『DINOSAUR(ダイナソー)』B’z(ビーズ)レビュー[解説,評価,感想,新作]

2017年11月19日

『DINOSAUR(ダイナソー)』(2017年)
70年代ハード・ロックを意識した力作!

★2017.11.19更新

DINOSAUR

『DINOSAUR(ダイナソー)』 – もくじ

<アルバムレビュー・解説>

  • 収録曲/動画で試聴
  • 各曲解説・感想
    • 1.Dinosaur
    • 3.Still Alive
    • 6.声明
    • 12.King Of The Street
  • 『DINOSAUR(ダイナソー)』とは?どういう意味?
    • タイトルに込められた想い
    • B’zと70年代ハード・ロック
  • B’zの過去のハード・ロック作品を聞いてみよう
    • ディープ・パープル
    • エアロスミス
    • レッド・ツェッペリン
    • ヴァン・ヘイレン
    • AC/DC

★B’zのアルバムまとめ記事もどうぞ!

アルバムレビュー・解説

収録曲/動画で試聴

★動画追加(2017.11.19)

【収録曲】

★:下記にて解説あり

  1. Dinosaur
  2. CHAMP
  3. Still Alive
  4. ハルカ
  5. それでもやっぱり
  6. 声明
  7. Queen Of The Night
  8. SKYROCKET
  9. ルーフトップ
  10. 弱い男
  11. 愛しき幽霊
  12. King Of The Street
  13. Purple Pink Orange
【初回限定盤DVD・Blu-ray収録内容】

『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017』出演時のライブ映像完全収録!

  1. さまよえる蒼い弾丸
  2. Liar! Liar!
  3. さよなら傷だらけの日々よ
  4. 有頂天
  5. 裸足の女神
  6. イチブトゼンブ
  7. Still Alive
  8. 衝動
  9. juice
  10. ギリギリchop
  11. ultra soul
【おすすめ曲・Youtube検索】

各曲解説・感想

1.Dinosaur

 ダイナソーの名の通り、恐竜の咆哮を思わせるようなギターが鳴き、ディストーションかけまくりの毒気のあるソロが続く。やがてメタル調のギターリフが始まりを告げ、爽やかな音色へと変化していく。緩急をつけたトリッキーな展開のサビは「誰もまだ俺の本当の色を知らない」という言葉で、タイトルと関連付けた楽曲のテーマを高らかに叫ぶ。

 アルバムのスタートとしてこれ以上ない、毒気と壮大さと力強さを兼ね備えた、一筋縄ではいかない楽曲となっている。

3.Still Alive

 和の旋律を奏でる水々しいピアノとファルセットは、スピード感あるシンセサイザーとギターによって切り裂かれる。どこか懐かしい、歌謡曲・JPOP風のメロディは、爽やかかつアップテンポな、ライブ映えしそうなサビへとつながる。

 90年代のB’zを思い出させるような、お得意の歌謡ロック、否、歌謡”ハード”ロックである。打ち込みサウンドの使い方はやはり上手い。本気でダンス系の曲でも書いてもらいたいくらいだ。今の時代、ここまで心地よくキャッチーな歌謡曲を書けるアーティストは少なくなってきた。今後のシングル曲などで同系統の曲をヒットさせて欲しいものだ。

6.声明

 唐突な激しいドラムソロから、和のテイストを持ったギターリフで曲が展開されていく。B’zらしいメッセージ性の強いこの曲は、サビの前にある意味で絶頂を迎え、「声明」というささやきの間をもって「この度私は変わります」と宣言する。

 「声明」とは個人にとって大きな責任を伴う宣言であり、個の裏にある組織まで背負った重いものだ。それを言葉に発するとき、まさにこの曲のように、サビ(=声明を発する)の前までに心拍数は絶頂を迎え、いざ声を出してしまえばあとはどうってことない。「限界もNGも無くします」「少々痛いのも気にしません」とこうなるわけだ。

 シングル曲とあって、曲と歌詞でテーマを伝えるのが非常に上手い。近年のB’zに見られる、肩の力の抜いたサウンドや歌唱も心地良い。アルバム中盤でのギア・チェンジとして役割十分である。

12.King Of The Street

 70年代のハードロックの流れを汲むアイアン・メイデンあたりからの影響が見て取れるナンバー。疾走感あふれる高速のリズム隊とリフが曲を引っ張り、サビでは一転メロディアスな展開を見せる。また、ディープ・パープルを彷彿とさせるキーボードも良いアクセントを加えている。アルバム終盤で大きな存在感を放つ、フィナーレ目前のハイライトとも言える名曲。

『DINOSAUR(ダイナソー)』とは?どういう意味?

