Boston(ボストン)まとめ[おすすめアルバム,名盤名曲,レビュー]

2018年3月7日

天才トム・ショルツ率いる「プログレ・ハード」の代表的バンド

もくじ

プロフィール・音楽性など
おすすめアルバム/代表作解説
  • 『ボストン』(1976)☆☆☆
    最高のデビュー・アルバム
  • 『Don’t Look Back』(1978)☆☆
    1stのスタイルを踏襲、名バラードも収録!
  • 『Third Stage』(1986)☆☆☆
    1stに並ぶ名盤!!美と繊細の境地へ!
  • 『Walk on』(1994)

プロフィール・音楽性など

ボストン(英語:Boston)は、アメリカ合衆国のロックバンド。実態はトム・ショルツ(Tom Scholz、1947年3月10日生まれ、ドイツ系アメリカ人)による作詞作曲、編曲、演奏、レコーディングエンジニア、総合プロデュースとレコーディング・プロセスのほとんど全てを行ったソロ・プロジェクトである。

ディープ・パープルに代表されるイギリスのハードロックと、ジェネシスやEL&Pなどのプログレッシブ・ロックをアメリカ人ならではのセンスでポップに消化して[2]大成功を収め、1970年代後半から1980年代前半のアメリカン・ハードロック隆盛のきっかけを作った。

引用元:ボストン (バンド) – Wikipedia

 ハードロック・バンドの中で独特の位置づけにあるのがボストン。バンド形態になってはいるものの、中心人物トム・ショルツによるソロ・プロジェクトと考えるべき。米MIT出身のエリートで、元はエンジニアとして働いていた彼は、仕事の知識を活かして自宅にスタジオを構築。曲をつくってレコード会社にデモテープを持ち込んだのが始まり。こういうデビューをするアーティストは意外と多いが、彼の場合はその作曲センスがあまりにも突出していた。おまけに、あらゆる楽器をこなすマルチプレイヤー。ボーカル以外の音を自由自在に操り、完璧な音作りを目指してアルバムを制作していく。

 適切な表現かどうかわからないけど、ボストンの曲はあの有名なQUEENをイメージすればいい。ボーカルの声も似ているし、華やかでハード、かつ繊細で流麗なメロディーを併せ持っているのも共通している。ひょっとすると、デビュー・アルバムなんかはQUEENのベストアルバムよりもわかりやすいかもしれない。

 実際、ボストンのデビュー作はこれまでの歴史の中で「最も売れたデビュー作」という記録を持っているはず。一方で、プログレにある深さも併せ持っており、何より音作りはプロも唸るほど。素人が聴いても感嘆するほどのギターの心地良い音色は必聴!!

おすすめアルバム/代表作解説

ボストン』(1976[1st])
最高のデビュー・アルバム
★★★最高傑作★★★

 

 デビュー・アルバム『ボストン』は約2000万枚のメガヒットを記録。その曲調も独特のもので、ハード・ロックでありながらプログレの要素も備え、ジャケットにもあるように、まるでSFの世界観を再現したような作品。ハード・ロックとプログレの最盛期が重なっていることもあって、このような曲調をもつアーティストは他にもいるにはいる。ちょうど同時期に成功したラッシュの『2112』の音なんか非常に近い。ただ、本作は優れた録音技術なども含めて、これまでになかった音楽ということで「プログレ・ハード」などと呼ばれるようになった。

 ボストンの登場は、数多くのフォロワーを生む。90年代に日本の車のCMなどで使用されていた爽やかな洋楽は、大抵がボストンのフォロワーであり、「プログレ・ハード」に分類される。雑みのない綺麗な音・メロディー、壮大な曲構成、ハイトーンの透き通ったボーカルなどがその特徴。ただ、ボストンは一味違う。ロックがもつノリがしっかりあり、ギターの音も分厚い。ライブの上手いハードロック・バンドのような曲をつくるのが、ボストンの特徴。アルバムの起承転結もかなり綿密に構成されていて、作品としての完成度がとにかく高い。ハード・ロック初心者にも安心しておすすめできる一枚。

Don’t Look Back』(1978[2nd])
安定のボストンサウンド!
1stのスタイルを踏襲、名バラードも収録!
★★名盤★★

 

 大ヒットしたアルバムの次作というのは、だいたいどのバンドでもパターンがある。前作の内容を、表現を変えて再現するというのがその一つ。ボストンの場合も同じで、2ndは基本路線は1stと同じ。1stと異なる点をあげるとすれば、本格的なバラードソングの存在。アルバムの中盤に「A Man I’ll Never Be」が入り、その分だけアルバムの流れが変わっている。1stでもバラードの要素を持つ曲はあったけど、本格的なものでなかったし、アルバムの終盤に入っていた。言い換えれば、1stは「印象的な曲で始まり、ハードな展開でつなぎ、終盤のバラードで〆る」という王道の展開。2ndは中盤に一呼吸入れる形でバラードを挟み、ラストはハードな曲で〆ている。

 「A Man I’ll Never Be」については、3rdの内容を予感させる曲でもある。3rdはバラード曲や壮大な雰囲気をもった曲が多く、宇宙を漂うかのようなアルバムになっている。そういう意味では、ボストンの変化の過程を知ることもできる。1stの雰囲気が大好きな人は2ndも間違いなし!

