B’z(ビーズ) – まとめ【おすすめアルバム,名盤,レビュー/歴史,経歴】

2017年12月10日

2. JPOP・ハードロック時代

IN THE LIFE』(91.11.27)

IN THE LIFE

  • 売上:240.3万枚 ※年間2位。オリジナルアルバム中2番目のヒット作

 初期のB’zの作品の中でも名作の一つに挙げられる本作。後にベストに収録されるような人気曲も多い(#1,#6,#10)。とりわけ#1「Wonderful Opportunity」は前向きな歌詞もB’zらしくて非常に良い。アルバム全体としては、ポップとロック、そして日本の歌謡曲らしさもあるという、一言で言えば「JPOP」となっている。JPOPに明確な定義なんてないのだが、本作にはこれが一番しっくりくる。

 これまでの打ち込みサウンドと生音との併用が見られ、収録曲のバリエーションが豊かというか、明確に作り分けがされている。#1,2のJPOP、#3,4,5,7,8のハードロック、#6,10のバラードなど。#4,10でエアロスミスモトリー・クルーへのオマージュが見られ、アーティストとしてのバックグラウンドも見えて面白い。とにかくまあ、冒頭とラストが屈指の名曲。古今東西、良いアルバムというのは必ず冒頭とラストが名曲でサンドイッチされているもの。90年代初頭に240万枚も売り上げたところを見ると、良いタイミングで良いアルバムが出て、市民権をがっちり獲得したのだと思える一枚だ。

【収録曲】

01. Wonderful Opportunity
02. TONIGHT(Is The Night)
03. 『快楽の部屋』
04. 憂いのGYPSY
05. Crazy Rendezvous
06. もう一度キスしたかった
07. WILD LIFE
08. それでも君には戻れない
09. あいかわらずなボクら
10. ALONE

  • 92.05.27
    BLOWIN’」リリース。売り上げ176.4万枚(全シングル中3位)。

★おすすめ★
RUN』(92.10.28)

RUN

  • 売上:219.7万枚 ※年間6位

 2作連続で200万枚超えの大ヒット。しかし年間では6位と、世間はCD全盛期に入りつつあることを覗わせる。この数年後、松本さんと縁のある小室哲哉が大ブームを引き起こし、CDバカ売れ時代が到来する。

 前作のJPOP路線とは一変、本作はハードロックに完全にシフト。その象徴となるのがシングル曲の#2「ZERO」。ギターを前面に押し出した曲で、いわゆる世間のイメージとしての「B’z」を体現したような作品となっている。稲葉さん独特の歌唱法や声質なんかもそう。アルバム全体としても、いわゆるバンドサウンドに近く、随所に印象的なキーボードのフレーズやホーンセクションを加えたりと、ハードロックのスタイルが見られる。ディープ・パープルを想起させるような曲もある(#1#5など)。#2はまた、イーグルスのオマージュが見られて面白い。フォークロックのバンドの曲をしっかり自分たちのものにしているあたりは、素直にすごいと思う。

 さて、他にも本作は注目すべき曲が多い。#6#7なんかは歌詞も含めてアイディアの勝利といった曲。非常に格好いい。はっきり言って「お前何言ってんだよ 笑」とツッコみたくなる歌詞がなんとも面白い。稲葉さんの作詞センスもかなり爆発してる。次いで、終盤の#8,9のミドルテンポ&バラード。#9はB’z屈指の名曲。今は亡き稲葉パパも、テレビ出演時に一番好きな曲としてあげていた。ついでにトリビアを言うと、草彅剛さんはこのアルバム大好き。

01. THE GAMBLER
02. ZERO
03. 紅い陽炎
04. RUN
05. Out Of Control
06. NATIVE DANCE
07. MR. ROLLING THUNDER
08. さよならなんかは言わせない
09. 月光
10. Baby, you’re my home

★おすすめ★
FRIENDS』(92.12.09)

FRIENDS

  • 売上:135.6万枚
  • ※ミニアルバム

 有名ないつかのメリークリスマスが収録されている本作。これまでのミニアルバムとは作風が全く違うものの、ミニアルバムということで普段とは違う作品作りが見られる。映画のサントラをイメージしたコンセプトアルバムとなっており、曲順表記もそれに習っている。曲の間をインストでつないでいるので、雰囲気があって良い。

 曲のクオリティは非常に高く、ボリュームを増やしてフルアルバムにしていたら代表作になったと思う。ラブソングが好きな人は必聴。4年後に続編の『FRIENDS2』がリリースされ、そちらはさらにクオリティが高いので、合わせて聞けばバッチリ。個人的には2の方が好きだが、どちらもおすすめ。

