脳は鍛えられる?認知症と引きこもりは治療可能?脳の謎に迫る!

2018年3月15日

ヒトゲノム、IT、人工知能、精神病、認知症……
人間の行き着く先は脳と能力の研究!


もっとバカはなおせる 最新脳科学で頭が良くなる、才能が目覚める、長生き健康になる!

(★参考文献)

もくじ

人間の能力を伸ばす方法は?
  • 「金、食事、運動、好奇心」が脳を発達させる
  • 金や快感に対するマイナスイメージ
認知症の治療薬と脳の機能向上
  • 認知症との戦い
  • アルツハイマー治療薬と脳のドーピング
  • 動物、子供、政治家、犯罪者が使ったら……?
引きこもりは治せるか?
  • 引きこもりやニートの原因は「我慢できない」こと?
  • 良いことばかり褒められた子供
  • 「良いことをする」のと「悪いことをしない」こと
  • 新世代の若者は超現実主義?

人間の能力を伸ばす方法は?

 日本は特にそうだけど、21世紀になって脳に関する問題がどんどん出てきた。一番は高齢化と認知症の問題。日本は世界一の高齢化社会を迎えるので、特に大きな問題。それから、いわゆる精神病と呼ばれるもの。うつ病なんかが代表的だけど、不眠症、引きこもりなんかもこれと関係してくる。これまでは病気という意識が薄かったこともあるけど、これらの病気を抱える人がかなり多くなっている。以前は精神科なんてよほどのことがないと行かなかったけど、今では心療内科、睡眠専門クリニックってのが増えてきたこともあって、身近な人が通院していると聞いてもそれほど驚きはない。

 病気以外でも、やっぱり脳に関する研究が21世紀の科学では中心になっている。コンピューターの分野だって、今は人工知能の研究が盛んで、身近な電子機器にも搭載されている。マイクロソフトが開発した人工知能を利用して、ツイッターのアカウントを開設なんてこともあった。これは人間の脳の機能を人工的に再現できるかどうか。一方で、ヒトゲノムなんかは、人間の脳を解析する。ヒトゲノムの解析なんかは、表向きは病気の予防や治療に役立つなんてなってるけど、個々の人間の能力や性格を全部暴きだしてしまう。ターミネーターの世界じゃないけど、ヒトゲノムもAIも、薬にも毒にもなる。

 いずれにしても、今後の人類にとっては脳の研究、人間の能力の研究がメインになってくる。そんな「脳」について、面白い本を見つけた。インパクトのあるタイトルだけど、中身はいたってマジメでわかりやすい。著者は脳科学の権威と言われる久保田競。肩書は京大名誉教授で、弟子には脳トレでおなじみの川島隆太教授、ホンマでっか!?TV澤口俊之なんかがいる。内容はあくまでアカデミックなので心配無用。

「金、食事、運動、好奇心」が脳を発達させる

 この本で面白かったのは、「脳にとって良いこととは何か?」という話。結論から言うと、脳に程よい刺激を与えたり、脳が心地いいと感じること。もっとわかりやすく言えば、脳に快感を与えることが良い。具体的なものを並べると、金、運動、好奇心をくすぐるもの、食事、タバコなどなど。それにしてもすごいラインナップ(笑)。世間的には「悪い」とは言わないまでも、「やりすぎは良くない」とされているものばかり。もちろん、例えばタバコの快感は脳に良くても、害も多い。脳細胞も壊してしまう。ただ、脳に良い効果もあるにはあるという話。

 効果の度合いで言うと、本を読んだ限りでは、「運動≒好奇心<食事<金」といった感じ。運動や好奇心を満たすことは、いつで も簡単にできる。効果はまあまあだけど、体への負担も少なく、継続しやすい。食事は「美味しいと感じるもの」を食べていると結構な効果がある。ただ、食い 過ぎは肥満に繋がるし、病気の原因にもなる。それに、美味いものは金がかかる。そして、その金が最も効果が高い。理由は簡単で、好奇心を満たせること、快 感を得られることは、金で概ね手に入るから。

