『DINOSAUR(ダイナソー)』B’z(ビーズ)レビュー[解説,評価,感想,新作]

2017年12月22日

『ダイナソー』(2017.11.29)
90年代サウンド&ジャズ,ソウル,ファンク融合!

★★近年では屈指の出来!

★展示会開催情報
B’z 30th Year Exhibition “SCENES” 1988-2018
★メディア情報等更新(2017.12.10)

メディア出演情報

DINOSAUR

もくじ

PAGE 1(本ページ)

  • アルバム購入後の感想
    • 90年代のB’zサウンドに近年の新傾向がプラス!
    • 「ダイナソー」=あえて歌謡曲・90年代を意識
  • 収録曲/初回限定版DVD
  • 各曲解説・感想
    • 1.Dinosaur
    • 2.CHAMP
    • 3.Still Alive
    • 4.ハルカ
    • 5.それでもやっぱり
    • 6.声明
    • 9.ルーフトップ
    • 11.愛しき幽霊
    • 12.King Of The Street

PAGE 2

  • 「ダイナソー」とは? B’zのコメント・インタビュー
    • B’z RADIO-GYM 802(17.11.25放送)より
    • タイトルに込められた想い

PAGE 3

  • B’zの過去のハード・ロック作品を聞いてみよう
    • B’zと70年代ハード・ロック
    • ディープ・パープル
    • エアロスミス
    • レッド・ツェッペリン
    • ヴァン・ヘイレン
    • AC/DC

B’zまとめ

アルバムレビュー・解説

アルバム購入後の感想

90年代のB’zサウンドに近年の新傾向がプラス!

  発売当日に実際にアルバムを聞いてみた感想は、ポイントが3つ。

  1. 「過去のB’zサウンドを復活」
  2. 「ジャズ、ファンク、ソウル、ブルースなどの新要素」
  3. 「基本のハードロックサウンドはしっかり」
1. 「過去のB’zサウンドを復活」

 #2「CHANP」#3「Still Alive」が好例であり、メロディラインや打ち込みのアレンジの面で90年代のB’zを強く感じさせる。#3は打ち込みハードロックが特徴のウルトラソウルのカップリング「ROCK man」を感じさせ、#5「それでもやっぱり」も往年の名曲「ALONE」を想起させる名曲バラードだ。90年代のB’zを知る人には非常に懐かしい楽曲が満載である。

2. 「ジャズ、ファンク、ソウル、ブルースなどの新要素」

 #4「ハルカ」#10「弱い男」の他、#7「Queen Of The Night」に見られる。とりわけ#10はその歌詞も非常に面白く、サックスのソロパートもありと、アルバム中で最も注目すべき曲と言える。#11「愛しき幽霊」はブルースを取り入れ、歌詞も合わせて渋くも切ない楽曲に仕上がっている。ちょうど『LOOSE』(1995年)『SURVIVE』(1997年)の後半の展開を思い出させる。#8「SKYROCKET」#9「ルーフトップ」などのこれまでにない曲のアンサンブル展開の楽曲も見どころ。

3. 「基本のハードロックサウンドはしっかり」

 #1「Dinosaur」#2「Still Alive」#6「声明」#12「King Of The Street」など。とりわけ#12は70年代~80年代にかけてのオーソドックスなブリティッシュ・ハードロックを取り入れている名曲。#1は冒頭のギターインストの他、大胆な構成のサビも合わせて、聞く人に大きな驚きを与える。全編に渡ってハードなサウンドは見られるが、楽曲の中でのメリハリがはっきりしており、完全なハードロック曲はこの三つが中心だろう。

「ダイナソー」=あえて歌謡曲、90年代を意識したアルバム

 タイトルダイナソーは「古臭い」「時代遅れ」という意味も持つ。これについてメンバーは

アルバム制作の中でダイナソーって曲のために出て来た言葉なんですけど、「古臭い」という意味があって、「時代遅れ」みたいな(笑)。「何それ」みたいな意味もありながら、例えば恐竜にしたって誰も本物を見たことが無い。その中で、人の知らないカラーを持ってたりとか、音があったり、見た目があったり、未知な部分、ミステリアスな部分がある。「一応、みなさん知らないところで、進化しているんですよ」という意味を見出すというか。我々にピッタリなコンセプトだと言うことになって、アルバム全体の雰囲気とそういった意味合いがピッタリ来た。

引用元:11.25(土/21:00~) – B’z RADIO-GYM 802 〜DINOSAUR〜より

  と語っている。その答えは、あえて過去のB’zの曲調を取り入れつつ、近年になって楽曲に取り入れることの多くなった「ブルース、ジャズ、ファンク」といった要素を加え、基本のハードロックは忘れないというものだと感じた。

 アルバム全体を通じて歌謡曲風のメロディがちりばめられている一方で、遊び心も強く感じ、かつ得意のハードサウンドで仕上げる。これが、アルバムのテーマというわけだ。

収録曲/初回限定版DVD

【収録曲】

★下記にて解説あり

  1. Dinosaur
  2. CHAMP
  3. Still Alive
  4. ハルカ
  5. それでもやっぱり
  6. 声明
  7. Queen Of The Night
  8. SKYROCKET
  9. ルーフトップ
  10. 弱い男
  11. 愛しき幽霊
  12. King Of The Street
  13. Purple Pink Orange
【初回限定盤DVD・Blu-ray収録内容】

『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017』出演時のライブ映像完全収録!