【収録曲】

Prologue. Friends ※インスト
SCENE 1. いつかのメリークリスマス
SCENE 2. 僕の罪
       2-2. Love is… ※インスト
SCENE 3. 恋じゃなくなる日
SCENE 4. SEASONS ※インスト
SCENE 5. どうしても君を失いたくない
           6. いつかのメリークリスマス(Reprise)※インスト

★★名盤★★
The 7th Blues』(94.03.02)

The 7th Blues

  • 売上:163万枚

 この作品は他のアルバムと比べるといくつか特異点がある。一つは、2枚組という点。加えて、作り手主導の音作りがある。簡単に言えば「やりたいように」ということで、かなり聞きごたえがある。アーティストとしての方向性を模索している時期でもあり、本作以降にさらに個性を明確化していく。次作『LOOSE』につながる曲も多数見られれる。ブラスセクションの多様なんかもそう。東京スカパラダイスオーケストラも参加している。

 タイトルに「ブルース」とあるが、実際の中身はハードロック。初期のハードロックはブルースからの影響から強いのを考えれば、あながちおかしなタイトルでもない。使用楽器や参加アーティストの数を見ると、かなり豪華な作品。

 DISC1,2ともに素晴らしいが、個人的には特にDISC2がおすすめ。#1では迫力のあるボーカルが聞け、稲葉さんの声が格段にレベルアップしているのがわかる。#5,8では過去発表曲のめちゃくちゃ格好良いアレンジが聞ける。その他、ツェッペリンジミヘンビートルズの曲の一説やオマージュなんかも聞けるので、聞きどころ満載。

【収録曲】

[DISC 1]
01. LOVE IS DEAD
02. おでかけしましょ
03. 未成年
04. 闇の雨
05. MY SAD LOVE
06. Queen of Madrid
07. ヒミツなふたり
08. Strings of My Soul
09. 赤い河 ※インスト
10. WILD ROAD

[DISC 2]
01. Don’t Leave Me
02. Sweet Lil’ Devil
03. THE BORDER
04. JAP THE RIPPER
05. SLAVE TO THE NIGHT
※1stシングルのカップリング「ハートも濡れるナンバー 〜stay tonight〜」の英詩&アレンジ
06. 春
07. 破れぬ夢をひきずって
08. LADY NAVIGATION
※8thシングルの英詩&アコースティックver
09. もうかりまっか
10. farewell song

★★★傑作★★★
LOOSE』(95.11.22)

LOOSE

  • 売上:300.3万枚

 一般的に「B’zの全盛期」とされることが多いのが、このアルバムからベスト発売あたりまで。個々の楽曲のクオリティがここで一気に上がっている。メロディー、アレンジ、歌唱力、アルバムの構成などなど、様々な面でこれまでとはグレードアップしている。CD全盛期ということもあるが、300万枚売れたのも納得。また、この辺からシングル曲のインパクトがかなり出てくる。「ねがい」「love me, I love you」「LOVE PHANTOM」はどれも屈指の名曲。アルバム発売の年に、これらのシングルが立て続けにリリースされたのも、アルバム売り上げにかなり貢献していると思われる。これらのシングルを上手く引き立てる曲に、#4,6の名バラードが加わって、アルバム構成は言うことない。

 作風はというと「7th Blues」「Run」と比べるとややJPOP寄りになった感じ。ただ、本作ではアルバム&リメイクver含め、ギターの音を強調した音作りがなされている。冒頭とラストをギターソロで挟んでるあたりにも、その辺の狙いが覗える。アルバムの雰囲気づくりに一役買っている。全体として、オーソドックスなロックスタイルの曲が多い。

 さて、これ以上は実際に聞いてもらえばいいとして、ここらあたりからのB’zのシングルのクオリティがヤバい。当時リアルタイムで聞いていた私も、ミスチルなんかと合わせて「こいつらやべえなあ」と感心していた 笑(当時小~中学生)。現在では「B’z=ウルトラソウル」となってるが、シングル曲のクオリティい限って言えばやっぱ90年代後半。そのへんはまあ、数年後リリースされるベストを聞けばいいのだが、リアルタイムで体験できて幸せだったなあと思う。最近のバンドはめちゃめちゃ技術があるし、曲のクオリティもすごいと思う。ジャンルもどんどん広がってる。でも、B’zも含めて、90年代後半のシングル曲のインパクトはすごいものがあった。小室哲哉の曲も今聞くとやっぱりすごい。なんというか、わかりやすくて、よくわかんないけどものすごい良い雰囲気を持ってる。

 単なる思い出補正か、あるいは当時たまたまそういう才能をもった人が集まっていたのか、はたまた私が最近の曲に疎いだけなのか。いずれにしても、この辺から第一次B’z全盛期に突入する。