 これは悲しくもあり、嬉しくもある。脳を発達させる方法は馬鹿馬鹿しい ほど単純なものだし、逆に言えば方法は明快。これらのものを上手く組み合わせていけば、自分の脳力を伸ばすことができる。一個気になるのは、恋愛やセック スはどうか? これも快感を得られるから良いとされているけど、まだまだ研究が進んでいないらしい。ただ、生物の存在そのものに関わることだし、おそらく 食事以上で金と同程度、あるいはそれ以上だろうなと想像はつく。

金や快感に対するマイナスイメージ

 さて、この結果をどうとらえればいいか? ひとつ思ったのは、ここにあげられたものは、世間ではマイナスイメージがついていることも少なくない。金に溺れるなとか、金に振り回されるなとか、食い物なら贅沢品とか食い意地がはってるとか、そもそも最近は健康志向が強いから味より栄養が重視されてる。「好奇心旺盛」って言葉も、落ち着きの無さや浮気症の人間に使われることが多い。快感を得るものは、使い方を間違えると害になる。振り回されて身を滅ぼす人が多いから、それを戒める意味でマイナスイメージがついてるんだろうね。ただ、意味もなく金や好奇心、あるいは快感を否定する傾向が日本人にはあるのも事実。特に古い人間はそうだ。

 マイナスイメージをつけて見て見ぬふりするのもいいけど、脳に良いとわかれば、それを上手くコントロールしようと考えた方が良いと思うね。金に溺れないよう気をつけつつ、堅実にそこそこ稼ぐにはどうしたらいいか。美味いものだって、運動と組み合わせれば毎日食べたって大丈夫だろう。好奇心や快感もそう。恋愛していた方が明らかに毎日が楽しくなるし、好奇心をもっていろんな遊びをするのもストレス解消にもってこい。

 高齢になっても元気で人生を楽しんでいる人を見ると、これがよくわかる。金が大事だってことをよく理解しているし、ジムに通って朝から泳いで、昼から肉食って、コンピューターも使いこなす。タブレットで新聞読んだり孫のアルバムをつくったりしてる。若い人でも、生き生きとしている人はよく食べるしよく恋愛するし、筋トレやランニングして、程よく贅沢もしている。まずは欲や快感ってものを肯定して、上手くコントロールすることが大切だってことだね。

認知症の治療薬と脳の機能向上

認知症との戦い

 21世紀の世界で、人類が直面する大きな病気ってのがある。脳や精神に関する病気だ。認知症や精神病が他人事ではない世の中になってきた。この病気が怖いのは、完治が難しいことや、そもそも病気の正体がわからないこと、それから、精神病なんかは結果的に命を落とす危険性もある。その点でいうと、認知症がきっかけとなって死ぬことはそんなに多くない。でも、認知症は体は元気なのに頭が言うことをきかない。60代で発症して、90代まで生きるって人もいる。そういう怖さがある。この病気との戦いは、今後10年、50年、下手すりゃ100年かかる可能性もある。

 現状で、認知症を治療する方法はない。治療よりも、患者を同サポートするかということで手一杯の状況だ。ただ、予防策、改善策はある。例えば発症の予防や、進行を遅らせる効果のある薬があるにはある。

 これらの治療薬は、神経細胞に関係している。神経細胞の間でやり取りされる物質を間接的に増やしたり、神経細胞の死滅を間接的に予防するといった効果がある。結局は、脳にたくさんある神経細胞をどうするかがカギということ。いわゆるアルツハイマー型認知症は、神経細胞の死滅や、正常に機能しなくなることで発症する。脳の機能の問題というわけだ。逆に言えば、脳の神経細胞の死滅を防いだり、数を増やしたり、機能を向上させることができれば、アルツハイマーの治療につながる。

