『お前なんかもう死んでいる』(有吉弘行)のレビュー

2015年6月27日

地獄を見た芸人の最強の処世術!
ずる賢くいやらしく、超現実的に生きる術!

『お前なんかもう死んでいる』のもくじ

 

内容説明

猿岩石時代の月収2千万円から一転、給料ゼロのどん底生活に陥ったお笑い芸人・有吉弘行。天国と地獄を味わった男だけがわかる不況社会を生き抜く50の知恵。明るい未来なんかクソ喰らえの「毒舌生存論」を学べ。

目次

第1章 
「栄光からの転落」4の法則―現金で4千万円って「お金」って実感がないんです(“猿岩石ブーム”でいきなり「4千万」でも無駄遣いしなかった!!;金あるときでも“もらいもんTシャツ”で生活していた!! ほか)

第2章
「どん底生活」11の法則―このままでいるより自殺したほうが楽なんじゃないかな(月収100万から転がり落ちてゼロになった!!;“恐怖の午後4時電話”で毎日体が震えていた!! ほか)

第3章
「地獄で発見」11の法則―俺も試しに炊き出し喰ってみといたほうがいいかな(努力なんかしても無駄なときにしようとするヤツは馬鹿だ!!;“3桁は死守”が鉄則!!預金残高は「心の余裕のバロメーター」と思え!! ほか)

第4章
「プロ一発屋」9の法則―アイドルみたいなお笑い能力の低いヤツらの中で面白いって言われたい(「猿岩石」イメージからの脱却…「女にモテたい」を捨てたら芸風が開けた!!;世の中実力じゃなくて運だけ…ヤケクソで全裸になったら男のファンが増えた!! ほか)

第5章
「現代人へ贈る」15の法則―お前なんかもう死んでいる(風俗行きたくてもオナニーでサッパリするのと同じ!!「寂しい」から酒飲むのは無駄遣いと思え!!;後輩に目をかけるぐらいなら先輩にかわいがられろ!! ほか)

引用元:お前なんかもう死んでいる / 有吉 弘行【著】 – 紀伊國屋書店ウェブストア

※刊行年……単行本:年、文庫:年

『お前なんかもう死んでいる』のおすすめポイント!

いざという時、助けてくれるのは金!

 仕事がなくて給料ゼロのどん底生活を7~8年も続けて、なぜ僕がホームレスにもならずに生き残れたか?
 それは貯金があったからです。
(中略)
「金は天下の回りもの」なんてよく言いますけど、ウソです。回らないです。遣わないと金入ってこないなんてウソです。金遣っても自分のところまで回ってこないです。他の人のところで止まってます。
(中略)
 急に仕事がなくなったとか、会社潰れたとか、そういうときに何が自分を助けてくれるかっていうと、やっぱり金なんです。夢とか希望なんてなんにも助けてくれません。助けてくれるのは金だけです。

引用元:有吉弘行(2012)『お前なんかもう死んでいる』双葉社,第1刷,pp.82-83

 猿岩石時代に最高で月収2000万を経験した有吉さん。仕事が無くなった時点で預金残高は7000万に! そこから再ブレイクまで約10年を要することになるのですが、それまではろくに仕事もアルバイトもせず、貯金を切り崩して何とか生活をしていたそう。

 仕事もなく一日中家で過ごし、数年かけて莫大な貯金を徐々に切り崩す。その日々は地獄のようだったそうです。しかし、その地獄を乗り切って再ブレイクを果たせたのも、金があったから。たとえ地獄でも生きてるだけマシ、それを支えるのはやはり金。

 この経験は今でも有吉さんのトラウマになっているようで、再ブレイクをした現在でも金には非常にシビアな考えを持っているのです。

 

奢られて飲む時は仕事と思え!

 サラリーマンでもそうだと思いますけど、上司や先輩と飲みに行くと、やっぱり奢ってもらうことが多いと思うんですよ。
(中略)
 そこで人に奢ってもらっといて、上司に文句言うようなヤツがいますけど、金出してもらって文句言うなんてもってのほかだと思います。
 人の金で飲む時は「仕事だ」って思わなきゃいけないんですよ。人に金出してもらってる限りは、「楽しもう」なんて思っちゃいけないです。
(中略)
 人の奢りで飲むのは、「”仕事だ、修行だ”と思って飲め!」ってことです。

引用元:有吉弘行(2012)『お前なんかもう死んでいる』双葉社,第1刷,pp.168-169

  こちらも金にシビアな考え方です。奢りで飲みに連れていってもらう時、「これは仕事だ、修行だ」とあらかじめ考えられる人はなかなかいないでしょう。なんとなくわかっていても、ここまではっきり意識する人はいないと思います。

 人に奢られた時は、最低限の礼儀と感謝が必要です。それをかなり高いレベルで実行しようというのが、有吉さんの考え方。「修行」と考えて奢ってくれた相手に愛想良くするのは、案外苦ではないし、自分のためになるような気がします。

笑顔と相槌とオウム返し!

