けでTPPからの脱退を改めて公言した。大統領選後からの新聞なんかを読んでると、アメリカは経済・貿易に関して、TPPでの多国間交渉をせず、二国間交渉を行うつもりらしい。これは結局何が違うかっていうと、多国間交渉では複数の国の事情に配慮しなきゃならない。つまり、わがままは通しづらいということ。一方二国間交渉なら、交渉次第で無理を通せる。自国に有利な取り決めなんかもできるというわけだ。

 つまり、トランプは選挙の時に言っていた通り、「アメリカ第一主義」を押し通すということ。言い換えれば「世界の経済よりも自国の経済を重視します」という姿勢。TPPに参加すれば世界のリーダーとして、自国の事情は二の次にしなければならなくなる。だから、TPPは脱退するということだ。

 TPP脱退は選挙の時点から言っていたこと。なら、なんでメディアが騒いでるのかというと、「本当にやるとは思わなかった」というのが本音だろう。ここ10年20年にかけて「グローバル化」と言い続け、TPPも何年も前から準備してきた。世界中でこれまでにない自由貿易をすることで、世界全体で経済を活性化させようってものだった。それをまさか、ギリギリになって拒否するなんて、しかも世界一の大国アメリカが……ということだ。

 

安倍首相とトランプの交渉はいかに

 さて、こうなると避けられないのは日米、安倍トランプの二国間交渉だ。最重要の議題はTPP(経済)と日米同盟。はっきり言って、トランプ勝利で日本が騒いでるのはこの2点に限られる。国民の大半は戦争のイメージがあるから日米同盟で騒いでいるけど、むしろTPPの方が大問題。国民の生活にダイレクトで影響が出るし、それも何年か先というレベルじゃないだろう。すでに影響が出てるって言っても過言じゃない。

 さて、面倒な話は置いておき、日米間の交渉はどうなるか? アメリカが要求するのは、アメリカにとって有利な条件。保護的な経済を目指すとなれば、さまざまな方法で日本の製品を締め出すことも考えられる。輸出産業はダメージを食らい、日本の経済は間違いなくマイナスに進む。少なくとも上向きだった景気は停滞してしまうだろう。

 では、アメリカとの交渉において、日本はどういった交渉アイテムを持ってるか? はっきり言って、目ぼしいものは何も見当たらない。これまでのアメリカとの外交を見ていると、アメリカが無理を言い、日本は断れず、良くて妥協案を受け入れるといったところ。日本は無理難題を押し付けられるも、自慢の生真面目さと努力とで乗り越えていく……というところだ。

日本は今こそ「アジアのリーダー」、否、「東南アジアのリーダー」になるべき

 じゃあ日本はどうすればいいか。一つ考えられるのは、アメリカ抜きの経済協定に力を入れることだ。アメリカ依存の経済から脱却し、新たな市場を開拓し、本当の意味でのグローバル企業をこれから育てるしか無い。世界にじゃんじゃん製品を送り出し、世界的なブランドを築いているのは結局トヨタとか任天堂くらいしか思いつかない。あとはユニクロあたりがいい線行ってるか? いずれにしても、昭和の時代とあんまり変わってないし、グローバル企業なんて日本にほとんどないんだ。

 経済協定はEU相手のもあるし、アジア、東南アジア、それから中東・アフリカ向けのなんかもあるんだろう? 特に今はアジア。中国がアジア一の経済大国になり、韓国の家電製品が世界を席巻しているけど、まだまだアジアの本当のリーダーは不在。日本にもチャンスはある。TPPクラスの自由貿易協定はまだ世界に一つもないんだから、それをアジアでやりゃあいいんだ。RCEPなんてのがあるらしいけど、それだけじゃなく、東南アジアとか中国・韓国を抜きにした協定でアジアの先進国を出し抜くくらいの気概が必要だよ。

 ついこの間までユニクロのタグにはおなじみ「MADE IN CHINA」とあったけど、今は「MADEIN VIETNAM」の文字。今やアジアで将来性のある市場はタイ、フィリピン、ベトナムってところに移っている。昔じゃ考えられない話だ。でも、今は東南アジアに大きな市場がたくさんあるってことだ。そこで日本ブランドをどんどん売り込んで、東南アジアで自動車でも家電製品でも、何でも売りまくりゃあいい。そうやって東南アジアとの経済面のつながりを強固にしておけば、今後、例えば中国がアジアのリーダーシップ取ろうとした時。あるいはアメリカが方針転換した時、交渉する上で引き出しが増えるだろう。

いや、アメリカ抜きのTPPでいいじゃん!?

 TPPはもうダメなんて言われてるけど、ここでアメリカがいないと本当に無意味なのか考えてみる。環太平洋ということで、南米諸国や東南アジア、オーストラリアも参加している。今はまだ小さな市場であっても、これらの将来性のある国と自由貿易交渉を行っていくことは、果たして日本にメリットがほとんどないと言えるのか?

 TPPの議論が出始めていた頃は、「アメリカが日本の市場を食いに来ている」なんて批判されていた。メリットもデメリットも多いTPPだけど、そのアメリカが抜ける可能性が高くなった今、日本はTPPを見直すいいチャンスなんじゃないか? TPPの議論は錯綜していてよくわかんないけど、いくつかリンクを張っておこう。

 日米同盟においても、TPPにおいても、アメリカはある意味日本を「突き放す」ことになる。「自分でちょっと考えろ」っていう姿勢だ。これは日本にとってどう転ぶか。世界を見れば自由貿易は推進の方向に傾いている。そんな中で、日本の懸念は「交渉能力の低さ」だろう。加えて、農業や医療などに顕著だが、産業全体が自由よりも安全重視というところだ。そこでいきなり極端な自由貿易をすることに、大きな不安がある。

 トランプショックをきっかけにTPPを見つめ直し、日本に合った自由貿易の方法を確立していくべきではないだろうか……?