【収録曲】

01. spirit loose ※インスト
02. ザ・ルーズ
03. ねがい (“BUZZ!!” STYLE)
※1「ねがい」のアルバムver。
04. 夢見が丘
05. BAD COMMUNICATION (000-18)
※「BAD COMMUNICATION」のリメイクver。
06. 消えない虹
07. love me, I love you (with G Bass)
08. LOVE PHANTOM
09. 敵がいなけりゃ
10. 砂の花びら
11. キレイな愛じゃなくても
12. BIG
13. drive to MY WORLD
14. spirit loose II ※インスト

★★名盤★★
FRIENDS II』(96.11.25)

FRIENDS Ⅱ

  • 売上:146.7万枚
  • ※ミニアルバム

 92年リリースの『FRIENDS』の続編。前作と同じくラブソングによる構成だが、コンセプト性は無い。また、ボサノヴァファンクフュージョンレゲエなどの音楽要素を取り入れ、独特の雰囲気を醸し出している。前作と比較すれば、音のクオリティがかなり上がっている。稲葉さんの声も色気が増していている。キャリア最高傑作としてあげられることの多い『LOOSE』『SURVIVE』というアルバムの間に作成されていることもあり、出来はかなりのもの。作品の雰囲気や音づくりは『SURVIVE』に近い。

  このアルバムで個人的に一番気になるのは、稲葉さんの声質。『LOOSE』の時と比べても、色気や表現力が明らかに増しており、次作『SURVIVE』と合わせて、この頃の声がベストと言ってもいいかもしれない。単純なキーの高さ、あるいは声量と言った点では、例えば高音の伸びは『GREEN』(2002)の時に絶頂を迎える。また、2003年あたりに喉を傷め、発声法を変えた後、2010年代に入って再び歌唱力が増す。どこをベストとするかは人それぞれだが、この90年代後半はおすすめ。ソロアルバム『マグマ』(97)でもその声を楽しめる。

【収録曲】

01. Friends II ※インスト
02. SNOW
03. 傷心
04. BABY MOON
05. sasanqua 〜冬の陽 ※インスト
06. ある密かな恋
07. きみをつれて

  • 97.01.29
    マグマ』(稲葉浩志)リリース

★★★最高傑作★★★
SURVIVE』(97.11.19)

SURVIVE

  • 売上:172.3万枚

 B’zの最高傑作に挙げられることの多い本作。松本・稲葉両氏も、かつてのインタビュー等で一度は「最高傑作」と答えている。前作『LOOSE』と比べれば、曲調はやや落ち着いたものが多い印象。加えて、本作では低音がしっかりしており、音のバランスもいい。歌詞を見ても、アーティストとしての自己を振り返るようなもの、社会批判的なものなど、前作よりも深く掘り下げたものが目立つ。

 また、代表曲の一つとも言える「Calling」の存在も大きい。B’zの二人はこの曲に対する思い入れも強いとのことを、インタビュー等で語っている。今でもライブで頻繁に演奏されるている曲のひとつ。とにかくまあ、この曲は良い。この曲一つだけでアルバムを統括できると言ってもいい。作品としての完成度が素晴らしいので、あとは実際に聞いてもらうのが一番。個人的にはキャリアでベストの一枚にあげる。

【収録曲】

01. DEEP KISS
02. スイマーよ!!
03. Survive
04. Liar! Liar!
05. ハピネス
06. FIREBALL
07. Do me
08. 泣いて 泣いて 泣きやんだら
09. CAT
10. だったらあげちゃえよ
11. Shower
12. Calling

 さて、B’zはここである意味の絶頂期を迎える。当時のバンドの勢いや、作品の完成度から言っても「来るところまで来たな」という感はあったと思う。ところが、この翌年に後でとんでもない事件が起こる。例の「ベストアルバム」リリースである。当時はGLAYのベスト『REVIEW』が500万枚近い売り上げを記録し、そこからベストアルバムブームなるものが到来しつつあった。その波に乗るようにして、B’zも初めてのベストをリリースすることになった。

 当時のB’zはどういう位置づけだったかと言うと、あくまで「売れっ子のアーティスト・バンドの一つ」でしかなかったと記憶している。なぜなら、当時はライバルが多すぎたからだ。「globe」「SPEED」「安室奈美恵」「Mr.Children」「GLAY」「華原朋美」「JUDY AND MARY」「L’Arc~en~Ciel」「Every Little Thing」などなど。この他にも大物アーティストはたくさんいた。加えて、アイドルや芸人なんかもCDを出してバカ売れしていた。こんなメンツの中では、比較的キャリアの長いB’zでも陰に隠れることもしばしば。

