David Bowie(デヴィッド・ボウイ)まとめ[おすすめアルバム,名盤名曲,レビュー]

2018年3月7日

プロデューサーとしてのデヴィット・ボウイ

 他のアーティストのプロデュース、あるいは共作も得意とするデヴィット・ボウイ。すごいのは、共作相手はどれもビックネームばかり。とりあえず名前だけでもあげておくと、ルー・リードイギーポップジョン・レノンQUEENミック・ジャガーなどなど。ロックの歴史に名を残した超有名アーティスト。加えて、ボウイが関わった作品はどれも「名作」になる。各作品を利いてみると、アーティストの良さを引き出す、引き立てる能力がずば抜けていることがよくわかる。

 大抵ビックネーム同士の共作となると、どちらかが目立とうとして共倒れすることが多い。でも、ボウイの場合は違う。例えば共作のデュエット曲なんかを見ると、どちらかと言うと自分は一歩引いて、互いの個性を打ち消さないようにしつつ、作品の中でうまい具合にアクセントになる。QUEENとの共作アンダー・プレッシャーなんかがそう↓

 面白いのは、スター相手に一歩引いて歌っているのに、きちんとデヴィット・ボウイの個性が出ていること。下手すれば、わりかし静かに歌っているボウイのほうが目立っちゃうこともある。これは、彼の表現力、とりわけ個性的な歌声が理由だと思う。そういうわけで、ここではボウイのプロデュース作品、デュエット、共作などをいくつか紹介。どれも有名な作品で、いろいろなアーティストを知るのにもちょうどいい。

グラム・ロックとルー・リード

トランスフォーマー』(1972)
ルー・リード

 

 ロックの大御所ルー・リード。そういえば彼も数年前に亡くなって、大きなニュースになっていた。ルー・リードといえばヴェルベット・アンダーグラウンドのイメージが強い。洋楽を聞かない人でも、ヴェルベットのアルバムジャケットは知っているはず↓

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』(1964)

 

 バナナのジャケットでおなじみのこのアルバムは、ロック史上に残る名作。ドアーズなんかと共にアートロックに分類される作品で、ロックをアートの領域まで押し上げた作品、ロックの地位を高めた作品と言われている。1964年と言えばビートルズがまだアイドルだった頃。そんな時代にロックでアートをやったんだからすごい。実際に聞いてみればわかるけど、60年代には早すぎる芸術的な作品。70年代後半、もっと言えば90年代始めくらいに発売されれば「ちょうどいい」って言われるくらい、時代を先取りした、先取りしすぎたアルバム。そのせいもあってか、当時は全く売れず、評価もいまいちだった。しかし、21世紀現在では歴代のロックのアルバムの中でも十指に入っておかしくないほどの評価。

 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの話が長くなりすぎたので、ルー・リードに戻る。彼の音楽はポップさと実験性を兼ね備えたもの。あと、語りかけるようなボーカルも特徴的。僕が初めて聞いたのは10代で、ベスト盤だったかな? その時は正直よくわからなかった。最近はまた聞いてみようかな、なんて思っているところ。そういうわけで、ルー・リードはちゃんと聞いてないし、あんまり詳しくない(笑)。『トランスフォーマー』の収録曲のいくつかはベスト盤で聞いているし、全盛期のルー・リードとデヴィット・ボウイが手を組んでいるんだから間違いないと思う。そんな適当なレビューをしつつ、今度はボウイの盟友イギー・ポップの話へ。

盟友イギー・ポップ

 パンクのゴット・ファーザー(名付け親)にして、日本が誇る破天荒芸人「江頭2:50」が憧れるイギー・ポップ。もちろん、彼は芸人じゃなくてアーティスト。そのパフォーマンスは、確かにエガちゃんに通じるところがある。下にあげるジャケットでも、エガちゃんと一緒で上半身裸。「なんかヤバそう」って思うはず。ところが、ジャケットよりもその中身がもっとヤバい。70年代に登場するセックス・ピストルズも霞むくらいの攻撃性。

  とりあえず最初に、何でイギーポップがパンクの元祖みたいに言われているのかっていうと、パンクブームがくるずっと前から、すでにパンクをやっていたから。音楽性はもちろん、ステージ上での破天荒なパフォーマンスなんかも、60年代の時点ですでにパンクを体現していた。加えて、イギー・ポップにはたくさんのフォロワーがいる。一部だけあげても、ピストルズ、ガンズ・アンド・ローゼズレッチリニルヴァーナなどなど。パンクはもちろん、メタル、ミクスチャー、グランジなど様々なジャンルのアーティストに派生しているところがすごい。

『ロウ・パワー』(1973)
イギー・ポップ(ストゥージズ)

 

 当時はストゥージズとして活動していたイギー。アルバムの曲調は、とにかくハード。歪みまくったギターに、シャウトしまくりのイギー・ポップ。何より、曲も演奏もテンションが高い。ライブでもやってるんじゃないかってくらいのハイテンション。高音はところどころ音がぶっ飛んでるし、低音部分はずっと聞いてると頭が痛くなるくらい。で、やっぱりイギー・ポップはシャウトしまくり、アルバムの中で何度も奇声を発している(笑)。「こいつ頭おかしいな」って正直思う(笑)。イギー・ポップの作品の中でも特におすすめのアルバム。ここまでハイテンションで衝動的なロックは聞いたことがない。それくらい言っていいアルバム。素晴らしい。

 ちなみに、この作品はボウイはミキシングとして参加。ソングライティングはイギー・ポップとバンドのギター担当ジェームズ・ウィリアムソン。本格的なプロデュースは70年代後半になってから。イギー・ポップとデヴィット・ボウイはプライベートで仲が良く、キャリアを通じて何枚ものアルバムでタッグを組むことになる。70年代のイギーの作品はほとんどボウイがからんでいる。切っても切れない縁にある。

『ラスト・フォー・ライフ』(1977)
イギー・ポップ

 

 ボウイがプロデューサーとして参加した2作目の作品がこれ。プロデュース以外にも、大半の曲をボウイが書いている(作詞はイギー)。さらにさらに、ピアノやコーラスも担当。つまり、ほとんど共作、「ボウイ&ポップ」というユニットの作品と言ってもいいくらい。

 ストゥージズは74年に活動中止。イギー自身も、他のロック・スターの例に漏れず、アルコールと薬物にはまっていた。そんな中、友人であり仕事仲間のボウイと共に、再起をかけて制作。結果的に素晴らしい作品が完成し、イギーは見事復活。ここから長いキャリアを積んでいくこととなる。

 イギー・ポップらしいシンプルでハードな曲調が基本ながら、より洗練され、大人びた印象のある曲が並ぶ。この辺はイギー自身の変化からくるもの、あるいはボウイの作曲という点が大きいか。イギーはパンク、ボウイはロマンティックな曲や壮大な曲が得意。両者のスタイルは一見すると異なるものだが、常に挑戦的であるという共通点を持つ。両者の特徴が上手く調和し、傑作に仕上がっている。デヴィット・ボウイとイギー・ポップが好きな人は必聴。垂涎モノの一作!