長い沈黙後の3rd。インターバルの長い、バンドキャリアへ

 2nd発表後、ボストンは長いインターバルに入る。トム・ショルツは、元々音作りへのこだわりが強く、作品発表のインターバルは長かった。それに加えて、事務所との契約に関する法廷闘争があり、バンドは長期の休息期間に入ってしまう。その期間はなんと8年。バンドはすでに解散状態にあると思っていたファンもいたと思う。ただ、その間も楽曲は制作されていた。

 一通りの問題が片付き、先行きが見えたところで、ボストンは8年の間に制作した楽曲を新たなアルバムとしてまとめる。8年かけたというよりは、やむにやまれず8年かかってしまった作品。しかし、その完成度は高く、製作年がバラバラの曲も素晴らしいまとまりを見せている。

 3rd以降、ボストンは「8年周期」のバンドとなる。まるでセミみたいなバンドだが、ボストンのファンは辛抱強い。一度ハマったらとことん愛し続けるというか、ボストンの音は他にはないと言った方がいいのか。いずれにしても、長いインターバルを挟んでも変わらずに売れる。そんな不思議なバンドキャリアを築いていくことになる。

Third Stage』(1986[3rd])
1stに並ぶ名盤!!
美と繊細の境地へ!
★★★おすすめ名盤★★★

 

 1st,2ndから曲調が大きく変わるのがこのアルバム。ミドルテンポ、バラード曲が数多く収録され、ハードな曲も含めて音の広がりが素晴らしく、ジャケットの通り宇宙を感じさせる。1stの「more than a feeling」を拡大させたような作品。一方で、リフとリズムで押すストレートなロックは少なく、1st,2ndのハードでハイテンションな作品を期待していると、やや肩透かしをくらうかもしれない。ただ、聞けば聞くほど味がでる、深みのある楽曲が揃っている。曲構成やアルバムの統一感は、ボストンの作品の中でも一番。メドレー形式の曲や、演奏時間は短いもののインスト曲もあり、芸術性も非常に高い。プログレ・ハードにふさわしいアルバム。

 このアルバムが好きかどうかは、冒頭の「Amanda」にハマるかどうかだと思う。あとは、#3~#6のメドレーを超えられるかどうか。#7あたりで宇宙で孤立したかのような雰囲気になるので、思わず眠ってしまう人もいるかも。その深さが非常に心地よい。そして、メドレーの後には終盤の素晴らしい流れが待っている。そういうわけで、アルバム単位で楽しむ作品となっている。

 個人的には、ボストンの作品の中で1stに並ぶ名盤。元々プログレが好きで、そこからボストンに入ったのも、その要因だと思う。なんおで、プログレ好きな人はこの作品の完成度の高さがわかると思う。ボストンが好きだけど、3rdはよくわからないという人も、しばらく寝かせて聞いてみるといい。もしくは、読書でもしながらBGMとして流しておけばいいい。そのうち耳にフレーズが残るようになり、一気にハマること間違いなし。

  • amanda」#1
    静かな始まりを告げる、ミドルテンポで壮大な雰囲気の曲
  • we’re ready」#2
    ボストンらしい、アルバムの中で最もハードな曲。静と動の緩急があり、曲の展開も素晴らしい。
  • to be a man」#7
    アコースティックサウンドにギターソロを加えたような、シンプルで哀愁ただよう曲。
  • can’tcha say (you believe in me)/still in love」#9-10
    メドレー形式の曲。サビから始まるテンションの高い曲。間奏でのギターソロから再びサビに突入する流れは必聴。アルバムのクライマックスにふさわしい曲。
  • hollyann」#11
    力強さと繊細さを兼ね備えた、ミドルテンポのパワーバラード。

Walk on』(1994[4th])

 

 3rdから再び8年。相変わらずの美しいトーンとハードさを兼ね備えた、ボストンの新作が発表される。このアルバムの特徴は、ボーカルが異なること。それから、アルバムの真ん中にメドレーが入っていること。オリジナルメンバーのブラッド・デルプは、自身のバンドとの兼ね合いで不参加。ただ、代わりのボーカルの声も技術も素晴らしく、不在の影響をほとんど感じさせない。

 アルバムの内容は、冒頭2曲はちょうど2ndの雰囲気に似ている。3曲目は一転、3rdの名曲amandaのような雰囲気の曲になる。2ndが1stの続編的な内容だったことを考えれば、これまでのアルバムの集大成的内容とも言える。そして、4曲目から7曲目では初めての本格メドレー。後にシングルカットされたこともあって、合わせて「walk on medley」とも呼ばれている。期待通りの豊かな展開を見せ、存分にボストンサウンドを楽しませてくれる。終盤は落ち着いた構成の曲が並ぶ。

 全体としては、演奏のハードさは歴代作品の中でもかなりのもの。加えて、インストやプログレ的な展開も多く、90年代に入ったことで音も進化している。ボストン好きならかなり楽しめる作品になっている。デビューから約20年経過し、ブランクも長い中、全く衰えを感じさせないところはさすが。期待通りのサウンドを作りつつ、毎回新たな要素を加えてくるところも良い。ボストンを全く知らない人にも、自信をもっておすすめできる。