タイトルに込められた想い

 今回のアルバムは70年代ハードロックを意識したものとなっている。そしてアルバムタイトル「DINOSAUR(ダイナソー)」は「恐竜」を意味するが、そこから転じて「時代遅れ」「巨大で扱いにくいもの」という意味としても使われる(参考:dinosaurの意味 – 英和辞典 Weblio辞書)。ここで、「ダイナソー」「70年代ハード・ロック」という二つのキーワードについて、メンバーの考えを見てみよう。

今回のアルバムの方向性として、ディープ・パープルのような「70年代ハードロック」をイメージして制作が進められていた。
(中略)
ドラマーのシェーン・ガラースから「『DINOSAUR』は、時代遅れのものという意味があり自虐的に聞こえる」という話をメンバーは聞いたが、「自分たちがそこに楽しみを見出してやる」「古いけど、こういうのもありますよ、的な感覚で」とポジティブに捕らえ

引用元:DINOSAUR (B’zのアルバム) – Wikipedia

 ハード・ロックというジャンルは70年代に最盛期を迎え、そこから数々のアーティストによって現在まで受け継がれている。しかし、決して「流行」の音楽ではない。70年代の「初期のハード・ロック」となれば尚更だ。しかし、B’zはその時代の音楽から多大な影響を受けており、それをアルバムのテーマとして掲げた。そして、あえて「ダイナソー=時代遅れ/巨大で扱いにくい」というアルバムタイトルを採用し、ベテランのアーティストとして「時代遅れといわず楽しもうよ」というスタンスを示しているのである。「巨大で扱いにくいものでも、ベテランらしく上手に扱ってみせるよ」というわけだ。

B’zと70年代ハード・ロック

 さて、B’zの音楽はいろいろなジャンルを含んでいるが、あえて一つジャンルを選べと言われれば「ハード・ロック」が一番しっくりくる。ハード・ロックというのは1970年代初頭に登場し、その後も様々なアーティストによって受け継がれてきたジャンルの一つ。激しいエレキギターと高音ヴォーカル、そしてズシンと重い低音に比重を置いたリズムが共通のキーワード。

 具体的なアーティストをあげれば、70年代ならばザ・フー、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ブラックサバス。70年代中期になるとクイーン、エアロスミス、キッス、AC/DCなどが登場する。80年代につながるジャーニー、ボストンといったアーティストもこれに加わってくる。彼らが現在までに音楽界に与えた影響は多大であり、名だたるアーティストたちによってその名が受け継がれてきている。今でも現役のアーティストもおり、今でも根強いファンがおり、若い人でも好きなアーティストの音楽性を遡っていき、彼らにたどり着いて新たなだん

B’zの過去のハード・ロック作品を聞いてみよう

 さて、実はB’zはこれらのアーティストへのオマージュと言える曲をこれまでいくつも発表している。それを見ていけば、B’zの音楽性も見えてくる。B’zが好きという方は、これらの洋楽も聞いてみるのをおすすめする。どのバンドも素晴らしい音楽性を持ち、ハード・ロック入門としても最適。

ディープ・パープル

  • EPIC DAY(2015『EPIC DAY』収録) – 「Burn」(ディープ・パープル)

 日本ではCMなどでこれまで数多く使用されてきたディープ・パープル。彼らの有名曲への強いオマージュが感じられるのがこの曲。もはやオマージュというよりカバーに近い。松本氏はディープ・パープルへの思い入れが強く、演奏・作曲ともに影響を受けている。

 B’zの曲調と最も近いハード・ロックバンドは誰か?と聞かれれば、ディープ・パープルという答えも候補の一つだ。

エアロスミス

  • 光芒(2007『ACTION』収録) – 「Dream On」エアロスミス

    共にライブも行ったおなじみエアロスミス。彼らもブルースを基調としたハード・ロックバンド。この曲はバラードだが、彼らに受けた影響がうかがい知れる1曲となっている。
  • 憂いのGYPSY(『IN THE LIFE』1991収録) – 「What It Takes」エアロスミス
    こちらはほとんどカバーに近い作品。

レッド・ツェッペリン

  • 雨だれぶるーず(2006『MONSTER』収録) – 「Dazed and Confusedレッド・ツェッペリン
    レッド・ツェッペリンはハード・ロック/メタルの元祖とも呼ばれるロック史に残るバンド。ブルースを基調としたハード・ロックが特徴で、稲葉氏もこれまでのインタビューなどで度々その名前を出している。
  • Sweet Lil’ Devil(『The 7th Blues』収録) – 「HeartBreaker」レッド・ツェッペリンの中盤のギターリフを引用。
  • FEAR(1999『Brothehood』収録) – 「The Wanton Song」レッド・ツェッペリン

ヴァン・ヘイレン

  • Time Flies(2009『MAGIC』収録) – 「Beat it」(マイケル・ジャクソン)
    この曲には80年代のギタリスト「エディ・ヴァンヘイレン」が参加している。ハードロックの超有名曲。B’zの「Time Flies」ではよりギターを強調した仕上がりとなっている。

AC/DC

  • Real Thing Shakes(1996年のシングル曲) – 「Back In Black」AC/DC

 全編英詩のギターリフの利いたこの曲。オーストラリア出身の世界的バンドAC/DCからの影響がうかがえる。

邦楽

Posted by hirofumi