人類の行き着く先は脳と能!

2016年4月29日

ヒトゲノム、IT、人工知能、精神病、認知症……
人間の行き着く先は脳と能力の研究!


バカはなおせる 脳を鍛える習慣、悪くする習慣

人間の能力を伸ばす方法は?

 日本は特にそうだけど、21世紀になって脳に関する問題がどんどん出てきた。一番は高齢化と認知症の問題。日本は世界一の高齢化社会を迎えるので、特に大きな問題。それから、いわゆる精神病と呼ばれるもの。うつ病なんかが代表的だけど、不眠症、引きこもりなんかもこれと関係してくる。これまでは病気という意識が薄かったこともあるけど、これらの病気を抱える人がかなり多くなっている。以前は精神科なんてよほどのことがないと行かなかったけど、今では心療内科、睡眠専門クリニックってのが増えてきたこともあって、身近な人が通院していると聞いてもそれほど驚きはない。

 病気以外でも、やっぱり脳に関する研究が21世紀の科学では中心になっている。コンピューターの分野だって、今は人工知能の研究が盛んで、身近な電子機器にも搭載されている。マイクロソフトが開発した人工知能を利用して、ツイッターのアカウントを開設なんてこともあった。これは人間の脳の機能を人工的に再現できるかどうか。一方で、ヒトゲノムなんかは、人間の脳を解析する。ヒトゲノムの解析なんかは、表向きは病気の予防や治療に役立つなんてなってるけど、個々の人間の能力や性格を全部暴きだしてしまう。ターミネーターの世界じゃないけど、ヒトゲノムもAIも、薬にも毒にもなる。

 いずれにしても、今後の人類にとっては脳の研究、人間の能力の研究がメインになってくる。そんな「脳」について、面白い本を見つけた。インパクトのあるタイトルだけど、中身はいたってマジメでわかりやすい。著者は脳科学の権威と言われる久保田競。肩書は京大名誉教授で、弟子には脳トレでおなじみの川島隆太教授、ホンマでっか!?TV澤口俊之なんかがいる。内容はあくまでアカデミックなので心配無用。

 

「金、食事、運動、好奇心」が脳を発達させる

 この本で面白かったのは、「脳にとって良いこととは何か?」という話。結論から言うと、脳に程よい刺激を与えたり、脳が心地いいと感じること。もっとわかりやすく言えば、脳に快感を与えることが良い。具体的なものを並べると、金、運動、好奇心をくすぐるもの、食事、タバコなどなど。それにしてもすごいラインナップ(笑)。世間的には「悪い」とは言わないまでも、「やりすぎは良くない」とされているものばかり。もちろん、例えばタバコの快感は脳に良くても、害も多い。脳細胞も壊してしまう。ただ、脳に良い効果もあるにはあるという話。

 効果の度合いで言うと、本を読んだ限りでは、「運動≒好奇心<食事<金」といった感じ。運動や好奇心を満たすことは、いつで も簡単にできる。効果はまあまあだけど、体への負担も少なく、継続しやすい。食事は「美味しいと感じるもの」を食べていると結構な効果がある。ただ、食い 過ぎは肥満に繋がるし、病気の原因にもなる。それに、美味いものは金がかかる。そして、その金が最も効果が高い。理由は簡単で、好奇心を満たせること、快 感を得られることは、金で概ね手に入るから。

 これは悲しくもあり、嬉しくもある。脳を発達させる方法は馬鹿馬鹿しい ほど単純なものだし、逆に言えば方法は明快。これらのものを上手く組み合わせていけば、自分の脳力を伸ばすことができる。一個気になるのは、恋愛やセック スはどうか? これも快感を得られるから良いとされているけど、まだまだ研究が進んでいないらしい。ただ、生物の存在そのものに関わることだし、おそらく 食事以上で金と同程度、あるいはそれ以上だろうなと想像はつく。

 

金や快感に対するマイナスイメージ

 さて、この結果をどうとらえればいいか? ひとつ思ったのは、ここにあげられたものは、世間ではマイナスイメージがついていることも少なくない。金に溺れるなとか、金に振り回されるなとか、食い物なら贅沢品とか食い意地がはってるとか、そもそも最近は健康志向が強いから味より栄養が重視されてる。「好奇心旺盛」って言葉も、落ち着きの無さや浮気症の人間に使われることが多い。快感を得るものは、使い方を間違えると害になる。振り回されて身を滅ぼす人が多いから、それを戒める意味でマイナスイメージがついてるんだろうね。ただ、意味もなく金や好奇心、あるいは快感を否定する傾向が日本人にはあるのも事実。特に古い人間はそうだ。

 マイナスイメージをつけて見て見ぬふりするのもいいけど、脳に良いとわかれば、それを上手くコントロールしようと考えた方が良いと思うね。金に溺れないよう気をつけつつ、堅実にそこそこ稼ぐにはどうしたらいいか。美味いものだって、運動と組み合わせれば毎日食べたって大丈夫だろう。好奇心や快感もそう。恋愛していた方が明らかに毎日が楽しくなるし、好奇心をもっていろんな遊びをするのもストレス解消にもってこい。

 高齢になっても元気で人生を楽しんでいる人を見ると、これがよくわかる。金が大事だってことをよく理解しているし、ジムに通って朝から泳いで、昼から肉食って、コンピューターも使いこなす。タブレットで新聞読んだり孫のアルバムをつくったりしてる。若い人でも、生き生きとしている人はよく食べるしよく恋愛するし、筋トレやランニングして、程よく贅沢もしている。まずは欲や快感ってものを肯定して、上手くコントロールすることが大切だってことだね。

 ⇒page2「認知症の治療薬と脳の機能向上」