アルツハイマー治療薬と脳のドーピング

 アルツハイマーの治療方法の研究は、普通の人にとっても脳に良い効果をもたらす可能性がある。仮に、神経細胞を増やして、脳の機能を向上させる薬ができたら、病気じゃない人も使って良いのかどうかって問題になる。脳のドーピングだ。例えば大学入試や国家試験なんか、試験前にこの薬を飲んだら失格となるかもしれない。その辺を考えていくと面白い。試験はダメだけど、普段の勉強で使用するのはいいとか、研究者は使用可能とか、いろんなルールができてくる。

 でも、ちょっと怖いのは副作用。例えば麻薬や覚醒剤は、脳を一時的に活性化させるもの。神経細胞の間でやり取りされている物質の量を増やすというのは、アルツハイマー治療薬とやってることは大体一緒。その代わり、麻薬や覚醒剤は副作用がとんでもなく強い。仮に副作用の全くない、脳の機能を向上させる薬が出たら、どうやって扱えばいいのか。かなり難しい問題になりそう。

動物、子供、政治家、犯罪者が使ったら……?

 脳の機能を向上させる薬が出来たとして、それを使って欲しくない奴ってのがいるね。まず怖いのは犯罪者。悪人がどんどん頭良くなったら手に負えない。想像もつかないような方法で犯罪を起こすんだよ。わざわざ国会議員になって、法律を変えてまで犯罪起こしたりさ(笑)。あるいは、被害者を一人も出さないどころか、関わった奴全員を幸せにしてしまう犯罪とかね。一体それはどういう犯罪なんだ(笑)。あるいは、頭良くなりすぎて、「あ、犯罪って良くないことだな」って気づいて更生したりして(笑)。あと、最も怖いのはテロリスト。テロリストが脳を良くする薬使ったら、それこそ大変。でも、頭が良くなれば、テロ以外で世界を変える方法たくさんあるって気づくだろう。意外と、この薬は犯罪者におすすめかもね。

 あと、子供が使うのも嫌だね。何が嫌って、大人にとって都合が悪い。これで最も損をするのは学校の先生や親だよ。もっと嫌なのは動物。動物が賢くなって、言葉を使い始めたら嫌だよ。聞かなくていいことまで聞こえてきちゃうんだから。発情期のオス犬なんて最悪だよ。娘とじゃれてると思ったら「やらせろ!やらせろ!」って叫んでるんだから(笑)。「飯マズイ」とかさ、かわいい顔したプードルが「ああ腰痛い」「ケツがかゆい」とか言うんだから。ペットを買う人がだいぶ減るんじゃないか。あと動物園も行きたくないね。もれなく全員ため息と愚痴しか言ってないの。そんで口癖は「死にたい」って(笑)。旭山動物円園なんかはそういうことないだろうけどね。

 それから、政治家はどうだ。政治家は馬鹿なのかずる賢いのかよくわからないところがある。ただ、頭が良くなったら間違いなく国民を欺こうとするだろうね。それだけは間違いない(笑)。ってことは、やっぱり使用禁止か?

引きこもりは治せるか?

引きこもりやニートの原因は「我慢できない」こと?

 脳の話をもう一つ。最近はすっかり当たり前になってしまった「引きこもり」「ニート」という言葉。これらの問題について、今の20代から30代前半の人が子供の頃に受けた教育ってのが関わってるらしい。いわゆる「ゆとり教育」とか「個性の尊重」ってのがそれ。その中で欠けていたのは、「何かを我慢する」ということ。親や大人がすべきこととしては、子供が何かやりたがっても我慢させ、「我慢できたら褒める」。何かをしたい時に我慢させ、「何かをしなかったことを褒める」。もちろん、やっても構わないことを無理にやめさせるんじゃない。やってはいけないこと、時間とか場所とか優先順位の関係で、その時すべきでないことを我慢させる。そして、我慢できたらご褒美をあげる。引きこもりとかニートの親は、これをやってこなかったっていう話。