  1. さまよえる蒼い弾丸
  2. Liar! Liar!
  3. さよなら傷だらけの日々よ
  4. 有頂天
  5. 裸足の女神
  6. イチブトゼンブ
  7. Still Alive
  8. 衝動
  9. juice
  10. ギリギリchop
  11. ultra soul
【おすすめ曲・Youtube検索】

各曲解説・感想

1.Dinosaur

 ダイナソーの名の通り、恐竜の咆哮を思わせるようなギターが鳴き、ディストーションかけまくりの毒気のあるソロが続く。やがてメタル調のギターリフが始まりを告げ、爽やかな音色へと変化していく。緩急をつけたトリッキーな展開のサビは「誰もまだ俺の本当の色を知らない」という言葉で、タイトルと関連付けた楽曲のテーマを高らかに叫ぶ。

 アルバムのスタートとしてこれ以上ない、毒気と壮大さと力強さを兼ね備えた、一筋縄ではいかない楽曲となっている。

2.  CHAMP

 今回のアルバムは90年代の初期のB’zを想起させる曲が多い。これもその一つで、キャリア3枚目のアルバム『BREAK THROUGH』(1990年)収録、#4「BOYS IN TOWN」のイントロを彷彿とさせる(動画参考)。往年のファンにとっては懐かしくもあり非常にうれしい。

 その後はハードなギターリフを挟み、サビで一気にテンションを上げる。サビの「I’m a Champ」というフレーズはこれまでのB’zのサビの中でも非常に力強く、クイーンの「We are the Champion」を彷彿とさせる。デビュー当初から30年経ったB’zの進化を垣間見れる一曲。アルバム2曲目にしてゴージャスな曲であり、アルバム序盤はシングル曲も含めて一気に展開してく。

3.Still Alive

 和の旋律を奏でる水々しいピアノとファルセットは、スピード感あるシンセサイザーとギターによって切り裂かれる。どこか懐かしい、歌謡曲・JPOP風のメロディは、爽やかかつアップテンポな、ライブ映えしそうなサビへとつながる。

 90年代のB’zを思い出させるような、お得意の「歌謡”ハード”ロック」である。打ち込みサウンドの使い方はやはり上手い。疾走感を煽るシンセサイザーの音や楽曲展開を見ると「ウルトラソウル」(2001年)のカップリング曲「ROCK man」(動画参考)を思い起こさせ、低く落ち込んでいく独特のBメロは「FRIENDS」(1992年)を想起させる。

 今の時代、ここまで心地よくキャッチーな歌謡曲を書けるアーティストは少なくなってきた。今後のシングル曲などで同系統の曲をヒットさせて欲しいものだ。

4.  ハルカ

 ファンク調のメリハリの良いリズムの楽曲。ソウルやブラックミュージックなど、ルーツミュージックからの影響が覗える。サビで迎える大胆な転調など、聞きどころ満載の曲。これまでもB’zはファンクやジャズの要素を楽曲に取り入れたことがあるが、この曲は今までで最も本格的に取り入れている。

5.それでもやっぱり

 これはもう2017年版「ALONE」(動画参考)である。ピアノとボーカルのアコースティックで展開する序盤に加えて、サビの頭の音階が上がるメロディーはALONEのイントロ部分を思い出させる。一方で、この曲のメロディーはこれまでのB’zにはない新鮮さをもっている。歌謡曲を感じさせる美しいバラードである。

 この曲はライブでも盛り上がりそうな予感がするし、総合的に言って今後のキャリアでも名曲として語り継がれるのではないだろうか?

6.声明

 唐突な激しいドラムソロから、和のテイストを持ったギターリフで曲が展開されていく。B’zらしいメッセージ性の強いこの曲は、サビの前にある意味で絶頂を迎え、「声明」というささやきの間をもって「この度私は変わります」と宣言する。

 「声明」とは個人にとって大きな責任を伴う宣言であり、個の裏にある組織まで背負った重いものだ。それを言葉に発するとき、まさにこの曲のように、サビ(=声明を発する)の前までに心拍数は絶頂を迎え、いざ声を出してしまえばあとはどうってことない。「限界もNGも無くします」「少々痛いのも気にしません」とこうなるわけだ。

 シングル曲とあって、曲と歌詞でテーマを伝えるのが非常に上手い。近年のB’zに見られる、肩の力の抜いたサウンドや歌唱も心地良い。アルバム中盤でのギア・チェンジとして役割十分である。

9.ルーフトップ

 ミドルテンポのロックナンバーは、その内省的で叙情的な歌詞によって力強い曲に仕上がっている。終盤に差し掛かり、深い世界に入る前のギアチェンジのような役割を果たす。「RED」(sgl/2015)を彷彿とさせるコーラスも効果的に働く。アルバム中でも屈指の名曲。

11. 愛しき幽霊

 ブルース調のギターが要所で聴かれ、センチメンタルな歌詞とともにしっとりと仕上がっている楽曲。ギターソロの部分でのパーカッションの入れ方などは、やはり90年代のB’zを感じさせる。このままアルバムが終わっても良いほどの雰囲気を感じさせる名曲。

12.King Of The Street

 70年代のハードロックの流れを汲むアイアン・メイデンあたりからの影響が見て取れるナンバー。疾走感あふれる高速のリズム隊とリフが曲を引っ張り、サビでは一転メロディアスな展開を見せる。また、ディープ・パープルを彷彿とさせるキーボードも良いアクセントを加えている。アルバム終盤で大きな存在感を放つ、フィナーレ目前のハイライトとも言える名曲。

邦楽

Posted by hirofumi