B’z(ビーズ) – まとめ【おすすめアルバム,名盤,レビュー/歴史,経歴】

2017年12月10日

5. バンドサウンド時代~現在

★★★傑作★★★
THE CIRCLE』(05.04.06)

THE CIRCLE

  • 売上:55.8万枚

 本作の特徴は『Brotherhood』で顕著だったバンドサウンドがある。99年時と異なる点を挙げれば、長く共に活動してきた固定メンバーの存在がある。ベースは徳永暁人、ドラムはシェーン・ガラースと、共に近年のB’zのレコーディング・ライブを支えてきたメンバーであり、松本・稲葉を合わせた計4人を中心に制作していった経緯がある。参加ミュージシャンにクレジットされているのも基本的にこの4人だけであり、まさにバンド形式で制作されたアルバムだ。

B’z ミラクルクロニクル』(2013)p.160より

[稲葉](中略)ただまあバンドで、シェーン(・ガラース)とかも呼んでやろうっていう話だったんで、最初からもうバンドのスタートということで。それが結局終わってみれば、最終的にもホントに今回のアルバムのカラーみたいになったと思う

 バンドサウンドと関連して、このアルバムで目立つのはシェーンのドラムである。彼は非常に手数の多いドラマーで、一つ一つの音もかなり大きい。その特徴がかなり良い形で出ており、B’zにこれまでなかったリズムやテンポを生み出している。歴代の作品の中でも、ドラムのハードさはこれがナンバーワンと言ってもいい。シェーンは以降のアルバムでも継続してレコーディングに参加し、後期のB’zサウンドの核にもなっている。本作の中でも素晴らしいドラムが聞ける曲は、例えば#3,10,11だろう。随所で見せるフィルインは特に素晴らしい。緩急やアクセントのつけ方も比重に上手い。加えて、このアルバムではシンプルでノリのいいリフが目立ち、パンク・ロックの雰囲気も持っている。また、#4,5のように、音と音の隙間をあえて持たせている曲も多い。その辺もシェーンのドラムが生える。

 一方、本作のタイトルは翻訳すれば「輪廻」ということで、少々仏教とか神話チックなところがある。それは個々の曲の歌詞や雰囲気、タイトルにも現れており、特に詩作の面で本作の大きなテーマとなっている。

(#2の歌詞中の「邯鄲の夢」「諸行無常」について) 
[稲葉](中略)サークルのテーマ、破滅と再生というか、例えば、いい時期があったりいい夢見たりして、それが醒めて現実に戻って、そこからまたスタートしてみたいな。そのへんのテーマ、そういうことを音のテイストから感じて、そっちのほうへ行ってみようと (同上p168より)

 例えば、#1に登場する「森羅万象」、#7のタイトル「睡蓮」(釈迦の住む極楽の池に咲く花として有名)、#8「sanctuary」(神聖な場所の意)、#11「イカロス」はそのままギリシャ神話の登場人物をテーマにした曲となっている。ちなみに、稲葉さんがアテネオリンピック関連でギリシャ神話の本を読んだところから、着想を得たそうだ(同上p171参照)。

 さて、アルバムのラストを飾る#13「Brighter Day」も、本作に参加したシェーンの協力があってできた作品だ。というのも、この曲は全英詩で、シェーンのアドバイスを受けつつ書いたものである。この作詞方法は、今作以降のアルバムで登場する英詩曲に概ね採用されている(『FRICTION』(2007年発表のアルバム『ACTION』収録)『B’z』(2012発表の配信限定全英詩のミニアルバムなど)。

 バンドサウンド、シェーンの貢献、詩作面でのコンセプト統一など、見どころの多い作品。

【収録曲】
01. THE CIRCLE
02. X
03. パルス
04. 愛のバクダン
05. Fly The Flag
06. アクアブルー
07. 睡蓮
08. Sanctuary
09. Fever
10. 白い火花
11. イカロス
12. BLACK AND WHITE
13. Brighter Day

ACTION』(07.12.05)

ACTION

  • 売上:44万枚

 本作は名曲が非常に多く、稲葉・松本両氏の歌・演奏も調子がいい。それにしても、曲数が多すぎる。長すぎて途中でダレてしまうのだ。曲数をコンパクトにすれば、2000年代後半から現在までのナンバーワンになってもよかった作品だ。17曲で70分という大作で、構成もよく考えられている。しかし、やはり長すぎる。

 例えば前半の8曲あたりは文句なく良い。それに後半の良い物を数曲加えれば、間違いなく名作になる。当時アルバムを聴いた私は、前半を聞いて歓喜し、後半に入って嘆いたのを覚えている 笑。