 面白いのは、我慢できる人間は、何かをする時に積極性も出るんだって。いわゆるオンとオフの切り替えが上手い。それができないと社会生活で支障をきたす。何かをやりすぎてしまったり、要領よくこなすことができない。結果、集団生活や対人関係で問題を抱え、社会との接点を失ってしまう。ニートなんてのも、理由はいろいろあるだろうけど、理想と現実、あるいはプライベートと仕事や学業の切り替えができないことが大きい。そう考えれば、「我慢すること」がいかに大事かわかる。

良いことばかり褒められた子供

 俺なんかは、ちょうど「ゆとり教育」や「個性の尊重」の時代を経験した世代。子供の頃には、親に塾に通わされてる子供がたくさんいた。もちろん、大半は無理やりいかされてた。当然、サボる奴もたくさんいた。すると、塾に行かないことを親に怒られるし、逆にほめられるのは学校でいい成績を取った時。一見しっかりしたしつけに思えるけど、実は「我慢を褒められる」という経験がすっぽり抜けている。

 子供が塾をサボろうとした時、叱る方法もあるけど、「遊ぶのを我慢させて褒め」という方法もある。そうすれば、我慢すると褒められることを知り、「我慢は良いこと」と憶える。逆に、良いことばかり褒められていたら、周りの顔色伺って褒められようとするあざとい人間になっちゃう。そんな感じで勉強だけはそこそこできる子供が、成長していざ大学行く。そうすると、金も時間も自由になって、好き放題やってしまう。すると、我慢することをそれまで教えられてないから、ブレーキが利かなくなる。我慢を褒められて育った子供は、親がいなくても自分の欲をコントロールできる。そうじゃない奴は、怒る人がいないと好き放題やる。ここが大きな違いだ

「良いことをする」のと「悪いことをしない」こと

 良いことをするのと悪いことをしないこと。どっちが難しいかって言うと、悪いことをしないこと。社会に出ても、良い結果をたまに出してもムラのある奴より、ミスなく安定してる奴の方が重宝される。得意なことで一回だけ結果出すのは簡単だけど、苦手なことも含めて継続してミスなくやるのは目立たないけど大変なこと。ただ、特別な才能ある奴に限っては、ムラがあってもいいんだ。有名な経営者やアーティストなんかは、ムラがあるのを逆手にとって成功してる。でも、それを凡人に当てはめると才能のないただのワガママになる。

 昔の子供は、褒められることはなかったけど、言うこと聞かない奴は大人にぶん殴られた。ワガママ言う余裕なんてないし、体でルールを覚えていたんだ。だからたくましい。今の時代は殴れないんだから、ちゃんと「我慢を褒める」って方法をみんなで実践しないとだめなんじゃないか?

新世代の若者は超現実主義?

 今の若い世代、特に20代前後の人間を見てみると、一つの傾向がある。引きこもりやニートの世代とはちょっと違う。ゆとり教育を受けた世代ということで、自分の考えをしっかりもってるし、自己主張もしっかりする。悪く言えば我が強い。ただ、我を表にだすことはほとんどない。我を押し通してでも手に入れたいほどの希望を持ってない感じがする。不景気続きの日本しか知らない世代だから、妙に現実的で醒めた世代になっちゃっている。我慢という点に注目すると、我慢を知ってると言うより、奔放さを知らない。自由にしたとこで見返りがないってわかってる。この辺が、今の若い世代の大きな特徴。これまでの日本にはなかった。

 話を戻して、じゃあどこに我をぶつけるかって言うと、プライベートの些細な事物に妙なこだわり持ってるんだと思う。どマイナーな音楽聴いてたり、哲学書とか古典小説読んでたりさ。でもあくまで趣味とわりきってて、それを生かした職に就こうなんて考えてない。給料はそこそこでいいから、休みが多くて残業も少ない仕事がしたい。出世欲もない。そんな世代だと感じる。でもまあ、それはそれでいいんじゃないか。希望がない世の中からこそ、時代を変えるすごい奴がでてくるんだから。