 僕の場合、嫌いなヤツと飲みにいったら、自分からは何も発信せずに、ニコニコしてただそいつの話を聞いて、適当に相槌打ってます。自分の意見は言わないです。へたに自分の意見を言ったりすると、「なんだよ!」ってなったりするんで。だいたいもともと嫌いなんで、何か言うとトゲがあったりするんですよね。
(中略)
 そいつが言ったことをオウム返ししてりゃいいんですよ。「うんうんそうだよな、わかるわかる」って言って相槌打ってれば、「お前、わかってんな」ってなるんですよ。
 それでバカにしてりゃいいと思うんですけどね、心の中で。
(中略)
 その程度でいいと思いますよ、嫌いなヤツと付き合うのは。

引用元:有吉弘行(2012)『お前なんかもう死んでいる』双葉社,第1刷,p170

 嫌いな相手にどう接するかという問いに、笑顔で相槌をするというのはよく聞く話です。しかし、これをしっかり実行するのは容易ではありません。しかも、延々と笑顔で相槌だけしているのは違和感があります。そこでもう一つ、オウム返しをするというのがポイント。

 オウム返しを加えるだけで、コミュニケーションがしっかりできている感じがします。「笑顔・相槌・オウム返し」というのは苦手な相手に使える強力な手段だと思います。その上で、有吉さんは心のなかで相手をバカにする(笑)。嫌いな人間と上手く付き合い、ストレスも溜め込まないようにするには、なかなか使える方法だと思います。

自分磨きは無意味! とにかく見た目を磨け!

 自分磨いてもしょうがないと思うんですよ。
内面磨いても、そんなに他人からわかんないですし。
(中略)
 詐欺師とかは、すごく立派な格好して人騙すじゃないですか。立派な格好に騙されて金取られちゃうみたいな。人間、中身で判断なんかしてないですもん。中身で判断できるくらいなら騙されたりしないんで。
 そう考えると、ちゃんとした格好してれば、しっかりした人に見えるっていうことなんですよ。

引用元:有吉弘行(2012)『お前なんかもう死んでいる』双葉社,第1刷,pp.184-185

 見た目を大切にする人、身だしなみに気を使う人は、それだけで印象が良いです。また、逆説的な言い方になりますが、中身がダメな人は、「服装なん て適当でいいや」などと考えがちです。つまり、外面がしっかりしているのは、中身がしっかりしていることの現れということ。外面をしっかりしようと意識で きるだけでも、プラスな考え方だと思います。

 ここで言う外面というのは、何も顔、髪型、服装だけではないと思います。内面が性格や人格だとすれば、収入、地位、役職、といったところも外面です。社会に出てしまえば、外見も含めて、多くの人がここでどういう人間か判断されるものです。

自分を磨く努力よりも、人を見極める努力をしろ!

 努力の方向が違うんですよね。自分を磨く努力するなら、人を見極める努力しろって思うんですよ。「この人についていけばオイシイ思いができる」とか、「この人のバックにつけとけば都合がいい」とか、そういう人を見る目を磨いたほうがよっぽど役に立ちます。自分を見つめ直してもしょうがないんですよ。結局自分のこと知っちゃうと嫌になるだけなんで。

引用元:有吉弘行(2012)『お前なんかもう死んでいる』双葉社,第1刷,p185

 自分磨きではなく人を見極める努力をしろという意見には納得! 自分を見つめ直して無駄に悩むよりは、人を見極める力を磨くほうが、生きていく上で役立ちます。自分のことであれこれ悩んで憂鬱になることも避けられます。

 外面を磨きつつ人を見極める能力を身につける。これができればどこでもそこそこ上手くやっていけそうです。

いい人と思われたいなら、挨拶と天気の話!

 人間、挨拶とお天気の話だけできれば、それで十分だと思います。それだけで普通は「いい人だ、気さくな人だ」って言われます。
(中略)
 どんなに人見知りの人でも、「気さくな人だ」と思われます。ジョークとか全然いらないと思います。むしろハズしますから。
 挨拶と天気。これだけ押さえておけば十分なんです。

引用元:有吉弘行(2012)『お前なんかもう死んでいる』双葉社,第1刷,p186

感想

 天国と地獄を味わって、現在再ブレイクして超売れっ子になった有吉さん。毒舌が売りですが、ただの毒ではなく、その裏には経験と理論があります。どこまで本気で言っているのかわからないところもありますが、読んで損はない1冊!
 この記事では紹介しきれませんでしたが、地獄時代のエピソードなどが満載で、再ブレイクまでの間にいかに苦しんだかわかります。普通に生きていたら得られない豊富な経験が、彼の強烈な毒舌を支えているのです! 超おすすめ!

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