日本人投手の武器「スプリット」はアメリカでは絶滅種?

2014年4月13日

 

上原、岩隈、黒田はスプリットで大活躍!

スプリットは怪我の原因になる?

  昨年世界一に輝いた上原浩治選手、ヤンキースのエースになった黒田博樹選手、サイヤング候補になった岩隈久志選手、そして今年メジャー移籍の田中将大選手に共通するのは、スプリットを得意としていることです。

 スプリットはもともとはアメリカでポピュラーな球種であり、日本では桑田真澄さんが投げていたことで認知度が上がってきました。つまり、日本が輸入した球種とも言えます。しかし、現在ではその関係は逆転しており、日本人選手の多くが投げる一方で、メジャーリーグでは投げる選手がほとんどいなくなっています。

  • ロッド・ベック、ジョン・スモルツといったスプリットを得意としていた投手が次々に故障し、スプリットとの関連が取り沙汰された。やがて「スプリットは危険」との認識が広まった。
  • スプリットが消え、生き残ったスプリットは特殊な球となった。日本ではありふれた球種だが、メジャーでは投げる投手が限られる。

引用元:米球界で「絶滅種」 田中将大の決め球スプリット  :日本経済新聞

 引用記事に出ている投手は、いずれも主に90年台に活躍した選手です。スプリットはボールを指で挟む球種で、ひじにストレスがかかると言われているそうです。実際にやってみるとわかりますが、人差し指と中指の間を思い切り広げてみると、確かにひじに力が入ります。スプリットが怪我の原因になると考えられ、禁止しているチームもあるそうです。

スプリットに肯定的な人も多い

 しかし、チームや選手によりけりの部分もあり、黒田選手もスプリット自体は問題は無いと語っています。

  • 「故障の原因はスプリットではない」と主張しているのは、ホワイトソックスのドン・クーパー投手コーチ。彼はメジャーの定説にあらがい、「正しいフォームで投げれば、スプリットを投げてもケガをすることはない」とする。
  • 黒田も言う。「スプリットが特別、ヒジに負担がかかるとも思えない。むしろ、フォーシームの方がかかるんじゃないですか」

引用元:米球界で「絶滅種」 田中将大の決め球スプリット  :日本経済新聞

 スプリットも含めて、フォーク系のボールは日本でも怪我をし易いとか、ストレートの球速が落ちるといった意見がありました。その一方で、例えばシュートボールについては、日本ではひじを怪我すると言われていましたが、メジャーではかなりの選手が使用しています(メジャーではツーシームがシュートにあたる)。変化球による怪我の話は、はっきりしていないところがあるというわけです。

 スプリットの話に戻すと、手首を固定して投げるという特徴があります。このために怪我が起きやすいという意見もあります。これは野球経験者でないとわかりずらいところでしょうが、おそらく手首のしなりを使えない分、ひじや肩に負担がかかるということではないでしょうか。

 

 

スプリットという変化球について

  • フォークボールと似た握りから投じられ、より速い球速で小さく落ちる変化球
  • リリースから捕手のミットへ届くまでに約10回転するものをフォーク、約20回転するものをSFF

引用元:フォークボール – スプリットフィンガード・ファストボール – Wikipedia

 フォーク系のボールの原理について見ていくと、上の引用部分にあるように、まずは回転数があります。

  • ボールのバックスピンが直球より減少して上向きのマグヌス効果も小さくなり、ボールは重力に引っ張られ放物線に近い軌道を描く

引用元:フォークボール – 投げ方と落下の原理 – Wikipedia

 ストレートに働くマグヌス効果は、「バックスピンをしている球に対してはたらく揚力」で説明できます。バックスピンをしている球のうち、上部は空気の流れがスムーズです。一方で、下部は進行方向と逆に回転しているために、抵抗が大きくなります。その結果、上向きの力が生じます。フォークはバックスピンが減少しますので、そのぶん揚力が少なくなって「落ちる」というわけです。

 そして、回転数がフォークとストレートの中間にあるのがスプリットです。ストレートに近い速度で小さく落ちるということで、ストレートと間違って空振りする人が多いのです。

 

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