 アルバム通して聞かないから大丈夫って人は、ぜひ前半を聞いてみてほしい。かなりの出来だ。悪くはないアルバムなので、聞いて損はない。

【収録曲】
01. 純情ACTION
02. 黒い青春
03. SUPER LOVE SONG
04. 満月よ照らせ
05. パーフェクトライフ
06. 一心不乱
07. FRICTION -LAP 2-
08. ONE ON ONE
09. 僕には君がいる
10. なんという幸せ
11. わるいゆめ
12. HOMETOWN BOYS’ MARCH
13. 光芒
14. トラベリンメンのテーマ
15. オレとオマエの新しい季節
16. 永遠の翼
17. BUDDY

★★名盤★★
EPIC DAY』(15.03.04)

EPIC DAY

  • 売上:29.4万枚

 なぜこのアルバムがおすすめかと言えば、ズバリ「収録曲が少ない」「コンパクトなアルバム」という点だ。2006年あたりから、アルバムの収録曲・時間がやたら長くなる傾向があり、正直中だるみしてしまう作品が多かった。加えて、ベテランともなるとどのアーティストでも、曲の展開や歌詞の内容が説明っぽく、あるいはくどくなる傾向がある。そんな状態で長時間、たくさんの曲を聴くと言うのは中々難しいところがある。実際、2000年代後半からの作品には、曲数を絞れば名作になったであろう作品はいくつかあった。クオリティの高い曲はたくさんあるのに、どうも蛇足に思える部分が多く、はっきり言ってアルバムを通して聞ける作品は少なかった。

 そんな中で、このアルバムは非常に簡潔(10曲43分)であり、サクッと聞ける。結成から約30年、メンバーが全員50歳を超えたベテランになってこれができるのは素晴らしいと思う。

 さて、作風はというと、近年のB’zが追及してきた演奏力に加えて、90年代を彷彿とさせるJPOPもある。近年多かった疾走感のあるHR/HMナンバーは少なく、ベテランらしい緩急をつけた、余裕を感じさせる曲が多い。無暗にキーを高くした曲も少なく、余裕のある中で稲葉さんが歌えているのも非常に良い。個人的な感想では、2006年以降でベストの一枚だ。とりわけおすすめなのは#1,2,8,9,10。始まりと終わりがしっかりしてるのも、名作とした理由のひとつ。2017年リリース予定の新作に非常に期待を持たせる内容だ。

【収録曲】
01. Las Vegas
02. 有頂天
03. Exit To The Sun
04. NO EXCUSE
05. アマリニモ
06. EPIC DAY
07. Classmate
08. Black Coffee
09. 君を気にしない日など
10. Man Of The Match

★★おすすめ★★
『DINOSAUR(ダイナソー)』(2017.11.29)
90年代のサウンドとジャズ,ソウル,ファンクの融合!

DINOSAUR

★解説記事はこちら

【収録曲】
  1. Dinosaur
  2. CHAMP
  3. Still Alive
  4. ハルカ
  5. それでもやっぱり
  6. 声明
  7. Queen Of The Night
  8. SKYROCKET
  9. ルーフトップ
  10. 弱い男
  11. 愛しき幽霊
  12. King Of The Street
  13. Purple Pink Orange

B’zアルバム各種ランキング

売上ランキング(オリジナルアルバム)

LOOSE

[順位/売上枚数(万)/発表年]
※ミニアルバム

  1. LOOSE(300.3/95)
  2. IN THE LIFE(240.3/91)
  3. RUN(219.7/92)
  4. MARS※(173.5/91)
  5. SURVIVE(172.3/97)
  6. RISKY(169.7/90)
  7. The 7th Blues(163/94)
  8. FRIENDS Ⅱ※(146.7/96)
  9. Brotherhood(139.2/99)
  10. FRIENDS※(135.6/92)
  11. BAD COMMUNICATION※(118.2/89)
  12. ELEVEN(113.2/00)
  13. GREEN(113.1/02)
  14. WICKED BEAT※(111.1/90)
  15. BIG MACHINE(74.6/03)

B’zが過去に「最高傑作」と発言

SURVIVE

[順位/売上枚数(万)/発表年]

  1. SURVIVE(172.3/97)松本・稲葉
  2. ELEVEN(113.2/00)松本
  3. MONSTER(53.6/06)松本

B’zが制作時に「自信作」と発言

Brothehood

[順位/売上枚数(万)/発表年]

  1. LOOSE(300.3/95)
  2. Brotherhood(139.2/99)
  3. MONSTER(53.6/06)
  4. EPIC DAY(29.4/15)

邦楽

Posted by hirofumi