 ただ、他のアーティストと比べて有利な点を挙げれば、ヒット曲が多く、ベストをこれまで一度も出して無かったという点がある。決して1番ではなかったものの、90年代を通じて知名度や人気で毎年3番手くらいにいて、確実にキャリアを積んでいた。そんな状況でベストを出したところ、クソみたいに売れまくり、いきなり500万枚という数字を叩きだす。直後に出された2枚目のベストと合わせて、当時としてはありえない「1000万枚」という数字を叩きだした。「オリジナルアルバムを買うまではいかないけど、ベストなら絶対欲しい」という人が数百万人いたというわけだ。当然ながらベストは日本の歴代アルバム売上げ1位となるが、その直後に当時まだ中学生だった天才「宇多田ヒカル」が颯爽と現れ、デビューアルバムで700万枚を記録しあっさりと記録を更新してしまうのだ。

 いま思い返しても、当時はよくわからない時代だった。

3. ベストアルバムバカ売れ

B’z The Best “Pleasure”』(98.05.20)

Pleasure

  • 売上:513.6万枚

 これはもう、収録曲と売上だけ見てもらえばいいかなと思う。キャリア初期からのシングル曲が万遍なく収録されていて、曲順なんかも起承転結があって作品としてまとまっている。どれも印象的で、オリジナリティあふれる曲ばかりだ。

 しかし、これだけ売れまくってしまったことで、2000年あたりを境に、B’zへの批判的な論調やアンチが急に出てきたのを覚えている。2つのベストで1000万も売れて、世の中で「B’zはこういう音」というイメージがしっかり出来上がってしまった。それは良いことなのだが、しばらくすると「いつも同じ曲」「同じパターン」などと言われ始め、非常に鬱陶しい思いをしたのを覚えている。

 仮にここまで売れていなかったら、B’zに対する批判も、ここまで多くはなかっただろうと思う。そういう意味でも、このベストアルバムは何かしらのターニングポイントにもなっている。

 売れているアーティストにとって批判はつきものだ。とりわけ、音楽に詳しい人、音楽をかじっている人、あるいはミュージシャンとして飯を食っている人からの批判が多い。ただ思うのは、音楽性とか抜きにして、一つの分野で成功したという事実は認めるべきではないだろうか。音楽じゃなくても、スポーツでも、あるいはビジネスでも、ライバルとしのぎを削り、競争を勝ち抜き、その上で大衆に認められるというのは素晴らしいことだ。芸術とビジネスを一緒くたに語るのはおかしいだろうか? 芸術だって、結局は客相手の商売に変わりないし、少なくとも誰かに認められなければ成立しない。ゴッホみたいに死後に認められる人もいると反論するかもしれないが、そんなの100年に一人の天才レベルの芸術家に限った話だろう。そんな例外的な話をしてもしょうがない。やはり、アーティストは売れなければ意味がないのだ。

 売れるための方法はどんな形でも良い。法律さえ守れば、どんな方法でも良い。中身が空っぽでも売れたとしたら、どうやって大衆を騙したのかむしろ気にならないだろうか? もちろん、B’zに対してそんな風には思っていない。彼らの曲にはやはりインパクトがある。一言で言うと「楽しい」。批判されるほど目につくし、耳に残るのだ。やっぱりそれは、すごいことだろう。

 今でも売れているアーティストへの批判はつきものだ。そんな若いアーティストを見て、私はいつも思う。「お前らもっと売れろ。売れて売れて売れまくって、やりたいようにやってしまえ」と。

01. LOVE PHANTOM
02. love me,I love you
03. Easy Come,Easy Go!
04. ZERO
05. ALONE
06. 裸足の女神
07. 愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない
08. LADY NAVIGATION
09. 太陽のKomachi Angel
10. BE THERE
11. Don’t Leave Me
12. Bad Communication (E.Style)
13. Calling
14. さまよえる蒼い弾丸
  • 98.07.08
    HOME』リリース。

B’z The Best “Treasure”』(98.09.20)

Treasure

  • 売上:443.9万枚

 前作に同封されていた応募はがきにより、ファン投票で選曲されたのがこの作品。前作に負けず劣らず名曲が並ぶ。#2,7,13など、シングルのカップリング曲やアルバム収録曲が多く入っているのも特徴。#14はアルバム『RUN』の表題曲であり、本作のためにリメイクされている。演奏も声もグレードアップし、非常に良い出来だ。

 デビューから10年のB’zを知るには、正直このベスト2枚でも十分といったところ。ここから入って、気に入った曲の入ったアルバムに移ればいい。

【収録曲】
01. BLOWIN’
02. 恋心(KOI-GOKORO)
03. TIME
04. Liar!Liar!
05. ねがい
06. 愛しい人よGood Night…
07. Pleasure’98 ~人生の快楽~
08. ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~
09. もう一度キスしたかった
10. FIREBALL
11. Real Thing Shakes
12. MOTEL
13. いつかのメリークリスマス
14. RUN ~1998 style~

 

邦楽

Posted by hirofumi